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リルの物語

リルの物語

作者: リルのママ

よろしくお願します。

 リルが確かに居た記憶を忘れたく無くて、

 記憶を思いだしながらこれを書いている。


 リルは茶色と黒の色の長毛で尻尾はフサフサ、

 黒い柄がまるで燕尾服を着ているような感じの模様で

 足は茶色の靴下を履いたような感じ。

 両前脚は歪み変形していた。

 そのせいか、歩くのをいつも辛そうにしていた。

 最初の散歩の時は一歩も歩かなかったくらい歩くのを嫌がった。


 柔らかい長毛のミニチアダックスフンドの雄で、

 捨てられていたところを保健所で保護され、

保健センターで引き取った。

 引き取った時は推定5歳だった。


 2022年12月21日12時15分に病院で亡くなる。

17歳だった。

 病院から連絡は無く。

 12月21日朝8時32分病院から連絡があり、

リルが死んだと知らされる。

 急いで病院へ行くと冷たい机の上に

私が用意した毛布と病院のタオルで

 くるんだリルと対面した。


 すでに遺体の処置がしてあり、死水はとっくにとられてた。

 目が開いたまま亡くなってた。

 その遺体を見たとたんに、膝から頽れるようになって、

涙が止まらなかった。

 遺体に触れると防腐措置をしたのか、とても冷たかった。

 直前までドライアイスに詰められていたようだ。

 口の中からドライアイスっぽい煙が少し見えた。


 昨日病院に行って、入院した時の説明では

「クリスマスまでには

 家に帰れるようになればいいですね」と医者は言ってたのに

 クリスマスまでに亡くなって帰れるって事なのか?


 しかも入院して初日に亡くなるってどう言う事?

 やたら家に居る方がいいと言われたのは、

 死んじゃうから家にいたほうがいいという事だったのか?

 だったらはっきり言って欲しかった。


 12月20日やたら鳴きまくり、

ご飯を食べた後全部吐いて戻してしまった。

 苦しそうにしてご飯も食べれない水も飲めない

 歩けなくなり、座れなくなってしまったので、

病院へ朝連れて行った。

 極度の脱水症状が出ていて、

病院で体重を計ったら2.6キロしか無く

 水分を採る為に点滴をした。


 病院は午後は開いていないので、

夜17時にまた来る予約をして

 家に戻り、夜17時頃に病院へ行ったら、

冷たい机の上に病院のタオルと

 私の用意した毛布に包まれていた。


 点滴打った後らしく、

リルに触れてみたら身体がとても冷たかったので

 全身をマッサージした。

 いつもリルの足の肉球が冷たく肉球を自分で舐めていたので、

 寝る前にリルのマッサージをいつもしていた。


 マッサージをしていたら、

看護師さんがホットカーペットを持ってきた。

 なんで私が来てからホットカーペットを持って来たんだろ?

 最初から用意してたらいいのにと思ったが、

 そのままホットカーペットを借りた。


 そのまま20時に病院が閉まるまでリルをマッサージしてたら

 リルはとても気持ちが良さそうにしていた。


 身体は最初は起き上がれないままだったが、

私がマッサージをしたら

 リルは身体をちょっと起こそうとしていた。


 そしてウンチをし始めたので看護師さんが

リルのウンチの処置をしていた。

 わたしがリルの全身をマッサージしたらリルの身体は、

 とても暖かくなっていた。

 私が帰るときに看護師さんが、

「あら?リルちゃんの身体、とても暖かくなってますね」

 と言ってた。


 医者にこのまま連れ帰りますか?と言われたが

 自転車で来ていたので無理だった。


 この時自転車を置いてリルとタクシーで家に帰っていたら

 家で看取れたかもしれない。


 病院が閉まる20時までリルのマッサージをしていたら、

 隣の部屋で猫がこの世の終わりのような

 叫び声を出していて、

リルが落ち着けるように何度も声を掛けてマッサージをした。


 医者や看護師が足をマッサージしようとすると、とても嫌がり、

 リルは足を退けた。

 たぶん血液検査をするために針を入れられるのが嫌だったのだろう。

 血液検査は血管が細すぎて血液が採れないと医者に言われた。

 点滴をしたので朝にまた血液検査をしますと医者は言っていた。


 そのままずっと20時までリルの全身マッサージをして

病院にリルと一緒にいた。

 後で思ったが私がマッサージしていなかったら、

リルは放置されてたのでは?と。

 ホットカーペットも準備していなかったのだ、考えられる。


 あのまま家に連れかえっていれば、、、と悔やまれる。


 医者の話では、リルは目眩がずっとしている状態で

乗り物酔いをしているような感じらしい。

 だから何も 飲めないし食べれないし、

立てないし座ってられず、常に横になっている状態。


 そして2022年12月21日、日付が変わってすぐ、

12時15分にリルは亡くなった。

 17歳だった。

 医者の話では、12時半頃見てみたら

眠るように死んでいたらしい。

 今考えるとなんかおかしい、

12時15分に死んだんだよね?

