第22話 どうする?
「大変申し訳ありませんでした」
「いや、いいんだけどさぁー……。どうするの? これから」
俺は今、とある問題にブチ当たっている。
ちゃんと後先考えて行動していればこんな事にはなっていなかったのに。
「二股するわけにはいかないでしょ。さすがに」
「ですよねー」
本当にバカだと今更ながら気付いた。
5分前の自分をぶん殴ってやりたい。
「いや、でもイジメは減るかもだし……」
「イジメが減っても蒼空と別れることになるなら私はイヤだ」
「じゃあ、二股……?」
「ダメだって!」
今更ながら、俺にはもうすでに彼女がいるのだ。
それなのに、イジメをなくしたいということしか考えずに話を進めてしまった。
やらかした。
「でもさ、やっぱさっきの話ナシってのはさすがに可哀想じゃない?」
「人をイジメるようなやつにそんな事考えなくていいの!」
「えぇぇぇ……」
こんな感じで、なかなか良い案が思い浮かばないので討論をただひたすらに続ける。
◇ ◇ ◇
一時間ほど話し合ったところで、咲茉のお腹が鳴ったのを合図に一時中断して晩ごはんを食べることにした。
もちろんインスタント食品である。
「……それでさぁ、お願いだから約束なんか忘れたとか言って断ってよ」
「俺から話持ち出しておいて、それはクソすぎるだろ」
「でもアイツ私から見ればクソ以下だよ?」
「おぉ、相変わらず口が悪いですね」
咲茉は玲奈のことを話す時だけ、結構口が悪くなったりする。
相当恨んでいるのか、今までの積もり積もったイジメへの怒りをぶつけているだけなのかはわからないが、とにかく怖くなる。
「だって嫌いなんだもーん。いや、普段人前で悪口とかは言わないけど、今日は特別だし。あと蒼空は信用してるから」
「それはありがとう。……でも、このまま話してても答えが出そうにないし、もう俺一人で考えてみるよ」
「うーん……、まぁ、いいんだけどさぁ。私は別れるつもりなんてないからね?」
「安心したまえ。俺も別れるつもりないから」
これは本音だが、それを言葉にするのは少々勇気が必要だったりする。
でも、その言葉を聞いて嬉しそうに頬を赤らめている咲茉を見ていると、言ってよかったなと思わせてくれる。
恥ずかしいのに変わりはないけど。
「……信じてるよ」
「おう」
そうして、特になんの成果も得られなかった話し合いは幕を閉じた。




