第53話 獣王ですのぉぉぉぉぉ!
★マークとブクマと感想をお願いしますぅぅぅぅ!
グレイアさんと会った日から1週間後の朝、ワタシは自室の姿見の前にいました。
「……赤いですね。」
ワタシは、侍女さん達に着せられたドレスを見てそう言いました。
今日は、お母様とお父様の知り合い兼隣の国の女王が来るそうです。
なんでも、お母様とお父様と同じパーティーに入っていた仲だそうな。
その人の娘も一緒に来るらしいです。
良い娘だと良いのですが……。
そんな事を考えていると、ワタシの両手に侍女さん達はこれまた赤いオペラ・グローブを着せました。
そして、頭にはルビーを使ったティアラを乗せられました。
ふむ。
第一印象が大事という事でしょうか?
え?
「似合っていますよ!」ですか。
いえ、そこは別に心配していません。
さて、そろそろ行かなくてですね。
皇城のエントランスで到着を待っていると、馬車の近づく音が聞こえました。
しばらくすると扉が開き、一人の女性と一人の少女が現れました。
「ニャハハハハハハ!!久しぶりだニャァ!」
女性の方は、お父様とお母様に向けてそう言いました。
その女性は、頭に猫耳が生えピクピクと動き、目つきは鋭く瞳孔も猫のそれと同じで腰からは尻尾が生え、首から下は、肘から先以外を黒い軽装鎧と黒いローブを装備し、腰に直線的な刀を挿していました。
見た目から察するに、猫獣人である事は予想できました。
そして、歩き方からお母様には少しばかり劣るものの、かなりの武術の達人である事が分かりました。
「そうね。久しぶり、レート。会えて嬉しいわ。」
お母様はそう言うと、女性……レートさんを抱きしめました。
「久しぶりだね、レート。」
お父様は、お母様と抱き合っているレートさんにそう言って手を差し出しました。
「ニャハハ、アルも久しぶりだニャァ。」
レートさんはそう言うと、お父様の手を握り返しました。
「ニャハ?あ、その娘がアルとサラの娘かニャァ?3歳なのにかなり知的な目と魔力と闘気の操作能力だニャ。手紙にも書かれていたけどここまでとはニャァ。」
レートさんは、ワタシを視界に入れるとそう言いました。
「ニャ!そういえば自己紹介をしてなかったニャ。ウチが、ダーリス林国の女王の獣王レート=フォン=ダーリスだニャ。そんでこのウチの影に隠れているのが……。」
レートさんがそう言って少女を自身の影から背中を押してワタシの前に出しました。
「は、初めまして!ぼくは、リリィ=フォン=ダーリスです。」
少し恥ずかしそうに少女……リリィちゃんはワタシにそう言って自己紹介をしました。
ぼくっ娘!?
リリィちゃんは、ゴスロリ風のドレスを着ており、母親とは違い耳は長く尖っていて尻尾は生えていませんでした。
長く尖った耳ですから、多分ですが林精と猫獣人のハーフですかね。
「こちらこそ初めましてですね。ワタシはシオン=フォン=レグニストです。仲良くしましょう?リリィさん?」
ワタシはそう言って挨拶すると、リリィちゃんの手を握り、微笑みました。




