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第8話 伝説の白猫

「エリルおばあ様!!」


私は家に着くなりエリルおばあ様の部屋へ駆け込んだ。


「どうしたんだい、そんなに慌てて。落ち着いて話そう」

「はい、じつはルルリ様のクリスタルの色が……」


私はルルリ様のクリスタルの色が水属性っぽかったこと、けれど水属性にしては色がこく、透明度も高かったこと、検査を一旦やめて、慌てて来たことなどを順番に伝えて言った。最初は息が上がっていたが、話していると、だんだん落ち着いてきていた。


「なるほど、まさか、と思うところはあるが心当たりがある。一応私も見に行こうじゃないか。」


そう言って私達はセレスティア家に向かった。


⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·


「ラディウス様、エリルおばあ様を連れてまいりました。」

「ありがとう、ところでエリル殿、心当たりはあるのだな?」

「あぁ、心当たりがある、」

「では、エリル殿着いてきてくれ、これから図書館に行く。ラミア殿、先にルルリの魔力検査の続きをしていてくれ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


図書館には、呼んでおいたフィオナ、私ーーラディウス、エリルの3人が集まった。

もちろん、これからルルリの水属性の謎について調べるのだ。


「まずエリル殿、心当たりについて聞かせて欲しい。」

「わしの心当たりは……伝説の白猫のことじゃ」

「やはりか…」

「伝説の白猫?話は知っています。大戦のあとで苦しんでいた人々を救ったというおとぎ話でしょう?」

「それが…実はおとぎ話ではないと王家と、一部の公爵家では言われているんだ。セレスティア家にも禁書扱いになっているが本がいくつかある。それを見てみるか。」

その言葉に2人は頷き、静かにあとをついて行った。


カチャリ


と音をたてて禁書室の扉が空く。

セレスティア家の禁書室には私もほとんど入ったことがない。セレスティア家の治める、ルミナリア領の領主としての教育を受けた時に教えられて以来だ。


「3人で手分けしてまずは白猫に関する本を集めよう。」


その言葉を合図に3人は本を探し始めた。ほとんど人の出入りがなかったせいか、少しほこりっぽいが、そこを気にすることなく作業を進めていく。


「これで全てかしら」

「そうだな」

「そうじゃな」


3人が禁書室の白猫に関する本を全て部屋の真ん中にある机に置き終わったのは、昼前には始めたのにルルリとヒマリのおやつの時間くらいだった。内容を確認するためにざっと目を通しているから自分の出した本の内容はそれぞれ分かっている。これからはその中でも怪しいものを3人で共有していくのだ。


「あやしい本は、あったか?先に言っておくと、私はあった。」

「私はなかったわ」

「私はあったぞい」

「じゃああやしい本から順に読んでいこう。」


そうして3人はあやしいと思った本から読んでいくことにした。


しばらくして、3人が本を読み終えた。


「私の読んだ本では、白猫に関する記述の中でルルリのクリスタルのことに関するようなことは書いていなかった。」

「私もよ」

「私もじゃ」


禁書室から出た頃には日はすっかりくれていたため、センテレス家の2人には今日は泊まっていって貰うことになった。


その晩、私はフィオナと話していた。


「ルルリとヒマリの魔力検査の結果は聞いたか?」

「えぇ、ヒマリはとっても健康だったらしいわね

良かったわ…」

「あぁ、そうだな……」

「「………」」


沈黙をやぶったのはフィオナの方だった。


「ほんとに…ルルリは大丈夫なの……?」


いつもの明るいフィオナではなかった。今にも泣きそうな声だった。


「大丈夫だ。ルルリを信じよう」



⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·


ルルリがヒマリと別れ、部屋で眠りにつこうとしていた時だった。

ルルリの部屋の窓がコンコンと叩かれたのだ。


コンコン、コンコン

窓が叩かられる音でつむっていた目を開けたルルリは窓の外に猫がいるのを見つけ、窓を開けてあげた。その猫はまっしろのさらさらの毛に、ルルリのクリスタルと同じ、透き通った青い瞳をしていた。


猫はルルリのベッドに飛ぶと言った。


「ルールリ!」

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