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危険な森で目指せ快適異世界生活!  作者: ハラーマル
第1章:異世界の森で生活開始
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第3話:周辺を散策しよう

ステータスの画面の確認を終えた私は、ひとまず、『身体装甲』で、動きやすそうな地味目な色のシャツに、黒いズボンと、茶色いブーツに着替えた。

ゲームとかに出てくる、村人みたいな格好だ。


ゆっくり座れる場所を作ろうと思い、壁際の軟らかくした場所で土を掘り、窪みを作る。

掘った土や、周りの土を集めて、壁に押しつけて、背もたれのようなものを作っていく。


座椅子のようなものをイメージしながら、その作業を続けて、ふと、魔法でできないかと思いつく。


先程までの検証の結果、魔法やスキルで重要なのはイメージだった。

とりあえず、『光魔法』で明かりを確保する。

入り口から光は差し込んでいるが、夕方ということもあり、暗い。

電球をイメージし、「光って!」というと、光の球が現れた。

家の電気をイメージをしていたからなのか、現れた光の玉は、洞窟の天井付近にとどまって、光り続けていた。


次に、『土魔法』で家具を作れないかやってみる。

座椅子を強くイメージしながら、「椅子を作って!」と叫ぶと、どこからともなく土が集まりだし、土の塊が生まれた。それから土の塊は、徐々に形を変えていき、最終的に思い描いた座椅子の形になっていた。背もたれは角度があり、肘置きや足置きまである。

私のイメージした座椅子、家のリビングにあった座椅子とまったく同じ形状に、土が形成されていた。


座り心地もそこそこの座椅子に座りながら、他にも作れないかと考える。

イメージが大事!っと考えながら、机や棚、ベッドを作ってみた。

他にもお皿やコップ、スプーンやフォークも作ることができた。


そんな風に、魔法で遊んでいると、洞窟の入り口から差し込む光がほとんどなくなり、洞窟内は真っ暗になりつつあった。


「今日はここまでにして、寝ようかな。」


そう呟きながら、枕をイメージし、作ったベッドの上に今日の寝床を作った。幸い寒さを感じないので、今日はここで寝ることにする。



 ♢ ♢ ♢



翌日、目を覚ますと、魔法で水を出して顔を洗い、『身体装甲』で帽子をかぶった。

今日は、崖を下り、目の前の森に入ってみることにする。


洞窟の外に出ると、昨日と同じく快晴で、綺麗な青空が広がっていた。

森に行くために崖を下る必要があるが、そこは『土魔法』で階段を作ってなんとかすることにした。


階段を下ると、下ってきた階段を消しておく。

どうやら『土魔法』で作り出したものを、消そうと思うと、壊れるのではなく、作り出した階段や壁自体が消えるようだ。

階段を消したのは、森にいる動物が登ってこないようにするためだ。

現状、この洞窟は唯一の安全地帯だ。

それに、まだ一晩しか過ごしていないが、愛着もわいている。妙に、居心地がいいのだ。冬場のベッドの中のような、心地よさがある。



目の前に広がる森に目をやる。正直怖い。

上から見た感じ、昨日のでかい動物はこの辺りにはいないようであるが、あんなバカでかい動物のいる森だ。他にもどんな動物がいるかも分からない。

しかし、昨日目覚めてから、何も食べていない。何か食べるものを見つけないと生きていけない。それに、ずっと洞窟に引きこもって暮らしていくわけにもいかない。


そう考えながら、慎重に森の中に入っていく。

帰り道が分からなくなっても困るので、適度に『土魔法』で地面を耕しながら進んでいく。


15分ほど歩いたときに、リンゴのように赤い木の実をたくさん付けている木を発見した。

ひとまず、あの木の実を手に入れることにしよう。そう思い、再び『土魔法』で階段を作った。


「『土魔法』便利すぎるわね。」


そんなことを呟きながら、赤い木の実を10個ほど回収した。


さて、回収した赤い木の実をどうするか。食べ物っぽかったから考えずに回収したが、よく考えると、毒とかある可能性もある。

見た目はリンゴみたいだが、別世界の木の実だ。


どうしようかと少し考え、『鑑定』のスキルを思い出す。

木の実を見ながら、


「『鑑定』」


と唱えると、木の実の詳細を知ることができた。



 ♢ ♢ ♢


『アマジュの実』

 アマジュの木に生る実。魔素を多く含む。食用。


 ♢ ♢ ♢



この木の実は、『アマジュの実』というらしい。

〜の実ってことは、この木の実が生っていた木は『アマジュ』という木のようだ。そんなことを考えながら、木に『鑑定』を発動すると、



 ♢ ♢ ♢


『アマジュ』

 魔素の豊富な地域でしか育たない。その葉や実も多くの魔素を含む。


 ♢ ♢ ♢



とりあえず、食用の木の実を確保できた。見たところまだまだ木の実が生っているので、安心した。

『アマジュの実』は、食感はリンゴに似ているが、とても甘くて、みずみずしかった。正直、めちゃくちゃおいしい。こんなおいしい果物食べたことがない。

採った『アマジュの実』を、『土魔法』で作った箱に入れ、一度崖の下まで戻る。


階段を作って崖の上に上り、再び階段は消しておく。

洞窟の奥に戻り、抱えていた箱を置く。そして再び、森の散策に出ることにする。

階段を作り、下ろうとして、思いつく。

洞窟の入り口を塞ぐイメージをして、「壁を!」と唱えると、洞窟の入り口に土が集まり、入り口を塞いだ。これで、私のいない間に、何かが侵入することもない。壁を壊されたらそれまでだけど。


そうして、森を眺めていると、木々の隙間から、『アマジュ』が生えていたのとは反対側、洞窟から右手側に、川が流れているのが見えた。

森の中に流れる川は、生物たちの生活の中心だ。

捕まえられそうな動物がいるかもしれないし、木の実なんかも近くにあるかもしれない。

そう思い、川の方向を目指すことにした。



川の方向を目指して、『土魔法』で目印を作りながら進んでいく。

5分ほど歩いたところで、「グゥゥゥ」という、うなり声のような音が聞こえた。

よく聞いてみると、川の方向から聞こえているようで、迷ったが見に行くことにした。



5分ほど周りを警戒しながら歩くと、木のない広場のような場所が見えてきた。

そこには、2人の子どもと、それを睨みつける大きな虎がいた。


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