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7話

結局2日目になってしまい申し訳ないです!


澪さんに軽く家を案内してもらい、洗面所で手を洗って食堂へと案内される。

中央には10人くらいが一緒にご飯を食べることが出来るくらい大きな机が置いてある。

「まじか...すげぇ...」

そんな物語でしか見たことがない光景に感嘆の声がこぼれるが、慣れている皇さんはどんどんと食堂へと入っていく。

するとどこからか女性がすっと姿を現し

「おかえりなさいませお嬢様、どうぞこちらにお座りください」

と皇さんに声をかける。

「ありがとう由紀」

執事がいる時点でいるのかなとは思っていたが、本物のメイドがいることにびっくりし感動する。が、てかあれ?今どこから現れた?JapaneseNinjya?

「風波様はこちらへどうぞ」

「え?あ、はい、ありがとうございます」

困惑しながらも案内された澪さんの対面の席へと座る。

「それでは料理を運んでまいりますので少々お待ちください」

とメイドさんがいなくなり二人きりになる。

緊張と場違い感でそわそわしていると

「そんなに緊張しないで我が家のようにのんびりとして大丈夫だよ」

と優しく声をかけてくれるが

「全然無理です!」

物語でしか見たことのない光景に普段見ることない執事にメイド、美人な皇さんの家に招かれたというありえない夢のような状態なのだ。

落ち着けというほうが無理に決まっているだろう。

「ガチガチに緊張してしまってはご飯もおいしく感じることはできないよ」

などと会話していると扉が開き料理が運ばれてくる。

「お待たせいたしました。本日はたけのこご飯、つみれ汁、金ぴらごぼう、銀鱈の西京焼き、わかめサラダでございます」

とても丁寧に盛りつけられていておいしそうな料理を見てお腹がぐうと反応を示し思わず顔を赤くしてしまう。

「待ちきれない人もいるみたいだし早速いただこうか」

「すみません...いただきます」

緊張で乾いた喉を潤すために透き通った湯気立ち昇るつみれ汁からいただく。

和風だしがふわっと香り、しっかりとした触感を持つつみれ...なかなか食べることのないものに思わず「うまい...」とこぼれる。

「ありがとうございます。料理長も喜ぶでしょう」

おいしさのあまりどんどんと箸を進め10分もしないうちに食べ終えてしまった。

「ふう...おいしかった」

余韻に浸っていると

「食べるの早くないかい?」

と半分ほどは食べ終えている皇さんが箸を止め呆れたような目を向ける。

「あ、すみません...食べるの自体元々早いのと、こんなに凝った料理を久しぶりに食べてテンションが上がっちゃって...」

もう少しゆっくり食べるべきだったかと反省していると

「謝ることではないですよ。お代わりもできますがいかがですか」

といつの間にか傍らにいたメイドさんが声をかけてくれる。

「え、いいんですか?少しだけいただきたいです」

普段動かないのに今日はたくさん歩いたためお腹がいつもより減ってしまっていたのでありがたかった。

「かしこまりました」

お代わりをもらい再び食べ終えるころにはお腹も膨れ皇さんも食べ終えていた。

「食後のデザートを持ってまいります。少々お待ちください。」

と再びメイドさんが食堂からいなくなる

「そういえばVR機材を持っていたけれど何を遊ぶんだい?」

皇さんが食後の紅茶を飲みながらこちらに問いかける。

「あ~、今日発売予定のゲームを遊ぼうと思ってたんですけどお店に行ったら売ってなくて」

「ん?もしかしてYGYWOnlineのことかい?」

と目を見開きながら驚いたかのような声を上げる。

「知ってたんですね。それです。でも買えなかったんでいつ遊べるか分からないんですけどね」

するとニヤリと何かを企むかのような顔をして

「なるほどね、すまない、少しお花を摘みに行ってくるよ」

と食堂を出て行ってしまった。

この広い食堂に自分一人という状況に突然なり、落ち着かずスマホを取り出し時間を確認すると15時近くになっていた。

「てかもうこんな時間か。ってめっちゃRine届いてる...」

