1日目-20 女子会
…。
レモラ「さて」
ローザ「さてさて」
レモラ「どうする?」
ローザ「どうするどうする?」
レモラ「なんか言ってよ」
ローザ「なんか言ってよなんか言ってよ」
…。
レモラ「散歩にでも行くか…あんたはどーするの?」
ローザ「じゃー、いこっか」
螺旋階段を下る。
その下にある踊り場で、喧騒が広がっていた。
チャミ「じゃあクルルはお茶入れるのがうまいんだー」
クルル「うまいなんてことはないです。まだまだへたくそです」
クレア「憧れちゃうなあ、そういうの」
女の子4人が話し合っていた。
キャミー「あっ、レモラ!」
そのなかの一人、キャミーが私を見つけて声をかけてきた。
チャミ「きゃほー」
レモラ「きゃほ…」
キャミー「どうしたの、元気ないわね」
レモラ「色々と」
チャミ「おっ、ローザもいるじゃん。きゃほー」
ローザ「きゃほきゃほ」
ローザはチャミとベタベタしている。
まだ出会って最初の日なのに、ヘンなやつだ。
でも、まぁこいつのおかげである意味すっかり仲良くなれた気もせんでもないが。
私達も近くの椅子に座って、だべり始めた。
チャミ「クルルは茶道をやってて、クレアはバレーボールの県大会純優勝者なんだって」
レモラ「ほぉー。で、チャミは何かやってるの?」
チャミ「私はバトミントン。中学生の頃からやってるんだ」
レモラ「バトミントンかあ…みんなそれなりに、色々やってるんだねえ…」
クレア「レモラは?」
レモラ「あ、わたしは…」
ローザ「旅芸人」
レモラ「んなわけあるか!わたしは何もやってないの、ははは…」
ローザ「とかいいながら、裏の顔は売れない旅芸人」
レモラ「いらん形容詞までつけんでいい!」
クレア「でも、つっこみうまいわよね」
レモラ「ま、まぁ、ね」
キャミー「つっこみのレモラって呼ばれてたぐらいだからね」
ローザ「それはないわー」
レモラ「そんな顔しなくたっていいじゃない(泣)」
キャミー「あ、ははは!それよりどうしてここに来たの、レモラ?」
レモラ「追い出されたのよ。というより…」
ローザ「みんな、もう寝ちゃった」
チャミ「はやっ」
レモラ「リアンとかいうのはどー言うつもりか知らんが、ピッティの方は、本気で毎日10時に寝てる様な気がする…」
クレア「きっと、厳しいお母さんだったのね」
しみじみ…。
ローザ「がみがみがみがみー」
チャミ「自己紹介のときも。あんなにあがらなくてもいいのにねー」
レモラ「そうそう。こっちがひやひやするわ」
チャミ「自己紹介といえば、シャープとフェリアだったっけ?」
レモラ「あー、いた。きしょい奴」
クレア「私は委員長だからきつい態度はとれないんだけど、あーいうのはちょっと勘弁してほしいなあ…」
キャミー「そうそう、先生困ってたよね」
レモラ「とっとと退学にしちゃえばいいのにね」
チャミ「でもあの人たち、どっかの有名なお金持ちのおぼっちゃまとお嬢様みたいよ」
レモラ「うっわー、典型的!ひどすぎるでしょいくらなんでも!やだやだー!きもっ!」
チャミ「恵まれた家庭で育つ子どもは、ああなる…か。悲しい話よね…」
ローザ「うむうむ」
…。
チャミ「そういや、ローザちゃん?」
ローザ「どうした?」
チャミ「射撃うまいよね。どっかで練習でもしてたの?」
ローザ「たまたま」
クレア「射撃って、何の話?」
チャミ「ついさっき射撃場に言ったらリアン君とローザがいてさ。ローザが5cmの、すっごくちっちゃな的を見事に射抜いちゃったの!」
キャミー「へー!そうなんだー!すごいじゃん!」
ローザ「なははははは。すごいだろう、すごいだろう」
クレア「そういや、今日も、すこんぶあのピエールとか言うのに投げてた時、すごい正確に顔の横を掠めていったね。あれ、もしかして狙ってたの?」
ローザ「狙ってた」
ローザ「だけど、耳にぶつけるつもりだった。はずしちゃった」
レモラ「ぜひとも明日ぶつけてやって」
ローザ「マジですか?」
レモラ「あの変態を二度と私の側へ近寄れないようにしてやって!」
ローザ「レモラ様の頼みとあらば…喜んで」
キャミー「一応同級生なんだし、そんなことしちゃ駄目だよ」
レモラ「あの男に一日付きまとわれてみたら、あんたの考え方もきっと変わるわ」
ローザ「それは考えただけで冷や汗が出ますね」
チャミ「おっと、もうこんな時間だね。もうそろそろ寝るとしますか」
レモラ「そうね。それじゃおやすみなさーい」
チャミ「おやすみー」
クレア「おやすみー」
クルル「おやすみなさーい」
ローザ「おみゃー」
キャミー「おやすみー」
レモラ「あんた一人だけなんか違ってたような」
ローザ「気にしない気にしない」
部屋に帰ったら、そろそろ眠くなってきていたので、何不自由なく眠りにつけた。




