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私って悪役令嬢じゃなかったの!?   作者: 花咲千之汰(はなさきちゆた)
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レインと私達が出会って約二年が経った。


あれから私達もそれなりに仲良くなり、近頃ではいつもオドオドしていたレインが原作通りの子犬系男子になってきた。


私は自身の隣でニコニコと笑い合うフェリナとレインを見て、漸く二人も仲良くなってくれたと思いながらリリーの入れてくれた紅茶を啜る。


すると、そっとリリーが私の隣に来たかと思うと本当に小さな声で「あの、フェリナ様とレイン様をお止めしなくても宜しいのですか?」と問い掛けてきた。


というか何を止めるというのか。


私は一度二人を見比べると、不思議そうにこちらに目を向けた二人に「何でもないわ」と言って首を傾げる。


これといって前までみたいにフェリナがレインを睨んだり、レインがそれに怯えたりしてる訳じゃないんだけど……。


けど、リリーが私に嘘を吐くなんてことも絶対に有り得ない。


私はちらりとリリーに目を向けて、こちらに苦笑いを向けてくる彼女にこてりと首を傾ける。


すると、リリーの背後から舞ったのはあるはずの無い沢山のハート。


私はふっと彼女から目を逸らすと、自分は何も見ていないと言い聞かせて目の前にいる二人に声を掛けた。


「ところで、なんで二人は私の部屋に?」


二人が仲良くなった。


つまりは私はもう必要ないのではないか?


私はそう考えながら「え?何言ってるのこの子?」みたいな目を向けてくる二人に内心でショックを受けつつ、彼らの返答を待つ。


すると、一番最初に私の問いかけに答えてくれたのは言わずもがな私のこと大好きなフェリナ。


「そんなのフォリナがいないとつまんないから」


「僕もそれに同感」


ニコニコとはちみつ色の髪を揺らしながら微笑んでフェリナの言葉に同感するレインと、そんなレインの方に目を向けて笑顔を浮かべるフェリナ。


あれ、あれ、もしかしてフェリナとレインってもう既にいい感じ?


なんて私は考えながら邪魔者は退出を、と考えて椅子から立ち上がると近くの本棚から数冊本を引き抜くとリリーに「外に行きましょう」と言って部屋から退散しようとする。


でも、それを慌てて止めてきたフェリナとレイン。


私は二人に「どうしたの?」と問い掛ける。


途端に返ってきたのは「何でいきなり出て行こうとするの!?」というフェリナの言葉と、「僕達何かした?」と言う不安そうなレインの言葉。


私は二人の言葉に首を左右に振ると出来るだけ平然を保って「いや、本が読みたくなったのとお邪魔かなと思って」と言う。


というかなんだ、私は何でこんなに問い詰められないといけないんだ。


私は「行っちゃだめ!」という二人に軽く溜息を吐くと「でもここにいるのも暇でしょ?取り敢えず外に行きましょう」と言って、ニコニコと笑いながら私の手をそれぞれ取ってきた二人に内心で白目を向きながら庭に向かって歩き出した。



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