ココドコデスカネ?
ある日会社の面接を受けていた中村翔は、いきなり異世界に飛ばされた。
能力は『テレパシー』。戦闘系能力じゃないことに愕然とする。
悩んでもしょうがないとパイプ椅子を武器に戦います!
仲間の 喋るドードー、トカゲと一緒に異世界を生き延びます!
俺は中村翔。現在絶賛就職活動中の23歳である。
今日はA社の面接に行く。心臓がバクバクと鳴っている。
そしてついに俺の番が回ってきた。
「御社を希望しました理由は…ッ?」胸に鋭い痛みが一瞬走り、何も見えなくなった。
気がつくとだだっ広い草原にいた。パイプ椅子と一緒に。
ココハドコデスカネ?訳が分からん。
ここでくどくど悩んでても何も始まらないので、パイプ椅子片手にひたすら歩く。
3分ぐらい歩いただろうか。突然得体の知れないものが襲いかかってきた。
反射的にソレを滅多打ちにし、殴りつけ踏みにじる。
地面でピクピクと痙攣しているソレは、緑の肌にツノを持つ異形の怪物だった。
しかし子供ぐらいのサイズ。パイプ椅子で滅多打ちにしたぐらいですぐ死んだ。
何?こいつ…無視してとりあえず歩く。
しばらくすると草原を抜け、森に突入した。
東の方向から音楽が聞こえたので、人がいるかも知れないと思いそちらへ行く。
そこには、大きなテーブルと椅子が置いてあった。
そして椅子には、帽子を被ったドードーと、トカゲがいた。
トカゲはラジカセを持っている。
「ヌ、新入りか?ワシはドードーじゃ。これからよろしく頼むぞ」
ホッホッホとドードーは笑った。
あれ?ドードーって絶滅したんじゃ…
「よお、俺はトカゲ。よろしくな!」トカゲが肩を抱いてきた。
「まあ立ち話もなんじゃからここへ座ったらどうじゃ?」椅子を勧められた。
椅子に座ると、ドードーは話し始めた。
「ここはお主がいた世界とは別世界じゃ。あんたの国で絶滅した動物や
幻想と思われてる動物も普通にいるぞ。」
その時、メキメキバリッと何かが裂ける音がした。
「あのー、この音なんですかね?」「象男が獲物を探す音じゃろ。」
背後から身長約4m、筋骨隆々の身体を持った頭が象な男が現れた。
ドードーとトカゲは…?と思って振り返ると、遥か先を大急ぎで逃げていた。
俺も全力ダッシュで走り、ようやく追いつく。
背後からは象男が迫ってくる。
「そうそう、言い忘れとったがここの名前は【楽園】じゃ」
ここが楽園ならなんで獰猛な象男に襲われてるんですかね。
「お主もこの世界に来たなら能力の1つぐらい持ってるじゃろ。」
すると頭に『テレパシー』という単語が浮かんだ。
「それがお主の能力じゃー!早よ使え!」
これが俺の能力です とドードーにテレパシーを送る。
「なんと!?戦闘系の能力じゃないのか…」明らかにがっかりしてる。
「ちょ、お二人はなんか能力ないんですか!」
その時、象男の巨大な脚が2人を踏み潰した。
ドードーとトカゲは必死の形相で這い出してきた。
普通なら死んでるはず。
「これがっ!わしらの能力じゃ〜!」「俺らは『不死』って能力なんだ」
何それズルイ!チートじゃねえか。
「だが、それ以外の能力ないから戦闘は一切できん」
ふう、やっと象男のが追いかけてこなくなった。
「今更じゃが、ようこそ【楽園】へ」ニヤリと2人が笑った。
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現在 追放された4人が要塞を作って気ままに暮らす も連載中です!
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