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Last Message  作者: びゅー
1日目
14/60

1日目-13 部屋に案内されて

宿舎のほうへ向かう。

そして俺たちは部屋に案内された。

…。

しかし、その部屋は。

…想像していたものとはかけ離れていた。

まぁ、いかにも学生寮といえばそうなのだが。

その部屋には2段×4の8つのスペースがあって、

そのスペースにそれぞれ、人が中に入って立つと頭をぶつけるぐらい狭いベッドが配置されていた。

カプセルホテルで寝るのと、あまり変わらない気がする。

「…」

全員絶句。

リアン「じゃあ俺はこの辺で帰らせていただきます」

ギロっと案内係がにらみつけてきた。

リアン「…そんなに見られたら…照れちゃいます」

案内員「ではよい夜を」

{…軽く流されたな。もしやこいつ只者ではない?}

レモラ「ちょ…ちょっと…男の人と同じ部屋で寝るんですか?」

案内員「大丈夫です」

レモラ「何が大丈夫なんですか」

案内員「寝室にはカーテンも鍵もついています」

レモラ「…で、でも…」

うーん。自分はともかくこのレッズとか言う男が夜襲い掛からないとも限らないし、確かに女の子にとっては重要な事だと思う。

リアン「カーテンってその気になれば簡単に破れますよね。

鍵なんてその気になれば簡単にピッキングできますよね」

案内員「…」

リアン「なぜ沈黙」

レモラ「不安になるようなこと言わないでよ!」

リアン「何も知らずに開けっぴろげの部屋で寝るより、事実を認識しておいた方がいいだろう」

そうこうこちらで言い合いしていると、係員が口を開く。

案内員「そんなことはありえません」

リアン「可能性の問題じゃないんです」

案内員「軍隊って言うのはそう言うところですよ」

リアン「そういうところ?」

どういうところだよ。

…。しかし返事はなかった。

レモラ「…わかりました…」

案内員「…では、おやすみなさい」

そう言うと案内員は去っていった。

リアン「…冷たい相手だ…」

レモラ「普通の反応よ」

リアン「しかしこんなことで俺は負けるわけには行かない。

おれの右手が、真っ赤に燃えているぜ!」

レモラ「あっそ」

リアン「ノリが悪すぎるぞ」

レモラ「…突っ込めないボケにどうしろと」

リアン「自分を磨くしかない」

レモラ「なんでそんなことのために自分を磨かなきゃならないんだか」

リアン「冷たい、冷たい、冷たい冷たい冷たい冷たい冷たい!

いつから日本は、こんな国になってしまったんだ!!」

レモラ「…日本ってどこよ」

リアン「気にするな、おれの心の中にある故郷だ」

ローザ「早く入ろうよ」

レモラ「…そうね」

リアン「さあ。

素敵な夜を過ごそう」

びしっ。

平手打ちを食らった。

リアン「痛い」

レモラ「そりゃ痛いでしょうね。痛くしたから」

リアン「冗談だ冗談。マジになるひとカコワルイ」

レモラ「冗談にならんわ!セクハラよ」

リアン「せくはら。せくはらですか」

レモラ「ひらがなにすればいいと思ったら大きな間違いよ」

リアン「せくせくはたらく。りゃくしてせくはら。どう?」

ローザ「うーん、せくはた、じゃない?」

リアン「なるほど。

だ、そうだ。

よかったな!」

レモラ「なにが、だ、なのよ

なにがよかったのよ」


レモラ「はあ…ああは言ったもののなんとなく…ねえ?」

ローザ「そう?」

レモラ「え?」

ローザ「わたしは満足だけど?」

かすかに笑ったような気がした。

なんか、マジックとか使って寝てる間に人の顔に落書きをしてそうだ。

レモラ「おい」

ローザ「冗談だよ」

レモラ「冗談にならねえっての…」

ピッティ「それにしてもリアンさんとローザさん…仲良しですね」

レモラ「ほんとにね」

ピッティ「昔からのお知り合いですか?」

リアン「他人も他人、燃えたぎる太陽のように赤い他人だ」

レモラ「微妙な赤さね」

リアン「じゃあ、サンタさんの帽子のように赤い他人だ」

レモラ「そんな、赤さを表現されても困るんだけど」

レッズ「…やれやれ」

ピッティ「…あの…」

ピッティが言いにくそうに話す。

ピッティ「はやく入らないんですか?」

レッズ「…それもそうだな」


中に入る。

入ってから最初にする事は、部屋決めである。

レッズ「じゃ俺こことるぜ」

レッズは入ってすぐの右上を取った。

レモラ「わたしは左上の一番隅も―らい」

わたしは奥の左上。

ローザ「わたしも上で」

ローザは奥の右上。

ピッティ「じゃあぼくは下のここで」

ピッティは入ってすぐの右下。

リアン「じゃあおれはこのドアだな」

…。

レモラ「は」

リアン「このドアはおれのものということで」

ローザ「ドアはみんなのものだよ」

リアン「そうですか」

レモラ「軽く流れたなあ」

リアン「もっとノリのいいハンノウシテヨ!」

ローザ「のりの、いい、はんのう……」

レモラ「しなくていいよ」

リアン「ドアなんかいらない!ノリのいい反応をください!」

レッズ「おまえら元気だねえ。初日なのに」

リアン「ハッハッハッハッハッハッハ!!」

レモラ「なんか笑い出したぞ?」

ローザ「はっはっはっは」

レモラ「おっ?こっちもなんか中途半端に笑ってるぞ?」

リアン「ほら、ユーモね!はっはっはっは!!」

ピッティ「え、ええ?あ、ああ…はっはっはっは…」

レモラ「おおっ?今度はもはや顔が笑ってないぞ?」

レッズ「まったく、騒がしいことになりそうだぜ」

リアン「静かにしろー!!」

しーん。

ローザ「じゃ、一番最初に喋った人が負けね」

ピッティ「え?」

ローザ「スタート」

レモラ{なんか勝手に始まっちゃったぞ?}

リアンは不思議な踊りをおどった

レモラ{…つ、突っ込みたい…}

ぷー。

リアンは屁をこいた!

レモラ{し、しばきたい…}

そそくさと離れる。

てくてく。

レモラ「こっち来るな!」

ローザ「はいレモラ、負けー」

リアン「大丈夫だ、さっきのはプープークッションだ、見ろ」

レモラ「ひきょーよ、そんなの!」


レッズ「で…どこで寝るんだ?」

リアン「じゃあ…リュックの中で」

「はあ…」

全員がため息を漏らした。

レモラ「あんたには普通にどこかの部屋に入るという選択肢はないのかっ!」

リアン「ないね」


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