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第三話 旅の始まり

 まだ、最初なので出来るだけ早く書きたいと考えています。

  心一side


「う~ん?」


日が差して来た眩しさで、目が覚めるが不思議と安心感がある。

そばに居てくれたリーナが居ないが、二枚のコートが掛けられ、

うち一枚は彼女の使っていた物だ。

 

 ・・・微かに彼女の残り香がする。


(これが、安心感の正体か。確かに落ち着・・・て、駄目だろ!!こんなの、恥ずかし過ぎるだろ!!)


 顔が、熱くなる。


(きっと、精神が肉体に引っ張られて子供っぽくなったからだ。・・・うん!!そうに、違いない。そう決めた。そうに決まってる・・・・・・はず。)


「お? 起きたね。丁度、起こそうと思っていたとこ。 さぁ、食べよう。

 食べたら、移動するから。」


 そう、言いながらスープを渡された。温かく、いい匂いのスープとパンだ。とても美味しいから、多分料理上手だ。


(美人で料理上手、なんて凄いな。

こんな人を、か・・・母さんて呼ぶなんていくら子供っぽくなっても、恥ずかし過ぎだろ!!)

「はい、リーナさん。」


 と、答える。

 微笑ましそうに、こちを見ていた彼女が、少し悪戯な表情をし、


「お母さんと、呼んでもいいよ。」


「ブッ!!ケホケホ」


 盛大に、咽せた。

(思った傍からこれだ。エスパーか!)


 そんな、俺を見て少し笑っていた。


「呼ばない! 恥ずかしいし!」


「関係性が分かりやすくて良いし。 それに私は、そう呼んで欲しいかな。」


 そんな困った表情で、こちらを見ないでほしい。悪い気がして凄く困る。

(その表情は、卑怯だ。そんな顔をされると、胸が痛む。)

「お・・・・お母さん。」


 恥ずかしくって、俯きながら呼んだ。


「うん!ありがと。」


 恥ずかしくてそっぽを向くが、笑顔で、頭を撫でられた。


(ずるい。これじゃあ、一生勝てる気がしない。)


「その内、シンのことを家族に知らせないとね。」


「家族て、リー・・・お母さんの、親に?」

 もしそうなら、どう思われるか?『その年で子供は、認めん!』とか、言われるかの。


「うん? あぁ、子供達にね。

 二人居るから、シンのお兄さんとお姉さんだよ。」


(えぇ!子供が居たんだ。全然、そうは見えないから考えてなかった。)

 少し、胸に痛みが走って気がついた。


(俺は彼女の優しさに触れて、少しずつ惹かれていたんだ。)


 この世界での初恋なのかも知れない、そう気づいた。

 心が痛いむ、前の世界でもこんな恋なんて、したことがなかった。どすれれば良いかが、分からず苦しい。


(これが、焦がれる想いか。確かに、言葉に出来ずモヤモヤして嫌なかんじだ。はっきり伝えられない自分も。)


 でも道理で、慣れた感じなんだ。子供が居るって事は、夫が居ると分かるそう考えると心を苛む黒い気持ち『嫉妬』に気づく。


(でもどうして、話に出てこない?何か、事情があるのか?)


 幾つか、新たに聞きたい事や、自分の気持ちに気づき嫌気が差してしまう。そんな事を考えている間、食事が終わてしまった。

 せっかくの、料理の味が判らなくって少し申し訳なくなた。

 

「はい、片付けるから手伝って。」


 リー・・・お母さん、川で食器を洗いなから、鍋を渡され、

  

「水を汲んで、たき火を消して。火事にならない様に、しっかり消してね。」


 言われた通りに、水を汲むと重たくなかなか大変だ。


(やっぱり、この体だと力が弱くて、大変だな。

どうにかならないかな。)


 すると、影が射し声を掛けられた。


「火は、ちゃんと消せた?よし、出来てるね。

 じゃあ、ちょっと待ってて。

そうだ、良いのを見せて上げるから来て。」


 と、手招きした。


 行くと、後ろから抱き締められる格好になた。

背中に2つの柔らかな膨らみが押し当てられる格好になった。


(うぁ~結構ある・・・じゃない!なに考えてんだ俺。それに母さんも母さんだ、幾ら子供だからって少し無防備だ。)


 気合で柔らかな誘惑を振り払い、指さす方を見る。

 そこには、さっき洗った食器があった。


「見ててね。」

   

 手をかざし


「『ドライ』」


 すると、そよ風が吹き瞬時に乾いた。

それを、見て少し驚いている俺に教えてくれた。


「これは、生活魔法の『ドライ』見ての通り、物を乾かす魔法。

魔法は、初めて見たでしょう。」


 そう聞かれ、頷く。

(凄い!この世界には、魔法があるんだ。)