 なんで12時半に様子をみたのさ。

 でも説明を聞いた時はもう凄く悲しくて動転していて、

泣くのに忙しく

 話はあんまり聞いていなかったんだと思う。


 私が落ち着いたら亡くなった時の話をゆっくりします。

 とか医者は言ってたような気がする。


 落ち着くっていつ私が落ち着いたの分かるのさ、

もう死んじゃったんだよ。

 帰って来ない。何の意味もない。


 病院でそのまま亡くなって冷たいリルの身体を

毛布ごと抱きしめながら

 長い間号泣してた。


 ふとこのまま、リルが怖がってた病院にいてはいけないと思いたち、

 病院で料金を払って、タクシーを呼んでもらい、

 タクシーが来るまで私は泣いてた。


 リルは他の犬が怖がるのに他の動物の叫び声が聞こえる所に

 リルを置いて行けない。


 そしてタクシーが来た。

 リルを持ってきていたリルが大好きな毛布に包み、

 犬用のバッグに入れた。


 私は号泣しながらタクシーに乗った。


 私の姿は、みっともなかったと思う。

 でも形振り構ってられなかった。

 リルを一人寂しく病院で孤独死させたかと思うと

 リルはどんなに怖く寂しく寒くて苦しかったかと思うと、、、

 途轍もなく悲しかった。


 タクシーの運転手はわざわざ後ろのドアを手で開けてくれて

 ドアを抑えてくれていた。


 動物病院の看護師から事情は聞いていたのかもしれない。

 でもどうでもよかった。

 亡くなってから何時間もたってから連絡してくるような病院は

 嫌いだ。

 何故早く連絡してこないのか、亡くなった時は、私はまだ起きて

 いたのに。


 タクシーの運転手が、

「凄いな病院の人、皆んな出てきてお辞儀してるよ。」

 とか言ってたが、それを見る気もしなかった。


 私は、ただリルを見て撫でながら泣いてた。

 運転手に行く先を告げてそしてまたタクシーで泣いた。

 運転手は何か話しかけてきたが、

 私は何も言うことは無く只々泣いていた。

 他の事はどうでもよかった。


 リルと一緒に家に着き、包んでいた毛布ごと

 リルが大好きだったクッションの上におろした。

 目が開いたままだった。

 点滴を沢山したので死後硬直がおきないのか、

身体は冷たいのに、

 グニャグニャだった。

 身体がこれ以上傷付かないように慎重に

 リルの身体をリルのお気に入りのクッションに下ろした

 そして私はリルに謝りながらずっと泣いてた。


 亡くなった時は、知ってる人間は誰もいなくて、

 怖くて痛い事をする人間しかいなくて、

 他の犬とか猫とかの叫び声が聞こえるようなところで、

 心細くて寒くて、苦しくてたった一人で死んだのだ。


 最後に私の事を呼んだかもしれない。

 でもその鳴き声は私に届かなかった。

 私は朝早く目が覚めたが、病院から連絡が来るまで呑気に、

 病院へ行く準備をしていたのだ。


 その後開いていたリルの目を撫でながら傷付けないように閉じた。


 今年初め頃に夢を見た。

 夢のお告げだ。

 リルは21で死ぬよ。とお告げがあった。


 夢のお告げは絶対だ。

 小学校の中学年くらいの時、叔父の葬式の夢を見た。

 夢を見た時は、叔父はとても元気そうだったのに。


 叔父は20代半ばで膵臓ガンで死んだ。

 結婚して子供も女の子2人いて成長を楽しみにしていた筈だ。


 17の時、毎日お墓の夢を見た。

 その夢ではお墓しか出て来ないのに、

凄く怖くて誰かが怒っているような感じがした。


 そしたら、父が誰かの連帯保証人になってて、

借りた人は逃げて父が1千万の借金を

 肩代わりしなくては、ならなくなった。


 先祖代々の家に住んでられなくなり、

父は叔母に家を1千万で売ってお金を作って

 私たちは、住んでいた家を叔母に明け渡した。


 その後一度もその夢は見たことが無い。


 母が言っていたが、大伯母が昔、

この家は叔母が継ぐと予言したそうだ。

 父がいるのに何を言っているんだろうと、

母は思っていたが、、、。

 大伯母の予言はあたった。叔母が家を継いだのだ。


 どうやら私の家系は預言するような人がでるらしい。

 父方の大お祖母様が村の巫女でいろんな力があったのだそうな。

