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吸血鬼と取材  作者: 水嶋


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後釜

これは梟介の調べていた会社ですね。

「先輩、俺、今月でこの会社辞める事にしたんです。辞表は出してあります。」


「そうか…」




今日、後輩の立川に話が有ると仕事終わりにに飲みに誘われた。



「お前か?…俺の記事を消したの。」




「そうです。」





○○○○○○○○○○○





俺の家は小さな不動産屋をしていた。

地域密着の細々とした経営だった。


この地域に再開発の話が持ち上がり周りは湧き立っていた。


新たに最寄駅が出来る事になったりで、この辺りの地価は相当跳ね上がるだろう。


この辺りの地主などはあらかた大手の不動産会社に売却していて、更地になっていた。

高層マンションの建設予定の看板等もあちこち立っていた。


俺の家も勿論買い取りの打診は有った。

ただ、親は昔気質の人間で、まだこの土地に残っている地主と代々の繋がりもあって相談などを受けていた。


そう言った昔からの付き合いの地主から頼られていて売却などは知らない大手でなく、親父の不動産会社を通したいと言われていた。

其方が片付くまではうちは手放せないと話していた。


ある時、親父の会社に不動産の売却の相談があった。

この不動産は親父も昔から知っている地主のものだった。

ただ、その不動産の名義の人物は高齢で、代理で息子が手放すと言う話だった。


地主も、もう寝たきりで、息子も都心のマンションに家族で住んでいたので、この土地を持て余していると言う話だった。

管理も大変だし丁度高騰するタイミングで手放したかった様だった。


交渉にはその息子の代理人とやり取りしていた。

親父も昔から知る地主だったので確認を怠っていた。


交渉も成立し、親父の会社に仮登記を済ませ、○億を支払った。

その後、この土地の所有者だと名乗るミコシバ不動産と言う会社から契約はしていない、仮登記は無効であると記載された内容証明郵便が届いた。


警察にも被害届けを提出したが、結局こちらの言い分は通らなかった。


その後親父は自己破産し、無理心中を測った。

俺が大学生の時で、家にいない時に親父と母親と妹が家で死んでいた。

何かの薬を飲んでいた。


それから俺の家、会社全ては他人に渡り、更地になって「マンション建設予定地」の看板が立った。



俺はその後大学を中退した。

住み込みで働ける仕事を転々としていた。


ある時、たまたま週刊誌の小さな記事に「ミコシバ不動産の闇」

と言う記事を見つけた。


記者は藤間と言う男だった。

俺は気づいたらその記者に連絡を入れていた。


藤間さんに会って俺の今までの経緯を話した。


「やられたね、地面師だね。あの会社、高木組のダミー会社だからね。」


「高木組…」


「色々噂あってね。あの辺の再開発、寺元の息がかかってるしね。あと、多分警察も協力して訴え揉み消してるね。」


「そんな…」


「もしかしたら君の家族も心中じゃない可能性もある…」


「えっ!?」


「君がたまたま家に居なかったのは、もしかしたら家族が仇を打てって託されたのかもな。」


「…」


「俺は今は週刊誌なんかで下世話な記事を書いてる。諦めててもこうして小さな記事を見つけてくれる人がいるって、中々諦めさせてくれないな。」


「…」


「お前の敵討ち、一緒に手伝ってやるよ。まずは記者の勉強しろ。小さい所だが知り合いの所紹介してやる。そこを手伝え。使えるようになったら俺の居る会社紹介してやる。」


「有難うございます!」


それから記者の手伝いをしながら、寺元議員、高木組を探っていた。


ある情報を手に入れた。


俺の住んでいた地域の再開発の大詰めになっていて、関係者と意見交換会をすると言う。


しかし、極秘に手に入れた招待リストに寺元の秘書と高木組の幹部の名前、あと警察の幹部の名前が有った。


これは絶対何かある…

そう思って藤間さんに知らせた。


その後、スクープの映像を撮影出来たと興奮して藤間さんから連絡があった。






そのすぐ後、藤間さんが会社を辞めると言った。


会社を辞める前日に藤間さんに呼び出された。


「俺は明日会社を辞める。お前を紹介しておいたから、明日会社に行け。一応形だけの面接はやるからヘマするなよ。」


「…」


「俺は折角お前から貰った情報を潰された。でも、お前との約束は忘れていない。俺は個人で追って行く。あの会社には三田と言う奴がいる。頼りになる奴だからそいつに色々教われ。ただし飛ばされたがな…」


「はい…」






その後、俺は藤間さんの後釜として藤間さんの居た部署に配属された。


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