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吸血鬼と取材  作者: 水嶋


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11/15

お別れ

暫く藤間さんの受け持っていた仕事を引き継いでいた。


藤間さんが俺に他所で記者の仕事を経験させてくれていたおかげで、スムーズにこなせていた。


ある時、編集長の中野さんに呼び出された。


「お前は藤間からの紹介だったな?今ネット記事の部署に居る三田って奴知ってるか?」


「多分、俺と入れ違いだったんで…名前しか分からないですが…」


「藤間から三田の事は聞いてないか?」


聞いていた。しかし、あのスクープは上に潰された事も知っていた。

ここは下手な事は言わない方が良いだろう。



「いいえ。何か有ったんですか?」


「前にな、藤間と三田で寺元議員のスキャンダルを追っていた。世間が驚くような大スクープを手に入れたが上に潰された。」


「そうですか…」


「相手が悪かった。下手したら三田は危ない。今も隠れて寺元を追っている。」


「…」


「お前は三田を監視してくれないか?あいつが暴走しそうになったら止めて欲しい。」


「はい…」


「俺はあいつが可愛い。危険な目には合わせたくない。」


「はい」


「何かあいつが危ない情報掴んだりしたら俺に知らせて欲しい。」


「分かりました…」


「なら、来月からお前をネット記事の部署に移動させる。三田の下につけ。」


「はい…」




俺はスパイみたいな事を指示された。






「成る程な。俺はお前に監視されてたのかあ。」


「…すみません。」


「すっかり騙されてたなあ。可愛い後輩とばかり思ってたが。」


「でも、俺が三田さんの記事を消したのどうして分かりました?」


「あの記事を会社で書いてるのお前しか見てなかったからなあ。ははは」



藤間から連絡が有った後、俺が荒木さんに状況説明を電話しに席を外し、こうなったら強行突破で用意していた記事をアップしようとした。


いざアップしようとしたら俺のパソコンから記事や映像は消えていた。


その後、警察から違法な裏カジノを摘発したと発表が有った。

首謀者や客などは大体逮捕された。

その関係者の中には寺元拓人の名前は勿論無かった。


素早い発表だった。

カジノの内容も一般的なゲームの物だけで、あの異常な物は隠蔽されていた。

恐らくもう手を尽くされて記事を上げる事も証拠を集める事も難しいだろう。


現に藤間のYouTubeアカウントは凍結された。

今から無名のアカウントで発表した所でただ目立ちたいだけのアクセス稼ぎの子供の虚言扱いされて誰も見向きもしないだろう。









「やっぱり俺はスパイには向いてませんね。」


「何でそんな事を俺に教える?黙ってれば良かっただろう?」


「俺は、三田さんの邪魔をしたい訳じゃなかった。尊敬していました。俺はバックの恐ろしさを身を持って知っているから、三田さんには俺の家族みたいにはならないで欲しかった。」


「…」


「俺はここを辞めて藤間さんとやっていきます。三田さんは無茶しないで下さいね。」


「分かった。有難うな。藤間にも宜しくな。」


「はい。三田さんの下で働けて本当に良かったです。」






○○○○○○○○○○





「三田さん、元気ないね?」


「まあなあ。自分の無力さを見せつけられて落ち込んでる。」


「ふうん。また邪魔されたんだ」


「そうだなあ。結局俺は誰も救えないし、俺の記事は必要とされないんだなあ。」


「それはどうだろうね?」


「?」


「死んだ後なら邪魔されないんじゃない?」


「何かこえー事言ってんな…死ぬしか無いのか?俺は…」


「ふふふ、三田さんには死んで貰うと僕が困るからね」


「あー、ハイハイ、ミロにはちゃんと献血致しますよ。誰かと話してないと今の俺、泣いちゃうかも…」


「それは大変だね。でもね、三田さんとは今日でお別れになるかな。」


「えっ!?」


「僕、遠くに行く事になったから。」


「どういう事!?」


「三田さんは健康に気をつけて長生きしてね。」


「遠くって!?死にはしないだろうから…故郷のルーマニアとかか!?」


「ふふふ、じゃあね。」





そう言っていきなりのお別れを告げられた。






○○○○○○○○○○





「色々情報貰ったりしたのに…こんな不甲斐ない結果で本当にすみません…」


「まあ…仕方ないですね。とりあえず闇カジノは潰せたんで此方の依頼は何とかなりましたが…」



あの後、荒木くんに報告を兼ねてカフェで落ち合った。



「そうですか…所で…ミロって…何処に行くんですか?」


「?」


「何か…健康に気をつけてとか、お別れだとか訳分からなかったですが…」


「まあ、アイツはビョーキですからね。健康だけど。気にしなくて良いですよ。色々おかしい奴なんで。」


「はあ…」



やっぱり頭のネジが何処か抜けてるんだろうか?ミロは。



「所で三田さんはその後、寺元拓人については何か探れました?」


「うーん、俺が分かってるのはあのヤバいカジノの事は多分親父の力で揉み消せたみたいだけど、謹慎言い渡されて大人しくしてるって事位かな。」


「まあ、俺も多少関わったんで、正直悔しい思いはしてます。俺も独自に調べてこれ位のネタなら提供出来ます。」



と言って荒木くんが色々差し出してきた。



「さすが次期荒木探偵事務所の跡継ぎの若頭ですね!よく調べましたね。でもこれ貰って良いんですか?」


「はい。個人的に調べたんで無料で差し上げます。」


「かなり嬉しいですが…でも…また記事にしても潰されるかな…YouTubeやツイットーやテックトックとかで上げても藤間みたいにアカウント消されるかもだし…」


「まあ、今すぐは難しいでしょうが…ネタは鮮度とタイミングが必要じゃないですか?最高のタイミングを逃さなければ良いのでは?」


「…」







何だか昔編集長に言われたセリフを荒木くんに言われていた。


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