9話
遅くなってしまった...んでもって少し短くなっちゃいました。
目を開くと六畳くらいの部屋にいた。
「ようこそいらっしゃいました!異邦人の方!」
後ろから声が聞こえ振り向くと直径三十センチくらいの球体が話しかけてくる。
「あ、どうも...」
喋るはずのない球体が喋っていたり、ここはどこなのかと困惑でまともに返答が出来なかった。
「ここはキャラクリエイトルームだよ!ゲームの中での姿やジョブ、スキルなどを決める部屋となっています!」
と言うと同時に現実世界での自分が球体の横に現れる。
「すご!まんま俺だ...でも違和感がすごいな」
家には体を丸ごと映すような鏡は持っておらず、洗面所の鏡くらいしか自分の顔を見ることはないため自分の体がそこにあるのがすごく違和感というか気持ち悪い。
「キャラクターの性別を変えることは出来ますが、トラブル回避のため本来の性別は分かるので安心してくださいね!」
その遠回しな言い方に、これはネカマ被害のことを言っているんだろうな...と察した。
「時間はたっぷりありますし、ゲームが始まってからも一回までは作り直せるので気軽にキャラクリエイトを始めてください!」
と言言い残し球体は消えていった。残った自分の分身がモニターに表示され変更できるようになった為いじり始める。
「どうしよっかな」
色々と細部までいじることが出来るが、あまり変えすぎて元の自分から離れても違和感になっちゃうだろうから気を付けないと。
普段の自分は髪は短めにしており線が細く頼りなさげに見えてしまう為
「体は少しくらい男らしくしてもいいよな」
腹筋や二の腕など筋肉をつけ今より多少屈強に。
「髪は普段短いし長くして右目だけ隠そう...髪色は銀髪かな」
なんでか知らないけど片目だけ隠す髪型が好きなんだよなぁ。
「んでもって目はオッドアイで右は赤、左は緑にでもしようかな」
オッドアイは初めて触った某禁ゲームのキャラクターがきっかけで好きになり現実でもやろうかと思ったが、カラコンを目に入れるのが怖くて断念したのだ。
「キャラクリはこんなもんでいいかな」
と改めて確認し終了すると突然先ほどの球体が現れる。
「決まったみたいだね!それじゃあ次はJobを決めようか!」
再びモニターが現れ、Jobが選べるようになり、第一Jobから第二Jobまで選べるようだ。
「第一Jobは戦闘Job、第二Jobは生産Jobだよ!」
と言うと第一Jobを選べるようになり、Job一覧表が表示される。
「何にしようかなって...まぁ決まってるんだけどな。お、あったあった!」
一番下にあったお目当てのJobを選択する。
「テイマーですね!次に生産Jobを選んでください!」
「生産Jobか~」
取りたいJobはたくさんあるためすごく悩む。
悩んでいるのを見かねた球体が
「戦闘Jobは一個しか選択できないけど、生産Jobは複数つけることが出来るようになるから難しく考えすぎないようにね!」
と助け船が入る。
「ありがとう!となると...アルケミストか造形師かな...まぁでもフィギュア作る練習もしたいし造形師かな?」
「第一Jobテイマー、第二Job造形師で問題ないですか?」
「はい!大丈夫です!」
「分かったよ!最後に名前と種族を選んでね!名前は重複できないので早い者勝ちなのでお早めに!」
「まじか!じゃあryoはいけるのかな...うわぁ、重複してる、Ryoも...だめか...どうしようかな...」
いままで重複しても問題ないゲームしかしてきたことがなく他に使える名前があまりないのだ。
「フィギュア売ってるハンドルネームにするか...」
これまた単純で
「Ryo「獣」は...問題ないみたいだな。種族は当然獣人だ!」
普段の名前に好きな獣を付けただけの単調な名前に、獣が好きで自分もなりたいというまんまな理由からこうなっている。
「確認いたしました。問題ないみたいですね!獣人の種族はランダムで決まります。」
種族なんてあるんだな。まぁもふもふなら何でもいいけどな。
「わかりました」
「OKです。それではチュートリアルステージに移ります。」
と言うと足元に魔方陣が展開され、光に包み込まれる。
転移する瞬間
「これから行く世界の住人たちはみな生きており、意思もあります。ゲームだからと甘く見ないようにお願いしますね!それでは良き旅を!」
と言われたと同時に再び意識が途絶える。
次回はチュートリアルのみで終わっちゃうかな?...