1日目-08 指導
そして、長い休みが終わり、現実がやって来る。
別に何ら抵抗はない。嫌でないと言えばうそになるが、
自分で出したツケは、自分で返さないといけない。
「やっと来たな…随分探したぞ」
「…」
第一声。素敵な歓迎だ。
男「とっととこい」
随分ていねいな接待だ。
リアン「…」
そのまま、連れていかれる。
横をちらっと向く。
横の少女は、何事もないかのように、表情一つ変えていなかった。
…。
{度胸据わってるのか…それとも…}
まぁ、仕方がない。
ここまできたら、行くところまで行こう。
体育教官「…えー」
リアン「びー」
ローザ「しー」
リアン「でぃーいーえふじー!」
体育教官「ふざけてるんじゃねえ!」
がたん!机を教官が叩く。
リアン「おうよ!」
がたん!こっちも負けていられない。
教官「きさま…教官をおちょくっとんのか!?」
リアン「ソンナコート、ナイデース」
ローザ「なんで外人風やねん」
リアン「ワターシ、ニホンゴ、ワカリ~マセン」
教官「……。(ぷるぷる)
いいか…さっきまで何をしていた…?」
リアン「息」
ローザ「もうえーっちゅーねーん」
教官「…がー!!
もういい加減にしろやこのくそ餓鬼ども!!
おまえらは何歳だ!?
この年になって決まり一つ守れんのか!?」
リアン「守れないんだあああああああ!!(号泣)」
教官「…」
ぱこーん!
頭を一発こづかれた。しかしこの程度で負けてはいけない。
リアン「んげ」
教官「てめえどこのクラスの何組だ!?」
リアン「赤組です!」
教官「赤組ってなんだ!」
リアン「アホ組とバカ組を足して2で割ると赤組です!」
ぱこーん!
教官「… ま じ め に 話 を し ろ」
リアン「ぼくは…いつ如何なる時も真面目です!!」
教官「………」
ぱしこーん!
リアン「んげげげ」
ローザ{…度胸あるなあ…でもちょっとやりすぎの気がしなくも…}
教官「…。
もういい、行け!」
だいぶ怒られた。
体力測定は、また別の日に特別に行うらしい。
―そして、二人が教室に戻った後―
教官「…なんだあれは…。親に連絡をするか」
教官は、そう言って調書をめくり始める。が、その手が止まる。
教官「…ん?
…これは…。
さすが、A組だな…」