第3食 働き盛りなワァナツくん
「ふぅ...疲れるなやっぱ。」
今、ワァナツは会社の休憩中である。
働くのが嫌いではないが、決して疲れないわけではない。
まあ、何事もそうだろう。
「よっ、だいぶ疲れてそうな顔してるけど?」
「あ、オーファじゃん。どしたんだよ。」
彼はオーファ。
ワァナツの同僚だ。
めちゃめちゃ優秀!......というわけではないが、ワァナツよりかは少なからず優秀だ
「たまたま見かけたからちょっと話しかけたんだよ。なんか悩みでもあんのか?」
「うーん、まあこの会社がどうのこうのとかじゃないんだけど、普通に最近疲れ溜まってな」
「なるほどー。働いてるときあるあるだな。」
そう言いながらコーヒーを持ってオーファはワァナツの隣に座る
そしてそのまま話を続ける
「疲れ溜まってんのか...あ、今年度分の有給まだ残ってるよな?」
「あぁ、残ってるよ。」
「じゃあさ、いつもの仲良い3人でちょっくら旅行でも行かね?」
「え、いいじゃんそれ」
オーファが中々いい提案をしたと思った瞬間
「3人の話してるのに俺を置いとくのはどうなんだよ!」
横から2人に対して大きく呼びかける声が聞こえる
「あっ!フレンク!!」
そう。先ほど話していた仲良い3人のもう1人。フレンクだ。
同じくワァナツとは同僚。
フレンクに関しては同世代の中でもずば抜けて優秀だ。
そのままの流れでフレンクも隣に座る。
「それでそれで!旅行って聞こえたけど!」
「そうそう、ワァナツが疲れ溜まってるらしいから。3人で旅行でも行ってリフレッシュするのはいいんじゃないんかなぁーと思ってな。」
「賛成賛成!決まり!!」
「フッ軽すぎるだろ...」
そこで3人はテンションが上がってどこへ旅行に行くかを考えた
「やっぱナッツン温泉じゃね?」
「いやいやいやあそこは平日でも休日でも人多いから逆に疲れるだろ!」
「えぇ~、じゃああそこのテーマパークとか?」
「あぁー!あそこ確かに平日は人少なめだしありかも!!」
「だよな!!!」
ウキウキで話ている3人だが、あることに気づいていなかった。
そしてそれを知らせる時が来る
「えでもだったらさ...」
「お三方。」
「あっ......」
3人が声をそろえてあっと言った。
その3人の目の中に映っている姿は...
「ナ、ナツ男さん...」
「休憩時間、過ぎてますが?」
「...申し訳ないです......」
「...」
ナツ男は少し眉間にしわを寄せて話し出す。
「いいですか?決められた時間の中で行動できないのであればそれははっきり学生以下と言えるでしょう。3人はもう社会人です。時間というのは決まっているものの中でも厳守しなければいけないものです。そこを履き違えないよう。」
そう言うと、ナツ男はその場を離れていく。
3人は少し硬直した後に、フレンクが口を開く。
「も、戻ろうか、」
「そうだな...」
また仕事が終わってから集まることだけ話、3人は仕事に戻った。
そして仕事が終わってから...
「うぃ~、お疲れ。」
「2人ともお疲れ様~」
「じゃあ飯食いながらまた話すか!」
「おう!」
よく3人で一緒にご飯を食べるとこへと向かい、そこで晩御飯を済ませながら旅行について再び話始める。
さっきの話で出た候補の場所や、新たに出た場所のメリットデメリットなどを話し、色々まとめていた。
日程はもう決まったので、場所のみ。
「さぁ、結局のところどこにするんだよ!」
「んー、俺的にはやっぱ温泉がいいと思うんだけどなぁ...普通に好きだし。」
「まあワァナツのための旅行みたいなもんだし、ワァナツの行きたいところでいいんじゃないか?」
「そうだな、よし!じゃあナッツン温泉に決まり!」
そんなこんなで旅行先は少し離れたところにあるナッツン温泉に決定となった。
場所を決めると3人とも少し肩の荷が下りたのか、ちゃんと食事を始めた。
数週間が経ち、その旅行も終わり、3人はまた深く仲良くなっていた。
「ワァナツ!楽しかったな!」
「おう!ちょっと疲れ取れた気がする!」
「なら、俺の成績超えてみなよ~」
少しいじわるな言い方でフレンクはワァナツに言う
一瞬何か言い返そうとしていたが、ぐっとこらえてワァナツは黙った。
「よーーし!今日もがんばるぞ!!」