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プロローグ

「お坊ちゃま、お嬢様、お待ちください」

「ごめんゾルガス、もう我慢できないよ。オヤジとオフクロによろしく言っといて」

「わらわも行く。こやつに負けるわけにはいかぬ」

 年老いた紳士に、小さな少年と少女。

 そこはこの世界のどこでもない奇妙な大自然の中の大きなお屋敷。

 幾重にも装飾された荘厳な門の外へ二つの小さい影が駆けてゆく。

 老紳士はそれに追いつくことができず、諦めて二人を見送ることにしたようだ。

「お体にはお気をつけてくださいね」

「ああ、わかってる」


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