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プロローグ

 あれは確かに一目惚れだったのだと、今頃になって思っている。


 気になった。最初はそれだけだった。

 知りたいと思った。その瞳の奥に何を思っているのか。

 名前に同じ言葉があり、女の子で、公爵家の娘で、婚約所候補としてお茶会に参加していたから。

 運命だと、そう歓喜したことは忘れない。


 顔見知りになっていたら、今とは何か変わっていたのだろうか?

 友達になっていたら、何かを変えることができたのだろうか?

 唯一無二の親友になっていたら、少しは話してくれたのだろうか?

 もし、恋人になっていたら、想いを通わせることができていたら、彼女は俺を頼ってくれたのだろうか?


 もし、あの時、を今考えたところで変えることはできない。

 確かに言えることは、あの日、一目惚れをした彼女をそれからも今もずっと覚えていてその想いがあるからこそ、今の決断をしているということだ。




 間違いは正すべきだ。

 王家に連なる者として、次期国王として、国を正しい道に導く者として。


 それに伴う重責は17歳になって今でさえもとても一人では抱えきれない。

 理解してくれる弟、家族、友、家臣がいても時折逃げたくなる時がある。

 どうして王族に生まれてきたのか。

 それが運命だったのだと言われても、素直に受け入れることなどできなかった。


 それでも自分はこの国の第一王子であり、いずれは王太子になって国王になってこの国を一身に背負わなければいけない。感情のままに逃げることなど許されない責務だ。


 だから、これで終わりにする。

 淡くてほのかな、決して揺るがない初恋を。





「ヴィオレット」



 エルヴィス・ヴィオレット・ルチダリア。

 ソルレイリア国を建てた初代国王の双子の弟を祖先とする、ルチダリア公爵家の一人娘。

 欲にまみれ、権力を振りかざし、領民を蔑ろにし、不正にまみれた家の嫡子に成り代わっていたどこの馬の骨かわからない娘は、罪人として縄を巻かれてエルマーたち4人の前に膝づき、睨みつけている。


 エルマーではない、弟でもなく、もう一人の男を。




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