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ギノに父さんの考えを告げた夜から数日経って、父さんとギノとラルクと私の四人で父さんの書斎で話をしたのがつい先程。
私は父の書斎から出るなり大きな溜息を吐きながら「まあこうなることは分かってたけど俺が妹ちゃんの護衛なぁ……」と呟いたラルクに苦笑を浮かべた。
というのも、つい先程の父を交えた話し合いの中で二人を我が家で雇うということが決定した際に父が二人に対して「君達二人にはそれぞれフォリナとフェリナのどちらかの専属の護衛になって貰いたいんだが、君達はフォリナとフェリナのどちらの護衛にをしたいという希望はあるかい?」と二人に尋ねたのだが瞬時に二人は迷わず私を見ながら「なら彼女で」と言ったのだ。
そして、そこからどうするかという軽く話し合いをしたところでラルクが「あーもうええわ。どうせギノが妹ちゃんの護衛になった所で素っ気なくするのは目に見えとるわ」と折れたのだ。
私は未だに扉の前でガクリと肩を落としながら落ち込むラルクの肩をポンポンと叩くと「大丈夫よ。あの子とラルクならすぐ仲良くなれるわよ」と軽く彼を励ましてやりながらその場から歩き出す。
するとラルクは「ほんまにフォリナちゃんはええ子やなー!」と泣き真似をしながら私に抱き着いてきたではないか。
私はそのまま自身の首に腕を回す彼に苦笑いを浮かべながら正面から抱き着いてくる彼の肩を両手で押しながら、「はいはい、分かったから離れて頂戴」と告げながら自分から離れた彼に「まあこれからも末永くよろしくね」と言いながら微笑む。
同時にラルクは真剣な表情を浮かべたかと思うと「やっぱり俺フォリナちゃんの護衛がええわ。ギノ変わってくれや」とギノに頼み始めた。
しかしギノはそんなラルクのことを無視して私に「早く行こう」と私の手を取りその場から歩き出す。
「えっ、ちょ!放って行くんは流石に酷ないか!?」
「……あいつの事はこれから無視してもいい」
「ちょ、それも酷いからなギノ!!?」
「うるさい」
私は慌てて後ろから私達二人を追い掛けてくるラルクとそれに対して何だかんだ言って優しい目を向けるギノに笑顔を浮かべながら、フェリナのいるであろう部屋へと向かった。




