第52話 グレイアさんとの鍛錬ですのぉぉぉぉぉぉ!
★マークとブクマと感想をお願いしますぅぅぅぅ!
「其方が、サラスティアの娘か?」
かれこれ数年が経ち、9歳になったワタシが、一人で鍛錬場で鍛錬していると、漆黒の軽装全身鎧を着た女性がそう言ってきました。
軽装全身鎧から浮き上がる身体のラインが、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいるので、多分女性ですね。
ふむ?
頭には2本の角が後頭部の向きに鎧越しに浮き上がっていますね。
〈解析終了しました。個体名【グレイア】です。〉
ギンカは、ワタシにそう言いました。
ふむ。
あの時の竜さんですか。
お父様とお母様のご友人でしたね。
「……そうですね。ワタシが、お母様の娘のシオンです。グレイアさん。」
ワタシは、グレイアさんにそう言いました。
「む?妾の名を聞いていたのか?いかにも、妾がグレイアよ。『空間よ、蔵となりて、開き給え【空間収納】』。」
グレイアさんは、そう言うと自身の頭部の空間の歪め、兜を消しました。
あ、それ消せるんですね。
凄い美人ですね。
「それで、何か御用ですか?」
ワタシは、そう聞きました。
「ん?……嗚呼、そうだった、其方、サラスティアやアルフレッドと連日鍛錬を続けているのを聞いてな。どれ、妾も揉んでやるか、と思ったまでよ。」
グレイアさんは、そう言ってハッハッハッハッと笑いました。
「そういう事だから、構えよ。シオンの小娘。『空間よ、蔵となりて、武具を換え給え【武具換装】』。」
そう言うと、グレイアさんは右手の平の先の空間を歪めました。
そしてその空間の歪みを握り込むと、その手の中に一振りの片手剣を持っていました。
「真剣で、ですか?」
ワタシは、グレイアさんにそう言いました。
「もちろんだ。安心せい。手加減はする。」
グレイアさんは、片手剣を構えました。
「……分かりました。」
ワタシはそう言うと、【改良型在庫目録】から〈ダン〉を取り出して、右手に構えました。
「さあ、来るとよい。」
グレイアさんがそう言うと、グレイアさんからエゲツない重圧感が飛んで来ました。
一瞬、身体が反射的にピクッとしましたが、すぐに治りました。
状態異常は、エクストラスキル【状態異常無効】によって無効化された様で、戦闘には影響が無い様でした。
「シィッッ!重刀斬。」
ワタシは、地面を蹴って間合いを詰めると、闘気を纏わせた重い斬撃を放ちました。
「ほう?その歳で【竜王覇気】を直で受けて気絶一つしないとは……面白い娘だ。」
グレイアさんは、そう言いながらワタシの攻撃を右手だけで持った片手剣の腹で防御しました。
「軽いな。ほれ。」
そう言うと、グレイアさんはワタシの攻撃を防御した状態のまま右腕を振り抜き、ワタシを後方に吹き飛ばしました。
「ッ!」
ワタシは、瞬時に体勢を立て直し、着地しました。
「スゥゥゥ……紫電一閃。」
ワタシは、着地すると同時に初撃速度重視の技を放ちました。
紫の雷の様な闘気を纏ったワタシの身体と〈ダン〉は、一歩でグレイアさんの目の前までに移動しており、その時点で〈ダン〉の刀身は、グレイアさん目掛けて右袈裟斬りの形で振り抜かれていました。
「効かんな。」
しかし、グレイアさんは片手剣の刃の部分で紫電一閃を防ぎました。
そして、またワタシを後方に吹き飛ばしました。
「次は妾から行くぞ。風削。」
グレイアさんがそう言って片手剣を両手で持ち、真っ向斬りをすると、無数の斬撃がワタシ目掛けて、まるで一直線状に横にした竜巻の様に飛んで来ました。
「雷鳴斬。」
ワタシは、一度〈ダン〉を鞘に納刀すると、そう言って技を放ちました。
凄まじい速さで抜刀された〈ダン〉の刀身は、グレイアさんの剣とぶつかり合いました。
互いの闘気がぶつかり合い、バチバチという音と光が生じていました。
そして、数秒間ぶつかり合うと、対消滅して闘気が霧散しました。
「さあ、次の一撃を行くぞ?」
グレイアさんは、そう言ってまた構えました。
その後数時間打ち合ったのち、ワタシとグレイアさんは、シャワーを浴びに浴場に向かいました。
「やはりここの風呂は心地良いな。」
グレイアさんは、浴槽に浸かりながらそう言いました。
ワタシは、その横で同じく浸かっています。
ただ、さっきから視界にグラマラスな身体がチラチラと入ってくるので目のやり場に困りますね。
「そうだ、其方がもう少し強くなったらまた鍛錬をしてやろう。」
グレイアさんは、思い付いた、とでも言わんばかりの顔をしてそう言いました。
「もう少し強くなったら、ですか?」
ワタシはそう聞きました。
「そうだ。今はまだ【肉体】も幼いであろう。成長し、妾と同じ背丈になり十全に戦える様になったらまた打ち合おうとしようぞ。妾は、傲慢だからな、強くなるのを待っていてやる。今と同じく鍛錬を怠るで無いぞ?」
グレイアさんはそう言ってニコッと笑いました。
「はい。」
ワタシは、そう言って頷きました。




