1日目-16 暇つぶし
道の脇に、自動販売機があった。
休憩所、とでもいったところか。
数人がジュースを買って、椅子に座って、喋りあったりしていた。
俺もポケットから財布を取り出して、ジュースを買ってみた。
ローザ「…アセロラドリンク…」
リアン「ん、いたのか。ちなみにこれはアセロラドリンクだ」
ローザ「…いや、それは今言ったんだけど」
キャップを開ける。
リアン「ぷはー、まずい、もう一杯!」
ローザ「まだ飲んでないよね」
リアン「飲まなくても味ぐらいわかる!」
ローザ「闇鍋せっかくつくったのにね」
リアン「大丈夫だ、レッズが責任を持って食べてくれる」
ローザ「食べてる所見てみたかったけどなあ」
リアン「しかたない」
ローザ「ちょっとがっかり」
…。
…。
リアン「何か飲まないのか?」
ローザ「よだれ飲んでる」
リアン「…そうかあ、よだれかあ」
そう言われては、何も言い返せない。
さて、どうしたものか。
リアン「で、何の用?」
ローザ「暇」
リアン「…麻痺」
ローザ「暇暇暇暇暇暇暇」
リアン「麻痺麻痺麻痺麻痺麻痺」
ローザ「なんか、それだけ言われるとやな感じ」
リアン「黙れ。おまえも同じぐらい言ってるだろうが」
ローザ「暇だよー」
リアン「何かゲームでもするか」
ローザ「うん」
リアン「ぎゅうたんゲームでどうだ」
ローザ「二人でやってもつまらないと思うよ」
リアン「…よし、あっちむいてほいだ」
ローザ「おっけー」
リアン「…あんまりおもしろくないと思うが、いいのか?」
ローザ「いやー…。おもしろいよ、きっと」
リアン「じゃんけん…」
ほいっ。
ローザ…チョキ リアン…グーチョキパー
ローザ「…」
リアン「あっちむいて…」(勝ったことにして強引に押す)
…
…
…
ローザ「早くしてよ」
リアン「あっちむいて…あっちむいて…あっちをむい~てよハニー」
ローザ「…意味分からない」
相手の動きの読み合いが数秒間続いた。
ローザ「早くしてよ」
リアン「あっちむいて…あっちむいて…あっちをむい~てよハニー」
ローザ「だから、意味分からないって」
相手の動きの読み合いが数秒間続いた。
ローザ「こんなループいやだよ。早くしてよ」
ほいっ。
ローザ…← リアン…←
…。
ローザ「…うー…」
リアン「勝った」
ローザ「くやしい…」
リアン「いつでも相手になってやるぞ」
…。
…。
リアン「…で?」
ローザ「暇だね」
リアン「ああ」
ローザ「どっかいこうよ」
リアン「そうだな」
リアン「どこ行く?」
ローザ「天国」
リアン「ジ・エンドだ…。
ぱきゅーん」
ローザ「変な効果音」
リアン「往生際が悪いぞ、早く死ね」
ローザ「現世にある天国がいい」
リアン「夢を求めすぎだ。天国は来世にしかない。早く死ね」
ローザ「悲しいよ…」
リアン「死ね。
早く死ね」
ローザ「ひどい……」




