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第3話 ステータスバーより大事なこと(後編)

ダンナ、ダンナ、ゲオルグのダンナ。目を開けてくんさい。


耳元で俺を起こす声がする。それと全身を揺すられている。

「ううん、あと3時間は寝かせてくれ」

鬱陶しいので寝返りを打つ。


夢の中で眠っちまいやすと、奈落〈アビス〉の底まで精神が落っこちますんで早く起きてください‼︎


「何か物騒な事が聞こえた気がするな」


気がするんじゃなくて、実際、そうなんです!


「仕方ない。今回、限りだぞ」


いや、毎回お願いしますよ。



仕方なしに目を開ける。

「あれ? 知らない天井だ。というか、青空? ミリアたんに野外に捨てられちゃった?愛くるしさ満載の俺が?」


ゲオルグのダンナが自意識過剰なのは置いといて、さっき言った様にここはダンナの夢の世界ですぜ。より正確に言えば、悪夢の迷宮〈ナイトメアダンジョン〉です。



声のする方を見るとちっこい黒猫がいた。尻尾は7本もあるか、猫は別に特段好きじゃないの種類は分からない。ペルシャ猫じゃないのは分かるけど。

というか猫が喋るのかと思いつつ、クレームをつける。

「お前が俺をこんなとこに連れて来やがったのか⁈ 早く元に戻せ、ふじこ、ふじこ⁉︎」


ゲオルグのダンナ、まず現状を説明する為にステータスバーを開いていただけますか?


「ステータスバー?ああ、あれか。そう言えば、異世界言語パックのインストールが完了してるかな。」


ステータスバーをクリックして開いた。

どれどれ〜


====ステータスバー====

○概要

名前:ゲオルグ・ルフェイン・ゾルゲン

年齢:1歳

レベル:1

職業(メイン):なし

職業(サブ):リトルエレメントマスター〈小精霊使役士〉Lv1

加護:聖人キサラギの加護(小)


○肉体パラメータ〈簡易表示〉

レベル:1

体調:空腹

残魔力:余力あり

状態異常:睡眠

→〈他の詳細パラメータはコチラから〉


○ユニークスキル

初級ダンジョンマスターLv1:オン

精神干渉Lv1:オン

小精霊使役Lv1:オン

異世界言語理解(現代語版1.32):オン

超時空要塞ΔF1(魔力不足):オフ(充填中)

解析Lv1:オフ


○汎用魔法スキル

初級火元素魔法Lv2

初級水元素魔法Lv2

初級風元素魔法Lv2

初級土元素魔法Lv2

初級光元素魔法Lv2

初級闇元素魔法Lv4

初級時空魔法Lv2

初級治療魔法Lv2

魔力操作Lv2

================


「なんか魔法スキルが充実してるぞ。あと変なユニークばっかりある。というか、いつの間にオンになってんの?」


さすが、ゲオルグのダンナ。もう気づきましたか。原因の1つはダンナのスキルの暴走でありんす。


「何で暴走したんだよ」


そりゃあ、ダンナが異世界言語パックをインストール開始時に”自動的に再起動をする”に『はい』を押したからじゃないですか。


「はっ 何言って…。まさか再起動後に寝ぼけてスキルを操作しちまったのか?」


ご明察☆にゃは。


「状況は分かった。で、お前がステータスバーで言うとこの”小精霊”って訳か」


またまたご明察☆冴えて来やしたね、ダンナ♪


あっしは超時空引きこもり要塞ΔF1(デルタフォースワン)の全権管理者のディーッ

「デルたんか、よろしくなデルたん。頼りにしてるぜ、デルたん」


たんって、あっしはオスですぜ。それに名前もディー

「リネーム、リセックスで良くなくない?

デルたん?キャラ付けって大事だよ?」


リセックスって初めて聞きましたよ。性別転換をリネームみたいに簡単に言わんでください。


「オーケーデルたん。デルたんは男の娘ってことで決まりだね。ところでさ、ステータスの体調が空腹なのは何でなのかな?あれから1回目覚めてミリアたんから手ずから離乳食を食べさせて貰ったのにね」


ダンナの中のキャラ付け設定でいいですよ、はぁ〜。ダンナを起こしたのは、そのミリアちゃんのピンチもあってのことですぜ。


「デルたんがミリアたんをちゃん付けするのは解せないが、ミリアたんのピンチとなれば棚上げしよう。それでよく分からんが、今すぐ目覚めれば、ミリアたんは助けられるんだな⁈」


ギリ間に合うかと思いますが。

その前にステータスバーの詳細は確認されないでありんすか?



「デ ル た ん。俺は優先度を間違えない男だ。ミリアたんのピンチに比べれば、ステータスバーの詳細確認など後回しだ。それと重要なことは先に報告しろ。で、どうすれば、ここから出られるんだ⁈」


初級ダンジョンマスターのスキルをオフにすれば、すぐにでも。


「オーケー デルたん。よし、ポチッとな。待ってろミリアたん、今行くぜ! 」


海の底から急速浮上するような気怠さを感じて、今度こそ目が覚めた。






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