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番外編・2 スマホ

…今回、挿絵(?)にチャレンジ。

でもね。前もって書いときますが…。

豆月に画力なんて無いのですよ。

期待はNG。ご了承下さいマセ。

 「ねーねー、ご主人〜」


 もっちーが久吾に、スリスリと寄って来た。


 「おや、もっちーさん、どうしました?」


 「あのね、この間オレっち達ガンバったじゃん? でねでね、ご褒美欲しいな〜…、って思ってさ!」


 「ご褒美…、大福アイスなら、まだたくさんありますよ?」


 もっちーは、ブンブンと全身を横に振りながら、


 「違うの! オレっち()、スマホ! 欲しいの! 今はスマホ、一人一台の時代なんだぞ!」


 久吾が、ほう、と言った。


 「私、要りませんけどね…」


 すると、みー君もやって来て、


 「ハイハイ! ボクも欲しい! 音ゲーやりたい!」


 「………おとげー? 何ですか? それ…」


 久吾がそう言うと、ふーちゃんもやって来て、


 「リズムゲームよ」


 「え? スマホって、ゲーム機なんですか?」


 「ううん、スマートフォンだけど…。ななさんに説明するの、ちょっと面倒かなぁ」


 ええ…、と久吾が呻く。


 「でも、太鼓のゲーム、蔵人さんにお願いして買ってもらいましたよね?」


 すると、みー君もふーちゃんも、ついでにもっちーも、「お願ぁい」と目をキラキラさせている。


 「………仕方ありませんね。また蔵人さんにお願いして…」


 「その必要はねぇぞ」


 久吾が驚いて振り返ると、転移門(ゲート)を通ってハチが現れた。


 「ハチさん!? …こちらに来るなんて、珍しいですね。どうしたんですか?」


 ハチは小箱を応接間のテーブルに置き、黒電話の隣にWi-Fiを設置しながら、


 「この間もっちーが『スマホが欲しいけど、ご主人買ってくれるかなぁ…』ってボヤいてたからよ。どうせなら俺が作ってやろうかなって」


 もっちーが、え!? と嬉しそうにした。


 「ハッチャン…、覚えててくれたの!?」


 キラキラした表情のもっちーに、ハチはにっこり笑って、小箱からお手製のスマホを取り出し、


 「俺も人間が『電話』を発明した時、興味はあったんだがよ、俺ら連絡は大体精神感応(テレパシー)で済んじゃうだろ? だから要らねえと思ってたんだけどな…」


 おもむろに操作しながら、


 「でもよ、パソコンってのが出来てから、こうやって人間達の情報を集める手もあるなぁ、って思ってるうちに、このサイズまで縮んでいったからな」


 それを聞いて驚いた久吾が、


 「え? これ、パソコンなんですか?」


 「…いや、スマートフォンだけど…。昔のパソコンより、よっぽど便利だぞ」


 久吾が首を捻る。ハチは苦笑しながら、


 「まぁ、お前に説明すんの面倒くせぇからいいや。ほれ」


 ハチはもっちー・みー君・ふーちゃん・めぇ・もつこに、スマホを一台ずつ配る。

 子供達は「わーい!」と喜び、起動させる。早速何やらアプリをインストールしているようだ。


 「……………」


 久吾が腑に落ちない様子で子供達を見ていると、ハチが「ほい」とスマホを久吾にも渡した。


 「え」


 「お前の分だぞ」


 ええ…、と久吾が呻き、


 「要りませんけど…」


 文句を言うとハチは、


 「一応持っとけ。精神感応弱ぇ奴らも、俺らの仲間にはいるんだからよ」


 「? そうなんですか?」


 「専用のメッセージアプリも作ったんだぜ。何よりコレ、《一桁(ウーニウス)》の連中に察知されないのが良いんだよ。最近は《(テット)》とも、コイツでやり取りしてるんだ」


 久吾が、へぇ、とスマホを眺めながら、


 「他の仲間って…」


 「ああ、俺の知る限り、アメリカに4人、フランスに1人、ドイツ…、は、マルグリット、知ってるよな。後はロシア、イタリア、中国…」


 「結構いらっしゃるんですねぇ」


 久吾は驚いてそう言った。

 ハチは自分のスマホの画面を開きながら、


 「そういや、この間羽亜人が、このスマホ専用のメッセージアプリにって、俺らのスタンプ作ってくれたんだ」


 ほれ、と見せてくれたのは、




挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)




 「おや、これ、私達ですか? 可愛らしいですねぇ」


 「だろ。めぇともっちー、もつこもいるぜ」




挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)




 もっちー達も見ながら、「そっくりじゃん!」「カワイイ!」などと喜んでいる。


 「えー? ボク達、ないのー?」


 みー君達が言うと、ハチは、


 「今度作ってもらおうな。…あ! そーいやフランスにいるNo.723…、ピエールってヤツなんだが、絵描きやっててよ。アイツもめぇ達の写真送ったら、作ってくれたんだよな」
















挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)




 「!? ………誰ですメか!?」


 「ひぎゃっ!! …オレっち、こんなんじゃねーーー!!!」


 ハチも久吾も、困惑した表情で、


 「………うん、ちょっとアレだな。…アイツ確か、ファリダのスタンプも作ったって…」
















挿絵(By みてみん)




 「「!?」」


 ふーちゃんともつこが笑い転げている。みー君は「むう、あばんぎゃるど…」と呟いていた。


 「………ひでぇな。とてもじゃねぇが、ファリダにゃ見せらんねぇな。最近アイツ、蔵人達が人間に戻っちまったから、落ち込んでるし…」


 久吾が、おや、と言いながら、


 「そうなんですね。元気出してくれると良いですけど…。ところでコレ、どうすれば動くんですか?」


 ハチに渡されたスマホを差し出すと、ハチはそれを手に取り電源を入れる…、が、電源が入らない。


 「あれ?」


 再起動を試みるが、やはり動かない。

 ハチはしばらく久吾のスマホを睨んでいたが、


 「………そういや蔵人が、お前がパソコンやら何やら壊すってボヤいてたな。…お前、何か怪しげな光線でも出してんのか?」


 「そんなわけないでしょう」


 ハチは首を捻りながら、


 「…やっぱりお前にゃ渡さない方がいいかな。今回はお預けだ」


 「……………」


 久吾は、要らないとは言ったが、ハチにそう言われると、ちょっと残念な気持ちになった。

このお話はフィクションなんで、自作スマホが電波法違反とかは目をつむって頂けると助かります。

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