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第26話 教えて

 玲奈れいなと話をした次の時間は、彼女は授業に遅れてやって来た。

 目が真っ赤になっていたのを見たかんじ、泣いていたのだと思う。


 まさかこんなにも自分のことを好きになる人がいるなんて考えたこともなかったので、少し驚きつつも特に気にせず先生の話に耳を傾けた。


 そのままその授業が終わった。


 玲奈れいなはさっき、イジメをして後悔させてやるとか言ってきたのに、何かをしてくるような気配はない。

 どういうことなのだろう。


 来ないなら、それはそれで怖かったりするのに。まぁ、その方がありがたいんだけど。


 そんな事を考えながら少しの間窓の外を見てボーッとしていると、突然誰かに声をかけられた。


「……ねぇ、ちょっと聞きたい事があるんだけど……」


 声がした方を向くと、同じクラスになってまだ一度も喋ったことがなかったみおがいた。

 玲奈れいなの取り巻きのような存在だった彼女が俺に何の用なのだろう。


「……なに?」


 もしかすると、玲奈れいなは直接手を出さずに俺を潰しに来ようとしているのかもしれない。

 そう思った俺は、少し身構えながら話を聞く。


「朝から玲奈れいなの様子がおかしいのよ。見てたらわかると思うけど」

「…………あぁ、」

「それで何が合ったのか教えてほしいなって」


 彼女は笑顔でそう言っているのに、何故かものすごい圧を感じる。


「……知らないけど?」

「嘘つけ。さっき玲奈れいなの事泣かして来たくせに」

「…………」


 そういえばそうだった。

 周りのことなんか気にしている余裕が無かったから、目撃者がいるのを忘れていた。


「それに昨日、急にゴミ《えま》をイジメるのを辞めろって言い出したんだよ? 何かあったに決まってんじゃん」

「そーですよねぇ……」

「だから吐け。一から説明しろ」


 みおはほんの数秒前まで浮かべていた笑顔を消して、脅すような口調でそう言った。


「……じゃあ、その前に一つ聞いて良い?」

「なに?」

咲茉えまをイジメてる事に対してどう思ってるのか、教えてもらっていい?」


 俺も圧を掛けるように笑顔で尋ねると、彼女は一瞬表情をしかめた。が、すぐに取り繕うように咳払いしてから元の表情に戻った。


「……なんで教えないといけないのよ」

「じゃあ俺も教えられないかな」

「お前さ……」


 あからさまに鬱陶しそうな顔をして、みおはため息を吐いた。

 それから少し間を開けてから口を開いた。


「……もういい。ほんとアンタ面倒臭いよね。また後で聞くから話まとめといてよ」


 そう言ってから彼女は玲奈れいなの元に戻っていった。

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