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危険な森で目指せ快適異世界生活!  作者: ハラーマル
第2章:異世界の人々との出会い

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第85話:ゴーレム作り2

その後、数回試してみたが、同じく2分ほど魔力を込めていると、魔石が破裂した。

・・・魔石が破裂した原因が分からない。


込めた魔力の量が多すぎた?

けど、2分間魔力を込めただけで、魔石が飽和するってこと?

今回試しているファングラヴィットの魔石は、大きいわけではなく握り拳ほどの大きさだ。

思っていたよりも魔力を込めることができないんだろうか・・・

魔力の量って見えないから、よく分からんのよね。



私が1人で試していても、破裂した魔石が量産されるだけなので、レーベルに見てもらうことにした。

レーベルの前で、先程と同じく魔石に魔力を込めていく。

当然、2分ほどで破裂した。


「・・・・・・なるほど。結論から申し上げれば、破裂した魔石は、魔石に溜められる魔力の最大量を超えたわけではありません」

「・・・そうなの? ・・・じゃあ、なんで破裂したの?」

「はい。コトハ様が込められている魔力の純度は極めて高いものです。そのため、一度に込められる最大量を超える大量の魔力が、魔石に一度に流入してきたため、魔石が耐えられず破裂したのではないかと思われます」


レーベルの説明によると、魔石に魔力を込める方法は正しいらしい。

ただ、私は膨大な魔力を体内に保持しているため、魔石に魔力を込めようとすると、一度に放出される魔力の量も多くなる。

要は、魔石に込められる魔力の最大量が100だとしても、秒速10で込めていくことはできず、秒速5くらいでゆっくり込めないと、魔石が耐えられないということらしい。



レーベルに礼を言って、魔石へ魔力をゆっくり込める方法を考えていく。

幸い、破裂した魔石の欠片は、シャロンやマーラたちがおやつ代わりにガシガシ囓っているので、無駄にはならなそうだ。

それに在庫は山ほどある。


とりあえず、魔石を両手で包んでいたのを、片手をかざすだけに変えて、試してみたが、4分ほどで破裂した。

一応、片手にするのは正しかったようだが、片手にしてもなお、一度に込める魔力が多いらしい。


片手にしたうえで、込める魔力の量を調節しなければならないわけだ。

考えつくのは、魔力を込める際に手に集める魔力を減らす方法、もしくは、込める量を減らす方法だ。

後者の方法では、手に集めた魔力のうち、魔石に込める魔力の量を制限することになるが、そんな細かい調整はできる気がしない。

前者の方法で、魔力を手に集める過程で、他の場所に分散させる方が分かりやすい。



自分の身体を巡る魔力の流れを掴むことは、できるようになってきたので、いつもよりも意識して、魔力の流れを感じてみる。

身体を流れる魔力を感じることができるようになってきたら、その流れを操作する。

これまでは単に両手に集まるように意識していればよかったが、今回は魔石にかざしている右手に魔力が集中しないように、左手や両足、お腹に魔力が集中するように、意識していく。


なんとなく角の感覚がいつもよりも強くなった気がしてから、体中の魔力の巡りが変化し、右手に集まる魔力が分散し、左手や足なんかに魔力が集まっている感覚が増していった。

上手くいったのかは、魔石が破裂するかどうかで確認しよう。

魔力の分散が終わったら、魔石へ魔力を込めていく。





集中していたから正確には分からないが、魔力を込め始めて10分程経過しても、魔石が破裂する気配は無い。

一旦魔力の込めるのを中断して、魔石を確認する。

右手で魔力を込めていた魔石は、それまでの青色から紫色っぽく変色していた。

魔石の色は、持っていた魔獣に関わらず、同じであったので、紫色の魔石は初めて見た。



「・・・・・・これは、成功?」


魔力を込めていたのは間違いないだろうし、魔石の色が変色していることから、何らかの変化が起こったのは間違いないだろう。

それにこの魔石からは、他の魔石よりも強い魔力を感じる気がする。



一応、魔石に魔力を込めることに成功した、ということにしておこう。

感覚を忘れないように、いくつか試したが、どれも似たように紫色に変色した。

ただ、紫度?が異なる気がする。

元々の青味が残っているものもあれば、最初の魔石よりも紫色が濃いものもあった。


正確に時間を計測することはできないし、右手に集めている魔力の量も一定ではないだろうから、込めた魔力に差が出ても仕方がない。

ちなみに、一度魔力を込め終わった魔石に、後から魔力を追加で込めることもできるようだった。



レーベルに確認したところ、紫度が一番強い魔石、つまり一番紫色の濃くなった魔石に多くの魔力が込められているとのことだった。

とりあえず、その魔石を量産できるようになることを目指して、さらに魔力を込めていく。


結果として、似たような紫度の魔石を10個作ることができた。

体内で魔力を集める場所を弄る感覚にも慣れてきたのは、思わぬ収穫だった。

これまでは、両手に魔力を集中させて、両手の周りで魔法を発動させていたが、魔力を集める場所を任意に操作できるようになれば、周囲に魔法を発動させることができる。

それに発動する魔法の威力を調整 —私に必要なのは爆散させないようするための手加減だが— できるようになるかもしれない。

・・・まあ、それはまた今度だ。



 ♢ ♢ ♢



魔石に魔力を込めることには一応成功した。

ただ、魔石をゴーレムの核とするには、魔力を込めるのと同時に命令式を書き込まなければならない。

つまり、ゴーレムにさせたい基礎的な動きのイメージを強く抱きながら、先程の魔力を込める作業をしなければならない。

それにゴーレムに必要な基礎的な動きは、単発ではなく、歩いてしゃがんで、走りながらジャンプして、といった複数の動きを組み合わせる必要がある。

それを細かくイメージしながら、魔力を込めていくのは困難に近い。





どうしたものか・・・

予め書き込みたい動きを列挙しておいて、魔力を込めながらイメージする動きを切り替えていくのも手だが、上手くいく気がしない。



悩んでいると、私の作った的に、空中で回転しながらかかと落としを決めているカイトの姿が目に入った。

・・・・・・当然イメージは、頭の中で頑張るよりも、何かを見ている方が強くハッキリしたものとなる。

今見た、カイトの動きはバッチリ、イメージできている。


カイトやポーラに動きをお願いして、それを見ながら魔力を込めていけば、その動きを命令式として書き込むことができるのでは?

・・・・・・試してみるしかないかな。



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― 新着の感想 ―
[一言] 今はここまでかな? 続きが楽しみです
[一言] まだなの?86話 早うしたっておくんなさい
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