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第109話 シュンとタルネ

「タルネどうしたの?

というか、ステラさんもいなくなっちゃったし、何かあったの?」


「……」


いざとなるとどうしていいかわからなくなるタルネ。

ただ口ごもり、下を向いてしまう。


「タルネどうしたの?

えっと、ステラさんを探しに行くよ」


歩き出そうとするシュン。


「待って!」


「…タルネ?」


はぁ、はぁ…。

タルネはゆっくりと心を落ち着ける。


「シュン…わたし…シュンが好き」









……。



………。






シュンの頭は正常に回転していない。

ただ頬だけ赤らめてこちらも黙ってしまう。


「シュン…」


「えっ、うん」





「嬉しい?」


ーーーー。


「えっ?

嬉しいよ!すごく嬉しいよ!タルネに好かれるなんて…」


「良かった」


急に明るい笑顔に変わるタルネ。

眩しすぎる笑顔に卒倒しそうになるシュン。


「シュン、クロニアにはどれくらいの居るの?」


「わからない、けどその後グレイグに行くし、ジルさんの話し方だと三週間くらいは戻れない気がする」


「そう…なの」


「シュン、テンポスに戻ってきたら、また一緒に遊んでくれる?」


上目遣いのタルネがシュンには異様に可愛く映った。


「も、もちろんだよ!!

あ、遊ぼう一緒に

なんでそんな」


「…シュンはネリといるのが一番なのかなって」


「いや、ネリとは仲良しだけど別にそんなわけじゃないよ」


「うふふ」


…沈黙が続いた。

タルネはただニコニコしながらシュンを見ていた。

シュンも沈黙が得意なタイプではない…。


「えっと…それだけ、かな?」


こくりと頷くタルネ。




ガサッーーー。


「それだけなわけないでしょっ!」


突然横の藪から頭に枝を付けたステラが飛び出してきた。


「シュン、あなた拒否しなかったわよね

タルネの愛の告白を受け取ったわよね」


「え…はい」


ステラは鬼の形相だ。


「このあとここにいる小娘と浮気したらどういうことになるかわかってるってことよね」


ネリの首元を猫のように掴むステラ。


「え…あ、わかります」


「あ、そ

じゃ、行ってよろしい

タルネ、あなたはシュンの頬に口づけをしなさい」


「…え」


顔を真っ赤にするタルネ。

シュンもだ。当然シュンはこちらの世界に来る前も女子に告白されたことなどは一度たりともない。

というか、手を繋いだことですら、ない。


二人は固まって動かなくなってしまった。


「ふふ、冗談よ

タルネ、行くわよ

ずいぶん遠くまで来てしまったわ」


「ステラさん…人が悪いです」


ーーーー


歩き出す三人にタルネは小さく手を振っていた。満面の笑みだ。

ステラは腰に手を当てて、まだこちらを睨んでいる。


「なあ、シュン

タルネのやつ、なんか変だったな

ステラも」


グシシと笑うライドン。


「ライドンさん、何にもわからないんですねえ」


「なんだよネリ、なんか言ったか」


ーーーーーーーー


「あ、タルネ

あなたどこに行ってたの?」


イストはテンポスの聖拍院にいた。

タルネが朝早く家を出て行ったと聞いてここかと思って来てみたようだ。


「イストごめん

ステラさんに呼ばれてたの」


タルネは今まで見たことがないような笑顔をイストに差し向けた。

その姿は後光がさしているようでもあり、イストには直視することが出来なかった。


「…タルネ、

何かあったの?」


「え…なんで」


小首を傾げる表情も今までになく眩しすぎる。

イストは思わず両手で目の前を隠す仕草をした。


「タルネ…気づかないわけないでしょ、

全部白状なさい」





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