連絡アプリを開き誰からか確認をすると勇羅からであった。

ゲームを買えたかという確認メッセージで、買うことが出来ず一緒に遊ぶのは少し先になるということを送り返しておく。

すると入り口から皇さんとメイドさんが同時に帰ってくる。

「またせたね」

と言いながら席につく皇さんを見ながらいえいえと返しておく。

「デザートをお持ちいたしました。本日のデザートは黄身をふんだんに使ったプリンでございます」

ガラスの容器の上に鎮座する黄金の山から甘いにおいが漂ってくる。

「うわぁ...こんなプリン初めて見たかも」

普段食べるプリンと言えばコンビニの100円代の安いプリンのため差が明確に分かった。

「うちには専属のパティシエもいるからすごくおいしいよ」

とプリンを食べた皇さんが教えてくれる。

まじか...料理長もいてパティシエもいるとか...もしかしてとんでもない家に入り込んでしまったのではないか、

後でとんでもない要求を飲まされるんじゃないか不安になってくるが、

おいしそうなプリンの魅惑に勝てずスプーンを握り一口分を掬って口へと運ぶ。

「濃ッ!やば...これ...めっちゃうまい!」

と夢中で食べているといつの間にかなくなってしまっていた。

夢中になるほどのおいしさとなくなってしまった悲しさを混ぜ合わせたかのような声音で

「ごちそうさまでした。とてもおいしかったです」

と告げると「お口に合ったようで何よりです」と近くに来ていたメイドさんに紙袋を手渡されながら言われる。

「えっとこれは?」

軽く覗いてみるが黒のビニールに入っており中身が確認できない。

「妹様がいらっしゃるとのことでお土産にと、もちろんお父様の分もございますよ」

「あ、ありがとうございます!これで妹に怒られずに済みます!」

妹は大の甘いもの好きで甘いものを食べて帰るといつもお土産は?と催促されるのだ。

今回も何か買って帰らないとか、と考えていたのでとてもありがたかった。

てかなぜ家族情報を握られているのだろうか...やっぱ忍者なのか?むしろ暗殺者と言われても納得ができるな...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食後に軽いお話をしているといつの間にか16時になっていた。

「すみません澪さん、そろそろ帰らないといけないので帰りますね」

これ以上長居しては迷惑だろうし、食材も買って帰らないといけないのだ。

「そうか、もう帰ってしまうのか...」

今まで話をしていた時はもっと明るい顔をしていたのに、帰ることを告げた瞬間から暗い顔になってしまった。

このままではまずいと思い

「もしご迷惑じゃなければまたお邪魔してもいいですか?」

と思わず言ってしまった。

すると暗い顔から一転ぱぁっと明るい顔になって

「もちろん!毎日来てくれたっていいさ!」

と言ってくれる。お世辞だとしてもうれしいものだ。

そばにいたメイドさんがボソッと

「これはお嬢様も大変ですね...」と言ったが涼には聞こえなかった


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玄関へと向かうと執事の人が立っており

「これからもお嬢様が迷惑をおかけすると思いますがこれからもよろしくお願いいたしますね」

といいながら機材を渡してくれる。

「いえいえ、こちらこそよろしくお願い致します。」

と言いながら機材を受け取り

「それでは今日はありがとうございましたs」

と玄関の出口へ向かうと後ろから

「絶対また来るんだよ~」

という声が聞こえ軽く振り向き頭をさげ玄関を出る。

無事に門を超え帰り道を歩いている最中ふと機材の箱に違和感を覚える。

「ん?こんな重かったっけ?もう少し軽かった気がするけど」

と思ってはみたが封が開けられたような痕跡はないし気のせいかと頭を振り気にせず帰るのであった。

お待たせいたしました!

今回で序章の部分が終了しましたので、

次回よりいよいよゲームの世界へと入ります!

お楽しみに!

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