「そして、次はこれ!『アイテムボックス』」


 すると、食器の上の空間が歪み黒い穴があった。すると、穴が下に降りて食器を飲み込んだ。


(定番のあると便利な魔法だ。やっぱり穴より大きくても入るんだな。不思議だ。)


「ね、不思議でしょ。ほら、アイテムボックスに手を入れてみたいでしょ。入れてもいいよ。」


 と、言われ好奇心からアイテムボックスに手を入れてみた。何と言うか、不思議な感じた少し抵抗感じ何処までも沈み込みそうだが、肘まで入れると急に抵抗が強くなり、入らなくなった。


 不思議そうに、手を出し入れしていると、


「フフフッ。 気になるの? 実は触らせた事には、意味があるんだけど、何故か分かる?」


 そう聞きながら、アイテムボックスを閉じた。

 その答えを考えるが分からず、振り返りると、すぐ前に彼女の顔をあり、美しく澄んだ湖の様な瞳に魅入られ、考えるが飛んで無意識に、その瞳を見つめ返す。


「??? 答えは分かった? やっぱり、難しかったか?」


 と、聞かれて思い出して頷く。

(それより、貴方の目が魅了の魔眼だ。)


「アイテムボックスの魔法を習得には、さっき見たいに触ると、得られる確率が上がるて、言う噂があるの。証明出来ないけどね。 だから、取り合えずやってみた。」


(まぁ、やるだけはタダだし、手に入れば儲け物か。)

「じゃあ、魔法は教えて使える様になる?」


「うん? あぁ、今は無理だね。 この世界は、7歳になってから祖神の加護を貰うために、『開花の儀』を祖神の神殿で行われているの。 そこで初めて『ステータス』が使える様になるの。

 その後から、他の神の加護を得られる様になるの。」

 

「見た感じ7歳くらい?まずは、街の神殿に行こうね。」


 と、言いながら頬を撫でてくれた。

(うぅ。 くすぐったい。)

 そして、立ち上がり近くに置いてある、装備を身に纏い固定具合いを確かめたり、剣を抜き刀身を確認して鞘に戻し最後に兜を被り、振り返りる。


「それじゃあ。行こっか。」


 と、手を差し出された。俺は、温かなその手を取った。

 この世界の最初の一歩を、祝福するように涼やかな風が吹き抜けた。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~


 そして、歩きながら話した。色々話した元の世界の事、いや今の俺には、『あの世界』と言うのが正しい気がする、俺には今が全てだからだ。

 

「これが、ポーションに使う初歩的な薬草だし、少し採って行こう。」


 立ち止まり採り方の指導を受ける。

「他の薬草にも言えるけど、同じような所から採り過ぎ無いこと、少し残ってなさ置かないと生えてこない事があるから。

それと、常に警戒は怠らない。 分かった?」


「うん。」


「じゃあ、このリュックに入れ持って。道の途中にも生えているから採りながらいこ。いい練習になる。」


 彼女の横で、薬草を探しながら歩き続け森を抜けた。 そこは、草原で、遠くの街まで1本の道が延びているのが見えた。

 そんな、風景を眺めつつ歩いてると。


「止まって。」


 急に手を掴まれ姿勢を低くした。それに、戸惑って振り返ると。

『シー』と、ジェスチャーで静かする様に伝えられ、ある場所を指差した。

 しばらくすると、角の生えたのぬいぐるみの様なウサギが現れ草を食べ始めた。それを、観察しながら声を潜めながら話した。


 「あれは、『ホーンラビット』大抵どこにでもいる。大体は、近くと逃げるけど、たまに突進してきて対処出来ずに怪我する新人が居る。しかも、ポーションをケチって大怪我になって、そのまま引退なんて事もある。」


(ウサギ、怖! 世界は、甘くなかった!)


「教訓は、『油断大敵準備を怠るな!』って、所かな?

まぁ、しっかり防具装備していれば、怪我をする様な相手じゃない。 戦わないなら、近づかない。」


「うん。気をつける。」


「初心者で手こずるのが、『スライム』雑食で、草が動物の死体で何もしなければ脅威にならない。 たまに、ジャンプしてくっつかれると、酸性の液体だから大変な事になる。魔法があれは楽に倒せる。」


(確かに大変だ。)


「後は、『ウルフ』と、『ゴブリン』どちららも、群れで行動して厄介。 だけど、ゴブリンの方が知恵が回るから大変だ、巣を潰すのが結構大変で、『ルーキーキラー』と言われている。絶対に油断するな!」


「分かった。」

(母さんが、こんなに注意するなんて、俺にはかなり危険って事か。 気を付けよ。)


