冒険者と「モンスター」
――冒険者が戦う「モンスター」って、どれくらい強いの?
ファンタジー世界には危険な「モンスター(魔物)」が多数、生息しています。
しばしば、モンスターは冒険者の前に立ち塞がり、襲ってきます。
またそれとは逆に、冒険者がモンスターを狩りに向かうシチュエーションも多く見られます。
モンスターは、冒険者として生きるからには、好むと好まざるとにかかわらず無関係ではいられない存在ですが、いったいどれくらい強いものなのでしょう?
さて、単にモンスター(魔物)とひとくちに言っても、作品によってその扱いに違いがあります。
たとえば、モンスターを(ライオンやクマのような)「猛獣の一種にすぎない」とし、危険ではあるが、そこまで恐れるものではないとする世界もあれば、
モンスターは人類と生息圏(ナワバリ)を争う「ライバル的な種族」と位置付ける世界もあり、
さらには、いつモンスターによって人類が滅ぼされてもおかしくないような「圧倒的な天敵」とする世界もあります。
たとえば国民的ゲーム『ファイナルファンタジー』は、どちらかというとモンスターを「猛獣の一種」と見なす傾向があるように感じます。(だから、主人公の敵はモンスターではなく、悪い「人間」たちになります)
同じく国民的ゲームとして知られる『ドラゴンクエスト』の場合、モンスターと人類は良くも悪くも対等であり「ライバル的な種族(あるいは、良き隣人のような種族)」として見なされる傾向を感じます。
モンスターを圧倒的な天敵としているのは、小説『吸血鬼ハンターD』などが該当するのではないでしょうか。
ここでは一般的なモンスター(魔物)の扱いとして、
・猛獣よりは強くて危険。ときどき知的。
・しかし天敵というほど強力ではない。
・人類と生息圏が違うものもいれば、生息圏が重なるものもいる。重なるものとは争いが絶えない。
といった風にイメージしておきます。
そういうわけで、モンスター(魔物)は、ライオンやクマよりも危険なのですから、一般人にとっては決して敵わない、恐るべき存在です。
しかし天敵というほど圧倒的ではないので、よく訓練された人間であれば、対処することが出来ます。
だからこそ、冒険者という「危険請負業」的な職業(ビジネス)が成立するわけです。
つまりモンスターの強さがどれくらいか、という疑問の答えは、「一般人の手には負えないが、冒険者の手には負える」くらいの強さ。これが正解でしょう。
別の言い方をするならば、「冒険者がモンスターを倒すと、(自分でモンスターを倒せない)一般人たちに感謝してもらえる」くらいの強さ、ということなのです。
……そもそもモンスターは「冒険者の引き立て役」として生まれたのですから、その役目を見事に全うしている、と言えるかもしれませんね。