 大お祖母様は村の人にとても尊敬されてて、

 木彫りの姿を象った版画の元のようなものが写真の代わりに

 仏壇に供えてあった。

 それは、巫女姿で数珠を手にして祈っている感じのものだった。

 大お祖母様はかなり巫女の力が強かったようだ。


 そんなわけで私にも何故か予知のようなものがあるっぽい。

 それは夢で告げられる。そしてそれは100%当たる。

 でも万能では無い、

ヒントのようなものでハッキリとしたものもあれば

 わかりにくいものもある。


 私は夢でのリルに関するお告げは21才で

亡くなるって事かなーとか呑気に考えた。

 実際は、12月21日に亡くなった。

 私は夢のお告げを読み違えた。


 お告げの力なんかあったって、私が使えなければ意味が無い。

 何の為の力か。


 私はリルが亡くなってからその小さな身体に縋り

 ずっとリルに謝りながら泣いていた。

 そして翌日12月22日のリルが火葬される2時間前に

膝にリルを抱いて、

「こんなに重かったんだね。

 2.6キロしかなかったのに点滴で体重が3キロに増えたけど、

 ほんとは昔はもっと重かったのにね。」と声をかけた。

 最初にリルを引き取った時は

 まだ体重は5キロくらいあったのだ。

 それから比べると軽すぎるくらいだ。

 それを思うとリルが目眩がして当然だろうと思った。

 痩せ過ぎだったのだ。


 目眩でご飯が食べられなくて

なんとか騙し騙して食べさせていたのだが、

 ついに最後は水も飲めなくなり、

立てなくなり最後は寝たきり。


 リルが大好きだったおやつも食べれなくて、

指につけてあげていたのだが、

 それも最後は食べなくなった。


 毛布で遊ぶのが大好きでいつも寝る前に毛布で遊んでいた。

 前足の肉球をいつも舐めるので

どうしたのかと思って触ってみたら、

 とても肉球が冷たくて足も冷たかったので

 毎日寝る前にリルの足のマッサージをしていた。

 それからは肉球を舐めたりしてるところは見ていない。


 私の手の方が暖かかったので、肉球をマッサージすると

 リルは気持ちよかったのか大人しくされるがままにしていた。


 そして朝に必ずリルの肉球チェックをしていたのだが、

 いつも朝はリルの肉球は暖かくなっていた。


 リルとはいつも一緒に寝ていた。

 リルは歯槽膿漏で口が臭かったが、

 それも気にならないぐらい可愛かった。

 汚れれば洗えばいいのだ。


 とてもお利口で優しくご飯をあまり食べられなかったのに

 最後まで美しい毛並みをしていて、

 17歳なのに目もとても澄んでいて

 白内障にもなっていなかった。

 人が大好きで、誰にでも懐いたが、

 人を見ているのか近寄らないようにする時もあった。


 他の犬が怖くて犬が来たらいつも私の後ろに隠れたリル。

 私が他の犬を撫でていると、ヤキモチを焼き

 それが自分よりも何倍も大きい犬でも

 他の子を撫でるなとリルは低く吠えた。


 私に甘える時は高い声で鳴いた。

 私を呼ぶ時も高い声で鳴いた。

 他の人とは明らかに鳴く声の区別をしていた。


 リルを洗ってる時は本当は洗われるのが

大嫌いなんだろうなと思っていた。

 いつも硬直してたし、嫌そうな顔をしていて、

 そして隙があると逃げた。

 リルは、洗い終わりにブルブルと身体を震わせて

 体についた水気を周囲に撒き散らす。

 抱き上げてタオルで体を包むと自分で動いて身体を拭こうとする。

 動いたら危ないって言ってるのに全く気にしない。


 ドライヤーで身体を乾かしている時は、

 じっとして気持ちよさそうにしていた。

 撫でながら乾かしていたので、それが気に入ってたみたい。


 12月22日20時火葬業者さんが自宅にきた。

 リルが傷付かないように、

 寒くないようにミニ毛布を3つ巻いた。

 毛布は焼く時に取り除かれ返された。


 そして火葬にはリルが大好きだったオヤツを一つあげた。

 1時間半かけてリルは火葬された。

 小さくなった骨を拾い骨壷に入れる。

 尻尾の骨はキーホルダーに入れて貰った。


 翌朝5時にいつものリルの高い鳴き声が聞こえた。

