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治療と買い物



光神様の聖堂内は怪我人がたくさんいて、さっき来た時の比じゃないくらい忙しそうだった。

重症の人とかはパッと見た感じいないけど、治癒師の方達が魔力の限界っぽくてぐったりしてる。

知り合いなのはノイラさんくらいだから、探して声をかける。

「すみません、依頼掲示板を見てきたんですけど、お手伝いさせてください」

「貴女…ルディアのとこの、シルビアちゃんだっけ?助かるけど、他者治癒使えるの?」

「はい、一応」

「そういう事なら、任せるわ。私もお姉ちゃんも魔力の限界で…」

隣のよく似た人がお姉さんか。緊急だから呼ばれたのかな。

魔力切れで、辛そうにしてて挨拶をできる状態ですらない。


(範囲の他者治癒を使うのじゃ。聖堂内くらいなら届くじゃろ)

わかりました。

両手装備の魔法だから武器類は同時に使えないけど、今は問題ない。

金色に光る魔法陣が頭の上に出る。そのまま魔力を流し続けて……開放!


聖堂内に金色の粒子がキラキラと舞い、怪我人の傷がふさがっていく。

光神様のスキルがなかったら消費魔力が高すぎてとてもじゃないけど使えない魔法。

(使いこなしてるわねーロリ神様の陰謀で、もう”いいね”があげられないのが寂しいわ)

(…じゃあ私が変わりにあげる…)

”ピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロン…………”

あぁ…またハートで視界が…これ久しぶり。

(やめんかー!! あぁもう…! 一度”いいね”をしたら取消せないのに! めちゃくちゃして…)

ロリ神様…口調変わってません?

(はっ…いや、なんのことじゃ?)

……いいですけど。


範囲他者治癒が使える事で、ちょっと驚かれたけど、怪我人も無事に助かったから、依頼も無事達成、報酬も結構な額をもらってしまった。

それにしても、なんであんなたくさんの人達が怪我してたんだろ…。

(ほれ、この間の砦じゃ。今回は冒険者が合同で潰しに行ったんじゃよ)

あぁ〜。それにしたって、負傷者が多くありません?

(冒険者といっても、強さはピンキリじゃからの…指揮しとったのが戦士ギルドの奴らなんじゃが、あやつら強さはあっても指揮する事には慣れておらんから)

それなんて脳筋? んー、ちゃんと冒険者にランク付けしないと危ないですね。


(らんく付けとはなんじゃ?)

例えば、素人、見習い、精鋭、熟練者、達人みたいに強さでランク分けして、受けられる依頼を難易度毎に分けるんです。それで、自分のランクにあった仕事を受ければ危険度が少なくなるんです。

(なるほどのぉ…お前、その知識どこから得たんじゃ?)

えっ…?あれ…なんで知ってるんだろ。

(ふむ、まぁよい。いいヒントをもらったのじゃ)

…お役にたったのなら良かったです。


((記憶の封印に綻びが出てきておるのか?姉上の封印がそうそう敗れるはずもないんじゃが…意図的?))

ロリ神様…

(ん?なんじゃ?)

私一つ思い出したことが…。

(なんじゃ、言うてみぃ(綻びか…意図的かしばらく見守るしかないな))

この元になったゲームって、冒険者ギルドがないんです!

(は?)

ですから、冒険者にランク付けしようにも、それを管理する組織がないから意味がないなぁーと。

(そっちか!)

なんだと思ったんです?

(こっちの話じゃ、気にせんで良い)

むー。因みに、さっきの素人、見習い〜ってやつは魔法のランクでした。

(………はぁ〜。そういえばあったのじゃなぁ。ランク付けに関しては我らに任せておけ)

はーい!


臨時収入があったし、市場にでも行こっと。お供えと、遠出するなら食料やキャンプ用品も買わないと。

(それなら鍛冶屋でランタンも買っておくとよいのじゃ)

そうですね! 洞窟とかは暗いし。


市場では食料品を購入し、鍛冶屋さんで、ランタンと、二人用のテントセットを購入した。

「シルビアちゃん、テントを張るときは気をつけなさいね」

「はい、ちゃんと見張りを立てます」

「それもだけど、他人の敷地に張ると、犯罪に問われるから」

「えぇ…そんなのどうやって判断したらいいんです?」

「設置する時に、テントが反応するからわかるはずよ」

「はぁ…?よくわからないけど、気をつけます」

エビドリアンさんの言うことはよくわかんねぇです。

もしかしたらリールーさんが知ってるかもだし聞いてみよう。


後は…何処へ向かうか、だよなぁ。

依頼掲示板をみつつ、大凡の目星だけでもつけておこうかな。

(おすすめは南西の街じゃな。ブラックランよりは小さいが、そこそこ大きな街じゃ)

あぁ! ファル…

(パルクルールじゃ!)

あ、はい…。 飛んたり跳ねたりしそうだなぁ…

(良いものも手に入るじゃろ)

なんだろ…良いもの?



夕食時に、ダルさんとルディアさんに、仲間ができるかもしれない事と、しばらくブラックランに帰らないかもしれない事を伝えておく。

とくにルディアさんは私を本当に大切にしてくれてるから…。

そういえば鹿スレイヤーさんはどうしたんだろ。鍛冶屋に案内してから見てないな。

(戦士ギルドにおるぞ、さっき怪我人の中に混ざっておったのに気が付かなんだのか?)

知りませんでした。元気ならいいや。

(結構な怪我をしておったんじゃが…)

治ってるんですよね?

(まぁの)

じゃあ別に…。

(薄情なやつじゃのー)

だって…ただの知り合いでしかないですし。



明日はリールーさんと待ち合わせだから、早く寝て仕度しないと。








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