3話
学校での部分が思った以上に長くなりそうだったので2話に分けまもう1話は明日上げます。
「やっと学校に着いた...てかゆっくりしすぎたな、早くしないと入学式が始まっちまう」
足早に校門をくぐり、人がたむろしている玄関へと向かうことにする。
まだ結構人がいるんだな...人の波を乗り越えクラスが張り出されている掲示板へとたどり着く。
「俺のクラスはっと...三組か」
クラス表を見るとクラスの中によく知る親友たちの名前を見つけ頬を緩ませる。
自分の下駄箱に靴をしまい、自分の教室に向かっている最中にふとこんな話をしている学生たちの声が聞こえた。
「おい知ってるか?この辺で有名な美人のお嬢様の話!
あー、あそこの丘に見える屋敷の!
そうそう!今日この学校に入学するらしいぜ!
まじか!あんな美人と付き合ってみたいよなぁ、玉の輿にも乗れるし...
3年のバスケ部エースが告ったらしいけど無残なまでに振られたらしいんよな。まぁどっちみちフツメンのお前にゃ無理な話だろw
あのクソむかつくほどのイケメンがか!?って何をぉ!」
とバカ丸出しな会話をしている。
「へぇ、そんな人いるんだなぁ。今までこの辺に住んでたけど知らなかったや。」
と興味は引かれたもののそれでも自分とは関係ないと教室に向かう。
「あ、でもその人って仲のいい友達や家族以外には笑わないし毒舌らしくて話しかけるだけで心が折られるらしいぞ!
バケモンじゃねぇかッ!、それじゃあ仲いい男なんているわけないわな...
いやそれが気になっている人が一人いるらしいぞ!」
などという会話は足早にいなくなってしまった涼の耳に届くことはなかった。
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「上り終わったー...なんで高校生になると一年生の教室が三階になるんだろうな...中学の時は三年が1階だったのに」
そんなことをつぶやいていると後ろから肩を組まれる。
「相変わらずバカなこと言ってんなぁ!涼!」
とそんなことをのたまう。
「びっくりしたー!急に来んなよ勇羅!」。
と抗議の目を向けると。
「にしし!」
としてやったりのむかつく顔をしているこいつは鬼丸 勇羅、小学校からずっと同じ学校、同じクラスの腐れ縁だ。
「もう!やっと追いついた!なんで先行っちゃうかなぁ!それと涼君もおはよ!」
と息を切らしながら追いついてきたのは勇羅の彼女の綾乃 里奈、この子とは中学からの付き合いでよく三人でいることが多かった。
「ごめんごめん...じゃないでしょ!いつもいつも勇羅は!」と一方的な痴話喧嘩が始まる。
そんな痴話喧嘩を見て中学の頃を思い出し、あぁ...また学校のある日常が始まるんだなぁと感慨に耽っていると後ろから
「おぉい!そろそろ入学式が始まるから並べー」とスーツを着た先生から声がかかる。
「あの人が担任なのかな?...っていつまで痴話喧嘩してんの?早く並ぶぞ」
二人に声をかけ、喧嘩を辞めさせる。
「いつもごめんね」「悪い悪い...」と里奈と勇羅が声をかけてくる。
と言うと里奈は女友達のほうへ向かい並び始める。
それを横目に勇羅に声をかける。
「相変わらず尻に敷かれてんのな」
と引き攣った笑みを浮かべながら言う。
「お前もいつかは俺の気持ちがわかるさ...男は誰でも必ず尻に敷かれて反抗出来ないんだ...」
「それでも普段はかわいいんだぞ里奈は」
と声を小さくして惚気返される。
内心唐突に惚気てくる勇羅に少し引きながら、彼女でこれなら結婚したらどうなるんだか...と想像するだけで怖くなり考えるのを放棄する。
すると先生が
「よし並んだな!体育館に行くぞ!」と皆に声がかかり整列しながら体育館へと進む。
こうして高校生生活初日、入学式が始まる。
もうじきゲームの世界へと向かいます!もう少し日常編を楽しんでもらえればうれしいです!