 寒いようと言ってるようだった。

 私は泣きながら起きだして布団をめくり、

 寒いならここにおいでと言った。

 いつも寒い時は私にくっついていたリル。

 私が炬燵に入っていても私にくっついていた。

 時には私は炬燵に入りながらリルを抱っこしていた。

 寒くなくても、私にいつもくっついていたリル。

 寂しがりやで、お利口で、優しくて、オヤツを指につけて上げたら

 アマガミをしてきたリル。

 時には痛い時もあったけど、優しく噛んでたなあ。

 跡になったり、怪我をしたことは一度もない。


 構ってあげないと拗ねて、

 ミニチュアダックスフンド用の潜れるおざぶに潜り込んでたり

 ザリザリと分かりやすく前足で音をたてて掘り掘りをして

 構ってくれと抗議をしていた。

 それでも構ってあげないと、高く吠えて怒っていた。

 拗ねすぎるとお座部に潜り込んで出てきてくれない。

 その後は機嫌を取るのが大変だった。

 可愛かったなあ。


 リルはもう居ない。

 焼かれて小さな骨壷に入ってしまった。

 寒かったようなので100円ショップに行って、

 ハギレの暖かそうなフリースを買い

 骨壷の下にフリースを敷いた。

 そして骨が入ったキーホルダーをフリースで包んで、

 火葬の前にリルの毛を少し切り取って

 ハンカチに包んでいたのでそれもフリースに包んでいれた。

 そしてリルにメッセージカードを書いた。

 メッセージカードには亡くなった日と時刻と

 リルへのメッセージを書いた。

 いつでも持ち歩けるように小さなポーチに入れている。

 そして炬燵に入ってポーチを膝に載せたりしている。


 首輪が大嫌いだったのでポーチには首輪を入れてない

 別のに首輪はフリースに包んで

 入れている。

 散歩が大嫌いだったけど、外に行くのは大好きだったリル。

 雪が降ると犬は喜び庭駆け回りをリルは実行してた。

 雪に埋まりながら雪まみれになっても楽しそうに遊んでいたリル。

 雪を身体につけまくっていても楽しそうだった。

 たまに何を思ったのか、雪を食べてた。

 雪は美味しいのかそれとも喉が渇いていたのか謎である。


 そして南紀白浜に旅行に行った時にリルが何を思ったのか、

 砂をいきなり食べた時は焦った。

 不味かったのか自分ですぐに砂は出したけど、

 本当に賢かったなあリルは。

 白い砂を雪と勘違いしていたのかもしれない。

 夏に行ったのに冷たくない解けない雪のような砂(白い砂)

 が不思議だったのかもしれない。


 リルは不味かったり、

 食べられないものは口に含んでもすぐ吐き出すのだ。


 最後の方は外に出るのは大好きなのに、全く歩けないので、

 常に抱っこして散歩をしていた。


 寒い時はリルを抱きしめてあったまった。

 暑い時は逆にリルの方がくっつきたがった。

 私の方が体温が低いから涼しかったのかもしれない。

 毛布が大好きでいつも毛布を噛み噛みしていた。

 お気に入りの毛布が3枚お気に入りの座布団が3個。

 寝る時は私の腕枕で寝ていた。

 翌朝、起きた時も腕枕はそのままだったけど、

 何故か腕は痺れていなかった。リルの頭が軽かったからかしら?

 それともリルが気を使っていたのかしら?

 真相はわからない。

 でも腕はリルのよだれまみれだったけどね!

 小さなリルの丸い頭を思い出す、澄んだ瞳、垂れ垂れのお耳、フカフカの毛

 長いお鼻、長い胴、フサフサの尻尾、

 ある日私が寝てる時に急に「重」って字が浮かんできて目が覚めたら

 リルが私の下で私を重そうにしていた。

 私がすぐに退くと、リルは安堵したような顔をしていた。

 親バカの私は、「凄い、超能力犬だ!」

 と言って喜んだ。


 後は、、、、色々思い出を思い出してきたけど、

 こんなところかな。

 また思い出したらリルの事を書くかもしれない。


 最後に

 リルいつも一緒に居てくれてありがとう。

 リルのお陰で寝る時は寂しくなかった。

 とても心が暖かかったよ。

 リル、大好きだよ。


読んで頂きありがとうございます。

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