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山へ キャンプ編



着替え終わり、テントから出るとリールーが木箱を漁ってる姿が見えた。

またやってるよ…。

「リールー、それ大丈夫な箱?盗品はだめだよ?」

「違うから! グライダーももう一つ見つけたし、使い方の説明書とか、ここの説明も書いてあったよ」

手渡された本をサラッと読むと、どうやらここはあの落下おじさんが使ってたらしい。

正規品のグライダーと作り方をみながら、ここで作成して、そして飛び立ったと。

だからここにあるのは正規品って事みたい。


ブラックランで見つけたのが、紫色の布がはられたグライダー、ここで見つけたのが青いグライダー。

リールーは自分で最初に見つけたやつがお気に入りらしく、青いのを私にくれた。

「明日、明るくなったらここから飛び立とうー」

「…おー」

つられて返事はしたけどやっぱり怖すぎる。



ホントにこれで飛ぶの?

(大丈夫じゃと言うとろうが。キナも保証済みなんじゃぞ?)

…そうですね、キナエル様のお墨付きなら…。

(…おい、それじゃと我は信用できぬと聞こえるんじゃが?)

そ、そんなことは…。ロリ神様だと、ちょっと不安だなぁってだけです。

(我の眷属のくせに、なんじゃなんじゃ!)

色々な事をキナエル様に丸投げしてるの誰ですか?

(うっ…)

(これはロリ神様の負けですね。実際調整したのは私ですし)

(ん…うちの妹をこき使いすぎ…)

(お前達まで…ノクは随分久しぶりに顔を出したと思ったら何をしておったのじゃ?)

(シルビアに手を出した吸血鬼に教育…)

えっ?それって…。 あ、吸血鬼ってノクエル様の管轄だから。

(そう…改心した)

(何をしとるんじゃお前は! バランス崩れるじゃろ!)

(…強すぎた。バランス崩してたのアリエル様…。あんなの勇者くらいしか倒せない)

…………。

(………ま、まぁ、そういう事もあるじゃろうて)

私、冒険者のランク付けを、キナエル様かノクエル様にお願いしていいですか?

(いいわよ)

(ん…任された)

(なんじゃと!?シルビア、お前…)

だって! 私が怖い思いして、死んだのロリ神様のせいじゃないですか!

(助けてやったじゃろうが!)

そういうの、マッチポンプって言うんですよ! 死なせたのに、回復させて恩を売るみたいなやつじゃないですか!

(…確かに。アリエル様は悪魔…)

(おまっ、言うにことかいて最高神に向かって悪魔じゃと!?)

(まぁまぁ…ロリ神様も、ノク姉様も落ち着いて)

また神界でケンカが始まってしまった。

今回は私も被害者だよね…。


リールーは見つけた本を焚き火のそばで読んでるから、私も少し周りを見て回る。

きれいなマットが敷かれてて、ふかふかの枕が2つあったから貰っておいた。

寝るときに使えそう。

後はテーブルに呪文書が置かれてて、リールーに見せたら

「これかぁー! シルビア、先に読んで覚えて。飛ぶのに便利だから」

ゲームだと呪文書って読んだら消えちゃうけど、ここだと平気なのか?

そもそも私は魔法って、ロリ神様のくれた魔導書で覚えてたから、呪文書自体初めて見る。

本を開くと、少しクラっとして、勝手になにか呪文を覚えたらしい。

(それは呪文とは少し違うわ。好きな時に使えるスキルみたいなものよ)

そうなんですか?ありがとうございます。所でロリ神様は…?

(ノク姉様に技を決められて、抜け出せなくなってますね)

本当に何をしてるんだろう…。

(…勝った)

(はぁはぁ…加減せんかバカ者が! 我の戦闘力は戦神のタルエルにほぼ渡してあるんじゃぞ!)

(…先に手を出したのが悪い)

(くっ…覚えとれよ! あっ、逃げるな! ノク! まったく…)

(私もまだ仕事がありますから失礼しますね)

ノクエル様は勝ち逃げしたらしい。



リールーも呪文書を読んで覚えたらしく、使い方を教えてくれた。

「グライダーで飛んでる最中に使えば、上昇気流が発生して更に高度を上げられる!」

「どういう事?」

「このグライダーは、滑空しかできないから。高く飛べばそれだけ遠くまで飛べるって事だよ」

リールーは理解してるみたいだけど私はいまいち良くわからない。

(お前はゲームの知識しかないからの)

そうでした…。でも知力999ですよ?

(それは各種魔法の威力や扱いに直結するだけで、お前が利口な訳ではないんじゃ)

遠回しにバカにされた気がする…。 それじゃあどうしたら利口になれるんです?

(当然、本を読む、経験すると言った学ぶことをせんとな?)

そのステータスはどうしたら確認できるんです?

(隠しステータスじゃからお前には見れんぞ?)

なんだかなぁ…。

(他の者はそもそもステータスなんぞ見れんし、スキル等も祈った時に適当に授けられるんじゃから贅沢言うな)

わかりました。 でもそうなると山賊みたいな街に入れない人達は?

(当然、スキルをもらうことはできんのじゃ。ただ街以外にもあったりするからの)

ダンジョンとかにあるやつですね。

(うむ、しかし、お前のように我の石像からすべての神にアクセスなど出来ぬからな)

それでも、そういう犯罪者にもスキルや恩恵は与えてるんですね。

(それは仕方ないじゃろ、お前以外には平等じゃからな。あまりにも目に余れば神託で討伐させておるがの)

一応ロリ神様なりのバランスって事なのかな。

(そういう事じゃ)

最高神様から直々に、この世界の真理を聞いてしまった気がする…。

(黙っておけよ?)

はい…。


持ってきた肉類と野菜で温かいスープを作り、夕食を済ませる。

ルディアさんからいくつかレシピを教わっておいてよかった。

リールーは本を読みながら先に見張りをしてくれるって言うからそれに甘えて先にテントで寝る。

まだちょっと早いけど、山を登ったりと疲れたしすぐに眠気に襲われた。



途中、リールーに起こされて見張りの交代。

まだ少し眠いけど、見張りはちゃんとやらないと。

あくびを噛み殺しながらミニマップを使い警戒。

焚き火で水筒の水を温めてお湯を作り、白湯にして飲む。

「ふぅ〜。温まる…」

そこまで寒くはないんだけどね。

東屋の中にテントを張ってるから、テントの中も暖かかった。

外は吹雪いてるのに、東屋の中には一切、風も雪も入ってこない。

ロリ神様に聞いても多分“仕様じゃ!”って言われるんだろうな。

(わかっておるではないか)

神だからっていうのと、仕様だからっていうので何でもごまかされてる気がする…。

(カンのいいやつは嫌いなのじゃ)

はーい。気にしないようにします。














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