1日目-02 自己紹介①
※ 注意
今回はキャラの設定がひたすら垂れ流されるだけの回です
そんな中、自己紹介が始まった。
1番から順に、前に出て簡単に自己紹介をしていく、らしい。
つまり、わたしは、最後から二人目だ。
正直みんな疲れて、どうでもよくなってくる頃合だ。
ラッキー。
担任「まずは担任である私が自己紹介をします。私はジェームズ・ブラウン。皆さんの担任です。よろしくお願いします」
担任であると2回も言って、その担任の自己紹介は終わった。
何も伝わらなかった。少し心配になる。
ブラウン「それでは、お願いします」
どんな人が現れるのだろう。
わたしは、どんな風に自己紹介をしようか。
そんなことで頭がいっぱいになった。
そんな中、さっそく、出席番号1番の男が前へと進んでいった。
男「アーク=クラウザです。この軍隊に入れた事を心より誇りに思っています!まだまだ未熟者ですが、皆さんよろしくお願いします!!」
…。
空気が凍った。
{す…すごい…}
見事。見事な自己紹介である。
こんな見事な自己紹介には、めったにお目にかかれないだろう。
ちょっと、緊張してきた。
多分、みんなも同じように思ってるんだろうな…
そう思っている間に、アークという男は席につき、次の男が前にやってきた。
今度の男は、体の小さめな男だった。
少年「アルフっていいます。趣味はサッカー。皆さんの中にサッカーが好きな人はいますか?もしいたらぜひ一緒にプレイしようぜ!それでは」
確かに、見るからにスポーツ少年といった所か。
私は、サッカーはやらんので、見ているだけになるのだろうな。
うーむ。
ちょっとカッコイイかもしれない、男の子だった。
そうこう思っている間に、3人目。
男「アレク=ウオールです。みんな、スポーツをする時にはぜひ気軽に声を変えてくれ!」
どこかの体操のお兄さんのようにすがすがしい声で、彼は言った。
{あー、それじゃサッカーしといてちょ}
よかったじゃないか、前にスポーツ少年がいて。
彼らもそれを感じたらしく、その二人の男は、握手を交し合っていた。
{さわやかですねえ。体育会系のクラブみたい}
おっと、次の人は、女の人だ。
女「イセリア=ヴェルマルクと申します。皆さんどうぞよろしくお願いします」
今回は名前以外は何も言っていない。
でも、十分な自己紹介だった。
だってこの人…
「おお…」
歓声が上がるほどの、美人。
優雅。
おしとやか。
…悪いが、軍隊という場所には、似合わなかった。
{す、すごい…後光が差してる…}
女神のようなたたずまいの、そんな、女性だった。
そして次の男が前に立つ。
さっきの女神様を見た後なのもあるが、この男は、あまりにもみすぼらしかった。
メガネ。
白のシャツがまるで白衣に見えた。
{どっかの怪しい研究家みたい…}
実験とかをしてそうな人である。
白衣の男「えー、わたしはー、ウエーバーとですねー、申しましてですねー、すごい爆弾をつくるのがですねー、ゆめですねー、えー、よろしくお願いしますねー、えー」
まるで小学校の文節分けのときのような喋り方をしやがる男だった。
{いきなり爆弾作るのが夢とか…普通言うか!?}
うーむ。
申し訳ないが、あまり関わり合いになりたくない男だ。
続いて、今度はちょっぴりメタボな男が前に立った。
太った男「私はエドと言います、皆さんよろしくお願いします。私は戦隊ものにこっていましてね、好きなものとしてはメガレンジャー・ギガレンジャー・テラレンジャーの3部作が好きです」
…。
{はぁ}
エド「メガレンジャーには赤、青、黄、橙、ピンクの5人がいるんですが、その中でも私が好きなのは青でしてね、なんでも彼は中国史にある、青君主をモデルにして作られたらしいのであってですね…」
…。
{まぁ、どうでもいいかな}
そんなこと言ったら失礼だけどさ。
エド「あ、すみません。ちょっと好きなものに関しては止まらなくなりまして。
まぁ、よろしくお願いします」
ちょっと長い、自己紹介でした。まる。
続いて…なぜか胴着をかぶった男が出てきた。
男「押忍!名前はカール、少林寺拳法を志しております!押忍!」
そういうと、そいつは気をため始めた。
カール「はああああああああああああ…」
{な、何か撃ってくる気!?}
波動拳あたり撃ってきそうな勢いで気合をため、
その男は拳を机にめがけて振り下ろした。
カール「ちぇすとおおおおおおおお!!」
その一撃で、机にヒビが入り、机は粉々に砕け落ちた。
ぽかーん…
またも会場は静まり返った。
す、すごい、確かにすごい。だが…
