第25話 はい、バレた。
昼ごはんを食べたあとに何故か教室の外に呼び出された俺は、不思議に思いながらも外に出た。
廊下には目を細めて怖い表情をした玲奈が一人で立っている。
「あのさ、嘘ついたよね?」
正面に立つと突然、そんな風に表情一つ変えずに尋ねられた。
「え、」
「咲茉と付き合ってるんでしょ? って聞いてるの」
玲奈は更に俺のことをキツく睨み、語勢を強めて言った。
どうやらバレてしまったよう。
なんとなく嫌な予感はしてたんだけども。
「なんで――――」
「本人が言ってた」
「アイツ……」
まさか彼女が言うとは思ってもいなかったので、少々驚きながらもなんとか冷静さを保つ。
せめて口止めしとくんだったと少し後悔しながらも、俺は言葉を返す。
「……まぁ、いいか。どうせいつかバレるんだし。それに、お前みたいなクズとは付き合いたいとなんか思うわけ無いしな」
「……は?」
玲奈は俺が言ったことを理解できていないのか、焦ったような素振りを見せる。
いや、ハッキリと理解したからかも知れない。
「正直に言うわ。ごめん。俺、お前と付き合うとか無理だから」
「え……、?」
「ていうか、嫌いなやつとなんで付き合わないといけないんだよ」
思っていることを彼女に突き刺すように次々と言葉にする。
すると、玲奈はちょっとだけ表情をこわばらせた。ダメージが入っているのだろう。
「だ、だって! イジメをやめたら付き合うって約束……、あれ、私が好きだからじゃ……」
「そんなわけないだろ。ただ単に《《好きな人》》をイジメから助けたかったんだ」
今度は俺が彼女を睨み、語勢を強くして言った。
玲奈の顔は、今にも泣き出しそうな表情へと変化していった。
「まぁ、そういう事だから。……あ、付き合わないけど俺の彼女のことイジメないでよね」
それだけ言い残して教室に戻ろうとしたが、玲奈の声を聞いて動きが止まる。
「…………そんな嘘ついてさ、許されるなんて思ってるわけ? 相手の事傷つけるのがそんなに楽しいの!?」
「それはお前が一番わかってると思うんだけど」
「……いやっ! それは……」
と、彼女は少し口籠ってから再び口を開いた。
「わ、私だってイジメたくてイジメてたんじゃないし!」
「知るかよ。どうでもいいわそんな事」
もう話をするのも面倒臭くなってきたので、それだけ言ってあとは無視して教室に戻ろうとした。
しかし、服を掴んで無理やり話の続きを再開させられる。
「ちょっ、離せって」
「……絶対にアンタもイジメて、こんなことしたのを後悔させてやる」
怒っているのか、泣いているのかは良くわからないが、うつむいて玲奈はそう脅すように言った。
恐れていたことが起きようとしている。
普通にピンチじゃね? とは思うけど、ここまで言ってもう引けるわけがない。
「あっそ」
吐き捨てるように言って、今度こそ教室に戻った。




