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ついにこの日が来ました

新連載始めました。

よろしくお願いしますm(__)m

「アリシア、16歳の誕生日、おめでとう。これは私たちからのプレゼントだ」


「ありがとうございます、お父様、お母様」


私、アリシア・カーラル。今日16歳の誕生日を迎えた公爵令嬢だ。今日は私の為に、両親がささやかながらパーティーを開いてくれた。本来なら他の貴族も呼んで、盛大にパーティーを行うところなのだが、今はそれどころではない。


なぜなら10年前から魔物が活発に動き出し、各村々を襲いだしたのだ。そのせいでこの10年、魔物との闘いの日々。お兄様たちはもちろん、私の婚約者も魔物討伐部隊の隊長として参加している。今は随分魔物を抑え込み、森まで追いやったと聞いた。


「アリシア、今年もルーカス殿下からプレゼントが届いているぞ」


「まあ、ルーカス様からですか?」


ルーカス様は、この国の第一王子で私の婚約者。本来なら第一王子でもあるルーカス様が魔物討伐部隊に参加するなんて、考えられない。なぜなら彼は、普通に行けば次の国王になる人物だからだ。でも…


15年前、前王妃でもあるルーカス様のお母様が、メイドよって暗殺されたのだ。すぐにメイドは捕まり、処刑されたが、結局裏で操っていた人物は分からずじまい。そして、前王妃様亡き後、今の王妃様が妃になったのだ。


王妃になってすぐに生んだ自分の息子を国王にしたい現王妃様は、この国で一番力を持った貴族でもある、我がカーラル公爵家の娘の私と、自分の息子の第二王子を婚約させようとしたらしい。でも、前王妃様と親友だったお母様が、慌てて私とルーカス様を婚約させたのだ。


私と婚約する事で、親友の忘れ形見を守れると考えたのだろう。ただ、それでもルーカス様は何度も暗殺されかけたのだとか。そして16歳の時、現王妃の強い勧めを受け、魔物討伐部隊の隊長として、討伐に参加する事になったのだ。


ちなみに私は、子供の頃体が弱かったこともあり、ずっと領地で暮らしていた。その為、ルーカス様と直接お会いしたことはない。ただ…どうしてもルーカス様を一目見たくて、5年前討伐に向かうルーカス様をこっそりと見送った。


美しい水色の髪に青色の瞳をしたルーカス様。でもその瞳は、酷く寂しそうだった。その瞳を見た瞬間、私は心に決めた。何が何でも彼を助けると…


それから5年間、魔力を磨き上げてきた。私はどうやら癒し魔法が得意の様で、特に治癒に関する魔法を徹底的に学んだ。さらに過酷な環境にも耐えられる様、野宿も経験した。


それもこれも、全てルーカス様の役に立ちたい一心でだ。そしてやっと、魔物討伐部隊に参加できる、16歳を迎えたのだ。


「お父様、お母様、私もついに16歳になりました。早速ルーカス様のいる、魔物討伐部隊に参加したいと思っています」


「ああ、分かっている。その為にこの5年、血の滲むような努力を重ねて来たのだからな。お前の事は、身分を隠して参加できるように手配をしてある。名前は、アリーだ」


「ありがとうございます、お父様」


今回私は、身分を隠して参加する様両親に言われている。まず女性が魔物討伐部隊に参加するという事自体珍しいうえ、ルーカス様の婚約者で公爵令嬢の私が参加すると知ったら、皆に気を使わせてしまうからだ。


幸い私は、ずっと領地で過ごしていた。その為、私の顔を知っている人はほとんどいないのだ。婚約者のルーカス様ですら、私の顔を知らない。


「それじゃあ、明日早速討伐部隊に向け、出発しなさい。ヴィーノと、バランとは別の部隊になるが、たまに会う事もあるだろう。2人にも、お前の事は話してあるが、くれぐれも正体がバレない様に気を付けろよ」


「もちろんですわ、お兄様たちを見かけても、無視いたします」


「別に、無視までしなくても…」


「それでは明日に備えて、私は早く寝ますわ。おやすみなさい」


食事を済ますと、自室へと戻ってきて、湯あみを済ます。そして、ルーカス様から貰ったプレゼントを開けた。するとそこには、バラの形に加工されたサファイアのネックレスが。なんて素敵なのかしら…


ネックレスを早速付けてみる。そうだわ、このネックレス、明日の討伐に持って行こう。服の中に入れておけば、きっと気付かれないだろう。


明日はいよいよ討伐部隊に参加できる。


ルーカス様の事を思いながら、眠りについたのであった。

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