第27話 怒り
放課後。
なんとなく誰だか察しはつくが、無記名の手紙でお呼びだしを食らった。
正直行こうかすごく迷ったが、行かずにこのまま話し合いがヒートアップすれば何をされるかわからないので仕方なく向かうことにした。
呼ばれた場所に着くとそこには、すでに待っていた玲奈とその取り巻き達が怖い雰囲気を漂わせながら突っ立っていた。
圧倒的な数的不利を感じる。
「……なんのようかな? もしかして告白? いやー照れちゃうなー」
いざとなれば逃げればいいので、そうわざと挑発するような事を言って早く思っている事を吐かせようとしたのだが。
「…………違うに決まってんだろ」
意外と動じない様子。
今更だけど、イジメをしている人に対してこんな行動を取れている自分が未だに信じられなかったりする。
不思議と恐怖心は無い。相手が女子だからというのもあるのかもしれないが。
「あぁ、そう。とにかく何の話ししたいのか早く言ってくれる? 今日時間無いんだよね」
「嘘つけ。家に帰ったら咲茉と遊ぶだけだろ」
「そうだけど?」
悪びれずに答えると、彼女たちは俺を睨む目を更にキツくした。
急に全員で殴りかかってきたりしたらどうしようとかは思うけど、その時はその時だ。
「もう帰っていい?」
「は? ダメに決まってるじゃん。そんなに帰りたいなら服全部置いていけ」
「いや意味分からん。そんなに俺の裸みたいの?」
俺なんかの裸を見たいとか、変わった女なんだなと思いながら俺はブレザーのボタンに手を掛けた。
「べっ、別に見たいわけじゃないし! その、脅し用に写真撮るというか……?」
イジメをしている人に対して思うのはどうかと思うが、正直今のはかわいらしい反応だった思う。
口には出さないけど。
「……なんかもう面倒臭いから帰るね」
そう言ってこの場を離れようとした時。
カバンに入れていたスマホから着信音が鳴った。
「……咲茉、?」
俺は慌ててスマホを確認した。
そこには『助けて』と一言だけ送られてきていた。
玲奈たちの方を見ると、全員がニヤニヤと不気味な笑みを浮かべてこちらを見ている。
「咲茉はどこ?」
俺は今までに感じたことが無いほどの怒りを覚えたような気がした。
気付けば彼女たちの目の前に立って、相手をキツく睨みながらそう尋ねていた。
「はっ、教えるわけな――――」
玲奈の言葉が途中で途切れた。
彼女は頬を手で抑えて、痛そうに地面に倒れ込んでいた。
手を出してしまった。
「あぁ、めんどくせぇ……」
俺は逃げるように走り出して、咲茉を探しに校舎へ向かった。