{机こわしてどーするの!?}
ブラウン「つ、机が…」
カール「押忍!替えをとって参ります!」
そいつはすぐに出て行って、すぐに机を片手でもって帰ってきた。
{片手だし!!}
どこから取ってきたのだろう…
「こ、こら、かえせー!」
隣のクラスから声が聞こえてきた。
ブラウン「はあ…」
ブラウン先生は、深い深い溜息をついた。
なんちゅうクラスだ…
私も深い深いため息をつかざるをえなかった。
しかし、このクラスは、この程度では終わらなかったのだ。
続いて、またも男。
男「カズだ、よろしく」
そいつはそれだけ言って去って行った。
なんとも無愛想な印象を受ける。
でも、何かまだ普通な感じだ。よかった…何故かほっとした。
おっと、次はキャミーではないか。
2列めの一番前の彼女が、前に立った。
キャミー「えーっと、キャミーっていいます。本を読むのが好きです。皆さんよろしくお願いします」
おおっ、普通ではないか。
そうそう、もう変なやつなんてそうはいないさ…きっと…
男「ええっと、クラットと言う者です。好きなのはパソコンです。分からない事がたくさんありますので、皆さんよろしくお願いします」
好きなのがパソコンか…でもまあ、どこにでもいそうだよね。
普通の人。普通の人。
女の子「え、ええっと…クルルっていいます…よろしくおねがいしまーす」
よしよし。普通の子。普通の子。
女の人「クレア=フローニアと申します。2年間よろしくお願いします」
ちょっと引き締まってしっかりしてそうな、普通の人、普通の人。
女の子「ケイといいます。一つ後ろのおにいちゃんとは双子でーす!」
普通の双子。普通の双子。
…え?
{男と女の双子!?}
確か、二卵性双生児というやつだ。
生まれた時は一緒でも、外見やらなんやらは全然違うという…
男の子「先ほど紹介にあがりましたケイトです。前のケイとは双子の関係です」
{すごい…初めて見た…男と女の双子…}
性格面には問題がないだろう。次。
女の子「サラ=エストロニアです」
それだけかいっ!
まあ、普通だよね。うんうん。
男「シャープ=フロニキュア。僕は特待生です。
正直、とっとと上の学年に上がりたいので、君たちなどに構っている時間はありません」
女「きゃー!!シャープ、かっくいーい!!」
…。
会場中の空気がまた凍りついた。
数名の人間(男)が、ギョロ目で、彼をにらんでいた。
係わり合いになりたくない、とあからさまに視線を他にやる女性陣。
ブラウン「こら!特待生だかなんだか知らんがそんな態度は慎め!」
先生もさすがに怒る。
シャープ「特待生に、そんな事言っていいんですかい?せ、ん、せ、い」
ブラウン「なに?」
シャープ「いいですか、僕は優秀な家系の人間なんです。それにこの学校に多額の寄付もしている。そんな親から、子供が悪い扱いを受けたなんて言葉が出てきたら、
あなたの教師としての地位は、どうなってしまうか、賢明な先生ならさすがにわかりますよね?」
ブラウン「くっ…」
シャープ「あやまってください」
ブラウン「!?」
シャープ「僕を不快にさせた罰として、あやまってください」
ブラウン「…」
{なっ、なんじゃこいつわああああ!!}
これはひどい。
まぁ、自己紹介としてこれ以上の自己紹介もないが、しかし、これはひどい。
女「17番、ジェーン=ウイリアムズです、よろしく」
シャープ「なっ!?」
ジェーン「とっとと座ったらどうなの?」
シャープ「こっ、この女…」
女「まだシャープ様の自己紹介が終わってないわよ!」
ジェーン「いいえ、あなたのことはみんな十分わかったと思うわ。はい、次、どうぞ」
振られた女の子はおどおどしている。
うーん、哀れだ。
ブラウン「どうぞ、チェックさん、私からもお願いします」
シャープ「ちっ…」
シャープ「おっさん、覚えてろよ」
そう言ってその男は私の二つ右に座った。
できる限り近寄らないで欲しかったが、仕方がない。
女の子「チェ…チェックといいます…その…あの…何もないです…それじゃ」
かわいそうに。何も言わずに帰っていってしまいました。
女の子「チャミといいます。みなさん、これからお世話になると思いますが、どうかよろしくお願いしますっ!!」
元気のいい子だ。おかげで空気がすこし和んだ。
すごいなあ。私には出来ない芸当だ。
続いて、やけに筋肉質の男が現れた。
男「私の名はディオン。力が必要になったときはぜひとも私を呼んでくれ!はっはっはっはっは!!」
その筋肉質な男は豪快に笑っていた。
そいつの席の周りは女の子ばっかりだった。うーむ。うれしいのだろうか?
