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聖堂より愛をこめて



突然話しかけられてびっくりして振り返ると…

金色の髪をツインテールにして、大きな真っ白に輝く槍を背負ったお姉さんがいた。

あー…うん。あの人が居たならいるよね?でもこの人がこっち?武器も槍になってるし…。

「どうかされましたか?」

「いえ…」

「私はノイラといいます。ここで治癒師のお手伝いをしてます」

「初めまして…シルビアです。あの…この聖堂の事を教えて頂けますか?」

「勿論です。最近は聖堂へ治癒をしに来る方だけじゃ無く、アリエル様とキナエル様にお祈りをしていかれる方も増えています。これも勇者様のおかげです…勇者様ぁ…うぅ…」

ロリ神様のお名前、アリエル様ですか?

(当たりなのじゃ! ようわかったの?)

はい、なんとなくですけど。


ノイラさんは光神のキナエル様と、アリエル様のお話を聞かせてくれた。

それと勇者様の事も。めっちゃ詳しいやん…。

今回、信託を受け取ったのもノイラさんらしい。

(そやつも有能じゃからなぁ…勇者とも旅をしておったから。あの頃は魔術師じゃったがな)

まさか、勇者様に惚れたのって…

(そやつじゃな)

ですよねー。詳しい訳だよ。


「もし、領主様のお屋敷へ行かれることがありましたら、姉がそちらにおりますので」

「多分、私が行くことはないと思います…」

「そうですね。いくら開かれているとはいえ、おいそれと入れる場所ではありませんから」

「はい。…ちなみにお姉さんのお名前を聞いても?」

「魔術師のノイミといいます。少々騒がしい姉ですが有能ですよ」

「魔術のお師匠様ってリバーサイド村にいるセナさんですか?」

「よくご存知ですね。私達姉妹が戦えるようにと魔術を習って、お世話になった方です! お知り合いですか?」

「先程、お薬をセナさんにお届けしてきましたから…」

「それはそれは…お元気でしたか?」

「はい」


暫くノイミさんとお話をした後、もう一度ロリ神様もとい、アリエル様とキナエル様の像に跪き御礼を…

(まったく、キナめ! めちゃくちゃやりおってからに)

(いいじゃないですか、前回の勇者達は回復系統の魔法を殆ど使わなくて、お話できなかったんですから! 今回は私も早くお話したかったんです!)

あれ?この声…

(私がキナエルです。お菓子ありがとうございました)

いえ…すみません、そのような物で…。

(よいよい、大事なのは気持ちじゃからの)

(そうですよ、美味しかったですし)

それならよかったです。

(どうしますか?ポイント交換していきますか?)

えっ?もうできるんですか?

(ほれ…今日こやつか大量に”いいね”をしておったじゃろ…)

そういえば…。 いいねポイントって確認できるんですか?

(各聖堂へ行き、石像に触れれば確認できるのじゃ)

(光ポイントは今125ありますよ)

私がキナエル様の像に触れる前に教えてくれた。125!?


(どれだけ”いいね”したんじゃお前は!)

(あら、”いいね”をどれだけするかは私達に一任されていたはずですよね?)

(そうじゃが限度というものがあるじゃろうて…)

頭ン中で二人の神様が口論してて、頭が痛い…。


(おっとすまぬな)

(ごめんなさいね。このロリ神様が細かい事言うから…)

(やかましいわ! 細かくない、大切なことじゃ!)

(はいはい、以後気をつけますよー)

(今更じゃろうて…125もあったらお前の与えられるモノ全部渡しても余るじゃろ)

(あら…じゃあスキルと魔法に全部交換しておきますね!)

えっ…ちょっ…あぁぁぁぁ…


(バカ者! 一気に付与するやつがあるか! パンクするぞ!)

(そういう事は早く教えて下さい! えいっ!)

あぁぁぁぁ…あれ?

(落ち着きましたか?)

はい…なんかすっごい情報量で目が回ってました。

(我の眷属じゃなかったら頭パーンってなっておったところじゃぞ! パーンって!)

怖いこと言わないで!?


(すみません…でも初めに説明しないアリエル様も悪いと思います!)

(一気にこんなポイントを渡すバカがおるとは思わんかったのじゃ…)

(バカって言いましたか?私の事を!)

(バカじゃなかったらなんじゃ! 危うく我の大事な眷属を廃人にするとこじゃったのに!)

(それはすみません! でも説明しなかったロリ神様も悪いと思います!)

