隠したいこと
魔法使い様からこんな予言を受けました。
『君に、まだ薄く…だけど、死相が出てる』
♢♢♢
夜も更けました。
明日は勇者様達が重要なクエストを攻略する旅へと出立する日です。
彼らはこの旅で発生したクエストを成功させ大幅なスキルアップと、東の魔王へと繋がる重要なヒントを得られます。
それだけに、危険度は高く、怪我をされる可能性は多分にありますので勇者様の婚約者として、必須アイテムのチェックは欠かせません。
そう言う訳で、勇者様の旅立ちに備えることに集中したいのは山々なのですがーー…私はこれから起こる事件の対策も立てなくてはならないのです。
寝ている場合ではありません。
ーー勇者様不在の間に壊される王都の結界。
結界が壊されて、王都に魔物を率いれるなんて、そんな事はさせないーー
そう考えた私は、結界を壊そうとしているダーク様を待ち伏せて、壊す前に待ったをかけ、説得すれば良いのではないかと思い立っていました。
もしも説得が良い方向へ向かえば、物語よりも早く味方になっていただけるのでは?
などと色々安易に考えていました。
だってダーク様は根っからの悪人では無いから、最後は勇者様の仲間になるお方な訳ですから。
けれどーー
『死相が出てる』
魔法使い様がはっきりとそう申されるということは、このまま実行すると私は死ぬと言うことなのでしょう。
つまり、この段階ではまだ、ダーク様を説得するには些か難しい…と言う事でしょうか。
作中のダーク様は、魔王の手下として動いて魔物被害を多発させるけれど、安易に自分の手で人を殺すお方では無いとありましたが…。
作中通りの設定がダーク様の性格だとしたならば、ダーク様が私を殺すとは考えにくいのです。
なら、どうして私の顔に死相が?
ーーコンコン
ノックする音がしたので、ユウフェは手にしていたペンを置いて、ノートを閉じる。
ネグリジェの上からブランケットを羽織り、部屋の扉を開いた。
「はい、何かー…勇者様!」
「夜更けにごめんね、部屋の灯りが見えたから、まだ起きているかと思って」




