第0食 どぉなつ星の話
30XX年、
太陽系から遠く、すっごく遠く、めーーーちゃ遠くのどぉなつ星での話
「はぁ...」
「どうしたの?ワァナツ。」
彼はワァナツ。
このどぉなつ星にて会社に勤めるドーナツだ。
会社の名前は「ドォーナッツ・ツクール」。
「いやさぁ、どぉなつが地球旅行に行ってもう10年だろ?なのに何も連絡がなくて...」
「なるほど。」
「なぁ、ポリ子は連絡来てんのか?」
「うん。来てるよ。」
「だよな、やっぱ来てない...え来てんの!?!?」
彼女はポリ子。
現在地球旅行中のどぉなつの妹だ。
今はどぉなつ星の学校に通っている。
学校の名前は「ドォーナッツ・マナーブ」。
「来てる来てる。だって妹だし。」
「おいまじかよ...友達じゃなかったのかよ......」
なんてことを言っているとワァナツのスマホの通知がピロンと鳴る。
少しびっくりしてから即座にロックを解除して中身を見る。
するとそこには......!
『ワァナツ宛 金貸して。 どぉなつより』
「あいつマジで殺す!!」
スマホの画面がバリっと割れてもおかしくないような勢いでスマホを地面に投げつける。
その光景にポリ子は若干引きながら口を開く。
「ま、まあ、お兄ちゃんってそういう人だし?」
「なんであんな奴の妹がポリ子みたいな可愛い可愛い女子なのかなぁ?」
「は、ははは...」
ワァナツはポリ子に現在片思い中である。
「おやおや、休日の朝からお二人に会えるとは幸運ですねぇ。」
「あ、ナツ男さん。」
「ナ、ナナ、ナツ男さん!!」
彼はナツ男。
「ドォーナッツ・ツクール」で、ワァナツの上司を務めている。
ポリ子やどぉなつとも知り合いではある。
「ど、どどどど、どうしよう!今日すっぴんなのに!!」
「すっぴんのポリ子ちゃんも可愛いよ」
「ふむ...何が問題なのでしょうか?」
ちなみにすっごく鈍感だ。
「やだ...こんな姿......ナツ男さんに見られたくないーーーー!!!!」
ギャグ漫画のスピードにも負けない速度でその場から颯爽と駆け抜けていく。
ちなみにお察しの通りポリ子はナツ男に片思い中。
「あっ!ポリ子め逃げやがって......」
「そういえば、」
ナツ男はゆっくりとワァナツの背後に立ち、肩に手をポンと置く。
それを感じたワァナツの顔は段々と青くなる。
「この間お願いした資料...まだ提出さえされてない模様ですが...?」
「は、はい...申し訳ないです......」
「上の方に少し聞いたんですが、減給も視野に入れていると...」
「えっ!!!す、すぐに取り掛かります!!!」
ワァナツもまたギャグ漫画に負けないスピードで自分の家へと向かって行った。
その様子を少し見てからナツ男も歩き出す。
「ふむ...最近の若者は体力があっていいですなぁ。」
......これが、どぉなつ星の日常である。