2日目-6 更なるしりとり
リアン「卵焼き」
ローザ「今日からイスカンダル」
リアン「生卵」
ローザ「極道のイスカンダル」
リアン「大和撫子」
ローザ「ここからはじまるイスカンダル」
グラウンドへ向かう途中、リアンとローザのしりとり?を私は延々聞くはめになった。
レモラ{頭がおかしくなりそう…}
ローザ「ところでグラウンドってどこ?」
レモラ「えーと、この階段を下りて右に曲がってイスカンダル…」
レモラ{…はっ!}
ローザ「…ボケ?」
レモラ「そ、そーよ、つっこまんかいっ!」
ローザ「ごめん、つっこみようがない…」
レモラ{…誰のせいでこうなったと…しばいたろか}
リアン「使徒」
ローザ「東京都新宿区2丁目イスカンダル」
リアン「くそ…いつまでやっても終わらんな…」
当たり前だ。
ローザ「今回は引き分けだね…今度は負けないよ。もっとパワーアップして帰ってくるよ」
あのしりとりがどのようにパワーアップするのかは私には皆目見当もつかない。
リアン「楽しみにしてるぞ」
勝手にやっといてくれ。
レモラ「…お」
1時間目に出て行ったプレデットとか言う男と鉢合わせしてしまった。
リアン「よっ」
ローザ「やほー」
プレデット「…」
レモラ{無視されるだろうな}
プレデット「何やってんのお前ら?授業中だろ」
レモラ{…へ?}
リアン「退屈だからひとっ走りしてこようかと」
ローザ「こくこく」
プレデット「…あんたも?」
レモラ「…違うわよ。授業中に将棋してたらばれて外に追い出され、外でも騒いでたらグラウンド走ってこいって言われたの」
プレデット「ふーん」
…ふっ。
レモラ「どうしたの、何がおかしいのよ」
プレデット「いや、お前ら、ガキだなって」
リアン「失礼な」
ローザ「こう見えても16です」
レモラ「あんたは何歳なのよ」
プレデット「いや、実年令の問題じゃねえ。精神年齢の問題だよ」
リアン「もっと失礼だぞ」
ローザ「こう見えても精神年齢は65歳ぐらいですよ」
プレデット「…馬鹿にしていってるんじゃ、ねえよ」
ローザ「誉めてるようには聞こえないよ」
プレデット「そうかよ。ま、どうでもいいわ。じゃな」
ローザ「ちょいまち」
プレデット「どーした?」
ローザ「しりとりやろ」
ローザ「じゃ、私からいくね。イスカンダル」
レモラ{やるのかよっ…}
このクラスの奴ら、みんなどこか変だ。
プレデット「…ルか…」
ローザ{にやにや}
プレデット「ルル」
ローザ「…ルール」
プレデット「ルルル」
ローザ「…ルノアール」
プレデット「ルルルル」
ローザ「…るるるコール」
プレデット「ルルルルル」
…ねえ、私にしりとりの厳密なルールを教えてください、神様。
ローザ「ルルルルルル」
プレデット「ルルルルルルルルルルルル」
ローザ「…!?…えー、ルルルルルルルル」
プレデット「ルルルルルルルルルルル」
ローザ「ルルルルルルルルルルルルルル」
リアン「西暦2×××年、進化した人類は、新たな言語を獲得していた。
ルのみですべての情報を表すことができるようになり、
人はル以外のものを必要としなくなった。
こうして、ルが全てを司る世界が誕生したのである」
レモラ「こいつらは人じゃない」
ローザ「ルルルルルルルルルルルルルルルルル」
プレデット「ルルルルルルルルルルルルル」
リアン「ルールールルルルルールル、ルールールルルルルー」(♪北の国から)
リアン「父さん、元気にしていますか、私はまだなんとか元気です」
ローザ&プレデット「うるさいっ!」
リアン「すいません」
そして…
ローザ「ル×48」
プレデット「はいぶーっ。ル×48は俺が3回前に言いました」
ローザ「え…」
プレデット「おんなじ言葉を2回言っちゃダメ。俺の勝ち」
ローザ「…まけた…」
プレデット「甘い甘いあますぎる。首洗って出直して来い」
ローザ「うぁぁ…」
プレデットは背を向けた。
…悪いが、勝負が勝負なだけに、ちっともかっこよくない。
ローザ「つ、次は負けないっ!」
プレデット「いつでも勝負してやっ!…るぜっ」
レモラ「…舌かんだな」
リアン「みっともないな」
プレデット「おとといきやがれー!」
そう言って走り去っていってしまった。
レモラ「傍から見れば向こうが敗者ね」
ローザ「くぅっ…はじめてまけた…」
ローザは、表情こそ何の変化もなかったが、かなりショックだったらしい。
リアン「人は負けて強くなる」
ローザ「わたし、絶対あいつを打ち負かす…」
レモラ{あほらし…}
きーんこーんかーんこーん。
そこでチャイムが鳴った。