なにこれぇ…。頭ン中でまた神様が喧嘩してる。


さっきみたいに頭が痛くならないのは光神様のおかげかな。

ま、いいや。今のうちに…。

ステータスの確認をしたら回復系統のスキルが増えたし、知力の数値が見えるようになってた。

999って…わかりやすいカンスト数値。

(全くお前と闇神はいつもいつも…)

(妹と一緒にしないでください!)

まだやってるよ…。


魔導書も確認しとくか。

おぉー! 回復魔法のページが、全部埋め尽くされてる!

治癒が効果最大まであるし、広範囲治癒も同じく。

後は状態異常回復の魔法。毒とか麻痺の治療。

最後に疾病治癒…これってありとあらゆる病気を治せるやつかな。

これがあったら他の状態異常回復の魔法いらなくない?

まぁいっか…。

サポート魔法は防御力アップ系が揃ってるし、光神様の管轄の魔法は消費魔力が少なくなっててありがたい。


他人にもかけられるみたいだから持ってても無駄にはならないよね。

すでに魔法は全部取得済み状態なんだ…。


「あの! キナエル様。ありがとうございます」

「私に面倒くさいことを全部押し付けて…えっ? あ…。 いいのよー。それで自分や大切な人を守りなさい」

「はいっ!」

「余ったポイントはどこに割り振る?」

どういう事ですか?

「私達のポイントは100で全ての恩恵が受けられるの。だから25余ったのを他の神ポイントに変換してもいいし、単純にステータスへ割り振ってもいいわよ?」

でも、知力は999になってますし…。

(体力や魔力、力や素早さ、どれにでも振れるわよ?)

(おい、待て…他の神のポイントへ勝手に振ることは我が許さんのじゃ!)

(ケチね…ならロリ神ポイントへ変換しておきます! それならいいでしょう?)

(まぁ…それなら我がなんとでもなるから…よいじゃろ)

(ごめんなさいね、頭の硬いロリババァのせいで)

(誰がロリババァじゃ!)

なんだろう、キナエル様のロリ神様の扱いが…。最高神様なんだよね?


(まったく! キナのヤツはいつもいつも…)

ロリ神様、ポイントでなにか交換できますか?

(ん?そうじゃな…魔導書の我のページを見てみぃ)

開いてた魔導書がパラパラと勝手にめくられて、勝手に止まる。

(その中から好きなものを選ぶと良い。因みに我のポイントは100程度ではでカンストせんからな?)

やっぱり最高神様だから多いって事かな…。

(そういう事じゃ)

(むーーー! んーーーー!)

なんかうめき声が…。

(気にしなくてよいのじゃ…それで決まったか?)

はい! この、マジックバッグの容量拡大と、内部時間停止をお願いします。

(ふむ、わかったのじゃ。 ほれ)

ほれ って言われても…。確認のしようがないです。

(世話の焼けるやつじゃの。本のページをよぅ見てみぃ)

言われて魔導書を見ると、マジックバッグの項目にある、内容量拡大1と、内部時間停止がグレー表示になった。

そして内容量拡大2が表示されるようになった。


取得したものはグレーになって、それの上位互換があれば表示される?

(そういう事じゃ。光神のページを見てみぃ)

またペラペラと数ページめくられて止まる。

確かに光神キナエル様のページのは全部グレー表示だ。

(まぁ、回復魔法や耐性があれば生存率もあがってロードをする事もそうそう無くなるじゃろ)

そうですね…。

毒や麻痺、病気への耐性が小から始まり最大まで取得されてる。

これ魔法とった意味…。

気にしたらだめだね。多分、少しずつ取っていってたら意味があったんだろうし…。

(そうなのじゃよ。それを一気に取得させよって…)

やっぱり。でも毒とか怖いし、病気とかにならないなら安心かも!

(あー2つほどそれでも防げない病気はあるのじゃ…)

えっ? あぁ…吸血鬼と、狼人間?

(当たりじゃ。それは闇神ノクエルの管轄じゃからな。闇と光は力が対等故、耐性が効きずらいんじゃ)

表裏一体って事ですか?

(そういう事じゃ。あの姉妹は性格も真逆でな…手に終えん)

作ったのロリ神様ですよね?

(それはそうなんじゃが…自由意志を持たせておるからの)

あぁー。すっごい納得。



もう一度お二人の石像に跪き御礼を伝えて、ルディアさんと聖堂を出た。


なんかめちゃくちゃ疲れた…。

(我もじゃ…)

(むーーー!!)



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