とにかく、すっかり空気は明るくなっていた。
女の子「パールといいます。UFOの研究とかやってます。目撃情報などありましたらぜひ持って来てください…」
UFO調査隊も紛れていました。
うーむ、何故軍隊に入ろうと思ったのだろう?
男「ピースと言います。名前の通り、世界が平和になることを望んでここにやって来ました。よろしくお願いします」
おお、いたって普通の人だ。
えーと、次は…
…。
「ピエールといいまーす(はーと)よろしくおねがいしまーす(はーと)」
見なかったことにしよう。
こっちにウインクしてきたような気がしないでもないが、無視。
さて、次は、例のドキドキ少年だ。
大丈夫かな…
ブラウン「次の人」
…。
…。
あれ?
ブラウン「次の人?」
少年「は、はい…」
少年は膝をがくがく震わせ、今にも倒れそうな勢いで立ち上がった。
そして、ものすごい速さで前へと駆け抜けた。
少年「えー…」
全員の視線が彼に刺さる。
少年「えーと、あの…その…」
…
…
…。
沈黙の時間が流れる。
ブラウン「ど、どうしたのかね?」
がたり。
彼は机に向かって崩れ落ちた。
「きゃっ!」
叫び声があがる。
ブラウン「だ、大丈夫か!」
少年「は…はい…あ、あと、その、えと…」
全員の視線が彼に刺さる…
少年「…」
また崩れ落ちる。
ブラウン「き、君、だ、大丈夫じゃないじゃないか!」
ブラウン先生が少年の肩を押さえる。
少年「す、すびません…」
ブラウン「さあ、君の名前は?」
少年「ぴ…ピッティ…T…クレセバーです…」
ブラウン「そうか分かった。机までいけるか?ん?」
ピッティ「だ、だいじょうぶです…」
その少年はへたりこんだ。
ブラウン「も、もういい、いっしょに行こう、な?」
ピッティ「すびません…」
どこか悪いのか?とか疑いたくなるぐらい挙動不審な少年だった。
ピッティ「……」
今にも死にそうだった。
{勘弁してよお…}
顔はかなり幼くて可愛らしいが…これでは、これからが思いやられた。
ものすごい恥ずかしがりやなのだろう。きっと。
{ま、そのうちなんとかなるよね…}
前には、さっきのムカツク男に歓声を送っていた女が立っていた。
女「フェリアでーす!私もシャープと同じで特待生でーす!こんな嫌な教師の所はとっととおさらばしますのでよろしくー」
その女は、シャープとかなんとかにウインクをしていた。
次の男が即座に立って、前へ行った。
男「プレデット」
それだけ言って帰っていった。
また空気がどんよりムードに…
女の子「ベティ―っていいまーす、みなさ~ん、よろし~くおねがいするのだ~」
おっとりとした声が聞こえてきた。
なーんも考えてなさそうな子だ。
ちょっと和らいだ。よかった…。
付き合いにくいのも多そうだが付き合いやすいのも多そうだ。ほっ…
女の子「メリアといいます!憧れのところに来てわくわくしています!ちなみに好きなのは泳ぐ事です!」
おお、やっと前に戻ってきた。うむ。いい感じ。
女の子「ラムといいます、みなさんよろしくおねがいします」
普通な感じですね。うん。
このまま行けば私の所もこんな感じのほのぼの自己紹介に…