「チッ! 言ったそばから、来たか。」


 突然周りの空気が変わり、肌を刺す様な感じになった。

 リーナが、その理由を教えてくれた。

「私の少し後ろにいろ。敵はウルフが、6だ気を付けろ!」


「・・・分かった。」


 そう言い、彼女が少し固まっていた俺を、守る様に前に出た。俺は周りに警戒しながら、その背中を見ていた。


「そうだ! そこで見ていて。 そして、戦いに慣れろ。」

 そして、前に向き直る。



 敵まで約40メートル


 弓を手に取り姿勢を正した瞬間、周り空気が変わり、風が凪いだ様な静寂に包まれた気がした。

構え引き絞り、一瞬で矢を2本放ち頭を射貫いた。


 後、25メートル


そしてすく、弓を背負い直しながら、魔法の詠唱をしていた。


 後、10メートル


「『ウィンドカッター』」


 魔法が放たれ、2匹の首筋に致命傷を与え、残りはそれに驚き足が止まる。


 後、7メートル


 彼女は、その隙を逃す事無く、剣を抜き放ち、


「シィッ!」


 一瞬で間合い詰め、流れる様な剣技ですれ違いざま、爪と牙の攻撃を紙一重で回わして首筋を切った。 圧倒的に、強かった。


 戦いが終わった。 風に乗って、血の臭いが漂ってきた。

(早過ぎる! あっという間に、倒してしまった。かなり強いと思う。 だけど、本気では無いだろう。 ・・・たが俺は、凄いと思っても罪悪感や嫌悪感が無い。 よかった思うべきかな。 大切な者を守る為にも。)


「私は、ウルフの回収をするから、少し待っててくれ。」


 そう言いと、倒し狼に近付きアイテムボックスに、放り込んでいき、周りを警戒しながら戻ってきた。


「血の臭いに誘われて、他の奴らも寄って来るから場所を移そう。」


 そして、彼女が前を歩きなら振り返り、


「ここを離れたら、休憩にしよう。そろそろ、歩き疲れたでしょ。」


 俺に、気を遣ってくそれに、頷いた。

 しばらく歩いた。


 ~~~~~~~~~~~~~


「そろそろいいかな? じゃあ、休憩しようか。」


 そう言って、道のみ脇にある石に座る。そして、自分の横を叩いて俺にここに座る様にうながす。


 アイテムボックスから、水筒とドライフルーツを取り出し。 

 ドライフルーツを、渡され少し食べた。

 彼女は、水を飲み始めた。


「これ、結構美味しい。」


「そう、よかった。 はい、水。 のどが渇いたでしょ。」


 水筒を受け取り固まり、


(渡されたって事は、飲んで良いんだよな?)


 水筒とリーナを交互に見た。

 彼女は、気にした様子もなくフルーツを食べている。


(意識した様子が無い。 俺だけか? そ・・・その、・・・間接キスを意識してるの。)


 恥ずかしいくなり、思い切って飲んだ。

 あまり気が休まらないまま出発した。


 薬草を、摘みながらのんびり歩く。

 しばらく歩いた事で、街の間近まできた。

(近くで見ると、結構大きくて迫力のある城壁だ。)


 そして、街に入る為検査の列に並び順番を待つ。結構待っている人が居るから、賑わっているのが分かる。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「次の者は来い!」


 ようやく、順番が回ってきた。

 頬に傷がある厳つい門番がきて、


「身分証をだせ。」


「これで良いか。」


「えぇ~と。カレン・ジーナス 職業 冒険者で間違いないな? 」

(・・・え?名前を変えた?)


 「あぁ、間違いない。」


「ホォ~。凄いもうすぐ上級か。 悪いが、その兜を取ってくれ。」


「分かった。 少し待て。」


 兜の固定を外し、目の前で取られ、光を反射しながら髪が流れ落ち、素顔がさらされる


 兜を脇に抱えながら髪を整え、兵士たち見る。


 ガシャン!

 リーナの声は、大きくは無いがよく通るためか視線を集め、彼女に見とれてた人が何処かに激突した様だ。


 仕方ない。 声に惹かれてそちらを見たら、見た事も無いぐらいの美人が居るのだから。


 直接会話をしていた兵士は、見とれて声も出ないといった具合だ。


「この後は、何をするんだ?」


 彼女に問いかけられ、正気を取り戻し。

「・・・え? あぁ~。 この街には、何をしにきた?」


「この街には、アイテムの売却に来た。」


「そうか。 じゃあ、この水晶に触ってくれ、犯罪を犯していないか調べる。 何もして無いな?」


「あぁ、当然だ。」


「・・・よし。 水晶にも表示されないな。

 ・・・うん? おい!!そこの馬鹿共、ここに集まって無いで、持ち場に戻れ!!」


 ここの隊長か、此方を見に集まって居た他の兵士たちに怒鳴って、追い散らす。


「すまないな、ウチの馬鹿共が揃いも揃って。 処で、その子供は?」


 俺を、見ながら問う。


「この子は、私の息子だ。」


「そうか、ならもう行って良いぞ。」

 そう言い、隊長が周り兵士に合図する。

 

「言い忘れていた。」

 振り返り、

 

「ようこそ。 トルムの街へ。」

感想とアドバイスを待ってます。


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