34
朝起き身支度を整えてすぐに父のいる書斎へ向かった私は昨夜の晩ラルクから聞いた話を父にしたのだが、なんと父の口から出たのは「あぁ、なんとなく知ってるさ。近々その計画を立ててる家をどうにかする手筈だった」という言葉。
私は自身の目の前でニコニコと笑う父に『恐ろしい人……』なんてドン引きながらも目の前で有無を言わせぬ雰囲気を纏った父からの「でも何でフォリナがそのことを知ってるのか聞いてもいいか?」という問い掛けに、私は全てを正直に話した。
「あー、えっと……。ずっと黙ってたんですが私には暗殺者のお友達が二人いてですね……。その子達が今回父様達を殺すのがお仕事なんですがそれはしたくないということで父様にその話を私からして欲しいと言われて……」
「成程な。……それで、その子達は信用出来るに値する人間なのか?」
私はすっと目を細めてこちらを見てくる父に内心でビクビクしながらもその言葉に頷く。
「……はい、何だかんだで昔から助けて貰ってます。フェリナが誘拐されそうになった時もその友人の一人がフェリナを助けてくれましたし」
「ん?それは本当か?」
私はキョトンとした表情を浮かべた父の言葉に頷く。
すると、何やら少し顎に手を添えて何かを考える素振りを見せてきた父さん。
私は「……ふむ」と言いながら何かを考え始めた父を目の前に、首を傾けながら父が口を開くのをただ黙って待つ。
そして、次に父が口を開いた際に言った言葉に私は少なからず目を見開きながら驚いた。
「……よし、こうしよう。近々その二人に会ったりはできるか?今までのうちの可愛い娘二人が世話になっているのは勿論のこと、もしも私達の暗殺を考えていた家の人間を全員処罰したとしたらその子達も働く場がなくなるだろう。ならばうちの護衛として雇えるならば雇いたい」
「えっ、父様はそれでも良いのですか……?」
「あぁ、寧ろ最近は色々と裏で馬鹿なことをしている者達も多くてその対処をと考えてたところもあるからな。丁度いいだろう。それにお前達の警護に宛てる人材が欲しかったところだ」
私はこちらを見ながら優しく微笑んで、自身の頭に手を伸ばしてきた父に大人しく撫でられつつ、父に対して「今夜ギノに会う際にその事を言ってみます」と伝えるなりその場で頭を下げて部屋から退出したのだった。
取り敢えず、父さん怖いと思った私は悪くない。
私は父の部屋の前で一度後ろを振り返って溜息を吐くとそのままいつもの様に書庫へと足を向けて歩き出した。




