姉と妹
突然の闇が訪れた。
すべてを包み込む漆黒の闇…。
一体何が…。
ドンドンドンドン!
扉を叩く音がする。
ドンドンドン!
「お兄ちゃん!いるんでしょ!」
「カイト!開けなさい!」
我に帰る。部屋は真っ暗なままだ…。どうやら停電の様だ。
クソッ!もう少しで倒せると思ったのに。
暗闇に目がなれてきた俺はノロノロと部屋の鍵を開けた。
「おにいちゃ〜ん!無事だったんだね!良かった〜!」
妹のヒナが抱きついてきた。
ウザい…。中学1年ではあるがまだまだ子供のようだ。その割に俺の事をいつも心配し、自分がいないと俺は何も出来ないと思い込んでいる。
俺は軽くヒナを押しのけると、ヒナは不満そうに口を鳥の様に尖らせた。
「凄いカミナリだったから心配だったんだよぉ〜。お兄ちゃんゲームばっかりしてるから感電してないかなって。」
ヒナを軽く睨むと、パシッ!頭に軽く衝撃が走った。
「ゔっ、姉ちゃん何すんだよ〜。」
そこには今年大学1年になる姉のマドカが煙草の煙をくゆらせながら立っていた。キャミソールにホットパンツ。いくら家とはいえラフ過ぎんだろ、ソレ。
「カイト!あんたどれだけヒナが心配してたのか分からないの?」
凄い威圧感だ…。身長は170センチ以上はあるだろうか?奨学金で大学へ通いながらお嬢系雑誌のモデルもこなし、両親のいない俺たちの生活を支えてくれる姉貴には頭が上がらない。
「ゴメン…。」
「まぁ、無事で良かったよ。ヒナが怖いって言ってるから今日は3人で一緒に寝るよ!」
ヒナの方を見ると、まだ泣いていた。小さい妹の頭をクシャっとする。
「ヒナ、ゴメンな……あ…り……とう。」
「え〜なになに〜?きこえないよ〜?もう一度大きな声で…。」
俺はヒナの頭をコツンと小突く。やっぱり嘘泣きか。
………ちゃん。
…にいちゃん。
もぉっ!お兄ちゃん!
目を開けるとヒナの顔のアップがそこにあった。
「うわっ!なんだよ!」
慌てて起き上がると俺の頭とヒナの頭がぶつかった。
ゴツン!!
「イテテテ…。ひっど〜い!遅刻しそうだから起こしてあげたのに〜」
時刻を確認すると朝8時だった。
ヤバイ!遅刻だ!
俺はヒナが作ってくれた朝飯をかき込むと、自転車に乗って家を飛び出した。
「いってらっしゃ〜い」
後ろからヒナの声が聞こえる。
全く、中学は10分で行けるから羨ましいよ。
カイト…カイト!
起きなさい!




