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旅の前に対面する 2

勇者とユウフェが出掛けている間に、勇者のパーティーメンバーが訪れ、客間で待っていると言う知らせを受けて、ユウフェの瞳がぱあぁっと輝き出した。


 ユウフェがここまで喜ぶのは致し方ない事であった。小説に登場していた主要キャラクター達である彼等はユウフェの憧れそのもの。


 サブヒロインでしか無いユウフェとは本来であれば、ほぼ関わりはない。


 彼等と顔を合わせる事は王宮でしかなかったので、自分のプライベート空間に彼等がいると言うのはユウフェにとって青天の霹靂と言えた。


「こうしては居れません、私お茶の準備を!!」


 慌ててお客様を出迎える準備をしようとすると、執事は興奮しているユウフェを落ち着かせるように「既にメイドが出しておりますから」と穏やかな声音で状況を説明してくれた。


 それを聞いて、ユウフェは少し残念そうに「そうですか…」と項垂れる。※あわよくばお茶を配りに行くふりをして、現在揃っているパーティーメンバーを見たかった。



(折角だから勢揃いした勇者御一行をこの目で見たい…ううん、此処は我慢です。

きっと重要なお話をされるから此処へ来たのですよね)


「ユウフェ?ぼうっとしてどうしたの?」

 

 顔の前でひらひらしていた勇者の右手をユウフェは無意識にそっと両手で掴む。


「折角ですから勇者御一行の皆様、邸宅にお泊まりになってはどうかと思いまして。


もう夕暮れ時ですし、宜しければ夕飯も勇者様と皆様でご一緒していただくのはどうでしょうか?」


 ヒンヤリとした小さな両手に包まれている右手と、上目遣いで見上げてくるアメジストの瞳に意識が逸れている勇者は、戸惑いながらも何とか質問を理解して頷いた。


「ぁ…ああ、確かにわざわざ皆揃って待っていたと言う事は、重要な話だろうし…

でもその…本当に良いのか?」


「勿論です!

それでは私、今から準備して来ますので、勇者様は先に皆様の所へ行ってください」


 輝かんばかりの笑顔に、染まる頬を誤魔化す様に勇者は空いた手で口元を隠しながら握られた右手で、ユウフェの片手を引き寄せて言った。


「ユウフェに皆を紹介するよ」


 

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