第99話 迷宮攻略ですのぉぉぉぉぉ!2
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ワタシ達が迷宮に入ると、そこは一見するとただの洞窟のように見えました。
しかし、所々に青く淡く光る石……【輝く石】や緑色に淡く光る苔……【光苔】が存在することで、そうでないというのが分かります。
どちらも迷宮からでしか産出しないものだそうです。
まあ、産出しないというだけで、【光苔】は増殖したりしますが……。
それから数分後、特に何事も無くワタシ達は、迷宮の第一層を進んでいました。
「……皆、そこの角の向こうに粘魔が3体だそうです。」
リリィちゃんは、手元に薄緑色の光の玉を呼び寄せるとそう言いました。
精霊に索敵してもらった様ですね。
薄緑色の光の玉の正体に関しては、風精霊の【風麗】だそうです。
精霊使いの権能の一つである、精霊契約によって契約した子だそうな。
他の属性の子もいるとか。
「ならば、某は2体相手させてもらうでござる。」
リリアナさんは、腰に差した直刀の頭を上から押して鯉口を下げながら、凛とした声でそう言いました。
「んじゃぁ、オイラは1体もらうぜい。」
サイモンさんは、右肩を回しながらそう言いました。
「来たようだね。」
アーサーがそう言うと同時に、粘魔が角から現れてこちらを認識しました。
ワタシ達は、2人が戦うそうなので、後ろに少し下がりました。
「武装火気纏化。〈気炎抜刀〉炎纏居合斬。」
リリアナさんは、そう言うのと同時に直刀に炎熱属性の闘気を纏わせると、目近にいた粘魔の魔石目掛けて左逆袈裟斬りを放ちました。
直刀が粘魔に触れると同時に粘魔の粘体部分はジュッという音とともに蒸発し、そのまま魔石を真っ二つにされ形を崩しました。
「十字引っ掻き。」
リリアナさんが一閃を放つと同時に地を駆けていたサイモンさんは、そう言うと同時に目近にいた粘魔に両手の鉤爪で十字に引っ掻きました。
雷鳴属性を帯びた魔銀で製作された鉤爪によって引っ掻けられた粘魔は粘体部分が電離したようで、気泡を生じながら魔石を斬り裂かれ、こちらも形を崩しました。
サイモンさんが鉤爪を振り切ると、残った1体はプルプルと震えたと思ったら、その身から粘性のある液体を一番近くにいたサイモンさん目掛け放ちました。
「おっと。」
サイモンさんは、そう言いながら飛んできた液体を左にステップして回避しました。
サイモンさんが回避した液体は、迷宮の一部である地面に接触するとジュッという音とともに白い煙を生じさせました。
どうやら、粘魔の種族スキル【体液性質操作】で酸性化した粘体を飛ばした様ですね。
ちなみにですが、迷宮の壁や天井、地面は一部を除き復元能力があるので先程の粘魔の飛ばした液体によって溶けた部分は修復されています。
「一閃。」
そんなことを考えていると、リリアナさんが直刀を振り抜いた体勢から直刀を逆向きにし、最後の粘魔との間合いを詰めると袈裟斬りを放ちました。
最後の粘魔は、そのまま抵抗もできずに魔石を斬られ形を崩しました。
「……周囲に他の敵の気配は無いみたい。」
リリィちゃんは、先程と同じく風精霊の【風麗】に周囲の索敵をしてもらった様で、手元に【風麗】を呼び寄せるとそう言いました。
それに合わせて一応周囲の警戒をしていたワタシ達と残心していた2人は警戒を解きました。
「ドロップ品の確認と回収ですわ~!」
アナスタシアさんがそう言うと、ワタシ達は粘魔3体のドロップ品の確認と回収を開始しました。
「ふむ。ドロップ品は、瓶に入った【粘魔の溶液】が2つ、【粘魔の魔石】が3つでしたね。」
ワタシは、【慧眼】を使い集めたドロップ品を解析した後、そう言いました。
【粘魔の溶液】は、一応希少とされるモノで、【魔草】を溶かす際に使用される液体です。
これ自体は、迷宮外の粘魔で得られるのですが、迷宮内のドロップ品になると硝子瓶に入っているので入手が楽なそうですね。
まあ、液体を容器に入れるのと最初から容器に入っている方が楽な気は分かりますが……。
【粘魔の魔石】は、名称の通りなので説明は省きます。
一応、この5つは複製していません。
流石に、他人の討伐した素材を勝手に複製するのは気が引けたというか何というか……。
「分配はどうしましょうか。」
ワタシは討伐した2人を見ながらそう言いました。
「オイラは魔石だけで十分だぜい。」
サイモンさんは、そう言うと魔石を1つ取りました。
取った魔石をサイモンさんが腕輪の近くに近づけると、腕輪の手の平側から少し離れた位置に20センチ四方の半透明の板が現れ、その板に魔石を押し当てると魔石はスッと薄くなり消えました。
これは、腕輪の収納機能ですね。
ワタシも一度使用しましたが、上位互換となるスキルがあるのでそれ以降使用していません。
「他は、某がいただいて良いのでござろうか?」
リリアナさんは、魔石を収納したサイモンさんにそう問いかけました。
「おうよ。」
サイモンさんは、頷きながらリリアナさんにそう返しました。
「……忝いでござる。」
リリアナさんは、そう言うとサイモンさんと同様にドロップ品を腕輪に収納しました。
よいお年を!




