1日目-11 いたずら
…1時間経過。
さすがに、退屈になった。
大半の人は、寝たふりをしてる。
チャミとクルルは、まだ元気に喋ってた。
…暇だ。
前のピエールは、トイレから帰ってこない。
リアン「あうあうあうあうあー」
ラム「なんなんですかさっきから!」
リアン「もう少しで何か大切なものをつかめる気がするんだ」
ラム「意味わかんないです!触らないでください!」
リアン「おまえには何か大切なものが隠されている。そんな気がするんだ」
ラム「なにも隠れてないです!」
リアン「おれの邪魔をしないでくれ」
ラム「その前にわたしの邪魔をしないでください!!」
リアンとかいうのは、前の女の子にちょっかいをかけては、嫌がられている。
「…」
ふと、横を見てみた。
気弱な少年…確かピッティ…はいまだに下を向いて少し震えながら座っている。
うーむ、あんなことがあった直後だし仕方ないが。
前の人にこちらから話し掛けるのもあれだから、ちょっと話し掛けてみるか?
と思った、そのとき。
後ろの少女が立ち上がって、彼の背中をつついていた。
つんつん。
ピッティ「ひっ!」
ピッティはきょろきょろと辺りを見渡す。
そして、後ろから覗き込んでるローザと目が合う。
ピッティ「な、なんですか?」
ローザ「呼んだだけ」
…。
ピッティ「な、何で呼んだんですか?」
ローザ「なんとなく」
つんつん。
ピッティ「な、なんなんですか?」
ローザ「呼んだだけ」
ピッティ「な、何で呼んだんですか?」
ローザ「なんとなく」
つんつん。
ピッティ「いいたいことあるなら言ってください!」
ローザ「呼んだだけ」
つんつん。
ピッティ「だからなんなんですか?」
ローザ「呼んだだけ」
つんつん。
ピッティ「う…うう…」
なんだか見てて可哀想になってきた。
レモラ「やめい」
ピッティ「へっ?」
ローザ「う…」
レモラ「いじめっ子」
ローザ「うー…呼んでるだけだよ」
レモラ「意味もないのに呼ぶな」
ローザ「はーい…おもしろかったからつい…」
まったく…なんて奴だ。
ピッティ「うわああああああああんごめんなさいすいませんすいません」
…
ピッティが泣きながらローザの机に顔をかぶせた。
レモラ「…へ?」
ローザ「…ほえ?」
ピッティ「僕が原因で喧嘩してるんですよねすいませんすいませんごめんなさいなんて言ったらいいか…」
…。
レモラ「…」
ローザ「…」
レモラ「ほら、あやまれ」
ピッティ「謝ります謝るますいくらでも謝りますから許してください…」
レモラ「あんたに言ったんじゃない!」
ピッティ「そうだったんですか分かりませんでしたすみませんごめんなさい…」
レモラ「…」
ローザ「…」
またしても、こっちに注目が。
まったく、今日はどうなってるんだ?
レモラ「ごめんごめん悪かったから、もう、泣くな!」
ローザ「…ごめんなさい」
二人とも謝って、何とか事なきを得た。
最もピッティ本人がなんで謝られているのか理解していないようだったが。
レモラ「…はあ…」
ローザ「変な人ばっかり…」
レモラ「おまえがいうなー!!」
ローザ「うー」
レモラ「うーじゃない!だいいち全部の原因はあんたでしょうが!」
ローザ「リアンとかは?」
レモラ「…」
それは、確かにその通りだった。




