似た者同士?
「ミロのおかげで久々に胸がスカッとしたぞ。有難うな」
「ふふふ。三田さん生き生きしてるね。良かった」
「吸血鬼って皆そんなお節介なんか?」
「どうだろうね。僕はただ三田さんの血が美味しそうって思っただけだよ。」
「美味しそう?こんなオッサンのか?なんかイメージだと美少女とか好みそうだけどな。」
「美少女はこんな時間にうろつかないね。」
「確かになあ。」
真っ当な事を言っている。
流石伊達に年食ってないな。
ギャルとかは好みじゃ無いんだろう。
「あとね、三田さんに最初に会った時に、僕と同じだなあって思ったよ?」
「同じ?俺は200歳超えはしてないぞ?血も飲みたいとか思わないし」
「ふふふ、なんかね、生きることを諦めてる感じ。」
ちょっとだけギクっとした。
「…俺は死にたくはないぞ。娘の学費もまだいるし…現に、最初にミロに血を舐められた時は全部吸わないでくれって思ったぞ。」
「僕は死ねないからね。死にたいじゃ無くてね、諦めてるの。生きていく事に。」
「…」
「だからね、生きたいって思える所が見たくなったのかな。その方が血も美味しくなるし。」
伊達に年を食ってないな…
何か坊さんとかに説教されてる気持ちになった。
「所で、あの画像…特に動画、どうやって手に入れたんだ?透明人間にもなれるのか?」
「ふふふ、僕は無駄に長生きしてるからね。ちょっと人の弱みを握ってそいつを使って手に入れたんだよ。」
こわっ
俺は極力弱みを握られない様にしよう…
でもこれってもう握られてる!?
血をあげてるからこれで勘弁してもらえないかな…
「成る程な…まあミロが指摘した事は…多分当たってるな。俺は諦めている…」
「そうなんだ。」
○○○○○○○○○○
「博さん、別れて下さい…」
「そうか…やっぱり今のこんな俺じゃあダメだよな。ゴメンな迷惑かけて…」
「離婚届、後は博さんの名前と判押して提出お願いします。」
「分かった…元気でな…」
俺が移動になってその後暫くして妻の聡美は出て行った。
「父上…元気出して下さい…私がついています。」
娘の佳江は俺の元に残ってくれた。
俺は移動になってからも諦められず、寺元の身辺をこっそり探っていた。
娘の佳江は聡美と交流があったようだ。
佳江が18の時に言った。
「私は○○大学の薬学部を受験します。」
驚いた。まさかそんな進路を考えていたなんて…
「父上には話さないとならない事があります。」
「なんだ?」
「母上は…父上が嫌いになったから離れたのでは有りません。」
「?」
「詳しくは申せませんが…薬物を使う様になってしまっていました。」
「薬物!?」
「父上に迷惑がかかると自ら離れる事を決意いたしました。」
「そんな!!」
「私は薬学部で薬の勉強をしたいと思います。」
「今!聡美は!?大丈夫なのか!?」
「はい。安心して下さい。ただ…」
「?」
「父上が母上に近づくと危険かも知れません…」
「…」
大体の事を察した。
恐らくあの件を追う限り俺の家族は危険だ。
そうしてこの件から俺は身を引いた。
○○○○○○○○○○
「そっか…」
「まあ大体そんな感じだ。俺が頑張った所で相手が巨大過ぎる。諦めが肝心って勉強にはなったかな。」
「でも…このまま泣き寝入りって言うのも何だか悔しいね。」
「そりゃあ…そうだけどな。」
「ならさ、ちょっとだけ報復してやろうよ。」
「どうやって?」
「うーん…僕は昼間は動けないからね。所詮血を吸う位しか出来ないしね。今回手伝ってくれた人を紹介するよ。」
「本当か!?かなり優秀そうだぞその人!有難い」
「ふふふ。多分優秀…かな?なら連絡先教えて?」
「分かった!」
そう言って名刺を渡した。




