32
現在進行形で私はつい先程テペルギュウス家のメイドが用意してくれた紅茶に口を付けながら、私同様に紅茶に口を付けながらフェリナとノアナの様子を見ながら微笑むアイザックにこう声を掛けた。
「……ノアナの体調が良くなって本当によかったわ。でも貴方も貴方で体調が良くなったからと言って一人であの子を軽くでも走らせるなんてことさせないでちょうだい」
途端に困った様に頬を掻いた彼は私に対して「それは悪かったと思ってるさ」と言いながら、紅茶をテーブルに置いて笑う。
私はそんな彼の様子を見て軽く溜息を吐きながら「今後は気を付けてちょうだいね?」というと、彼が頷いたのを見てからゆっくりとその視線を庭で笑い合うフェリナとノアナに向ける。
すると、自身の目の前にいたアイザックがこんな事を言った。
「……それにしてもこうやって見るとあの二人は本当の姉妹みたいだな」
私はチラリとこちらに視線を寄越した彼に微笑みながら頷くと、ふと思った事を口にした。
「ふふっ、そうね。でもそれをいうと私達もきっと周りから見ると仲のいい兄妹なんじゃないかしら?」
「いや、流石に俺達は兄妹というのはないだろう……」
「あら、どうして?」
アイザックは私の質問に対して大きく溜息を吐きながら肩を落とすと、「いいや、さっきの言葉は忘れてくれ……」と言ってそのままフェリナとノアナに目を向ける。
私はそんな彼の様子に首を傾けながら大人しくもう一度紅茶に口を付けると、何やらこちらに目を向けてニヤニヤ笑い始めた自身の実の妹と妹的存在のノアナに対して首を傾げる。
そうすれば二人はとてつもない満面の笑みでブンブンと首を横に振るとそのまま二人揃ってこちらへやって来ると、私の手を取って「あっち行こうフォリナ!」やら「兄さんは放っておいてあっちで花輪の作り方を教えて下さい!」と言ってくるではないか。
私は落ち込んだ様子で「……行ってくるといい」と呟いたアイザックに対して『本当にいいのか……?』と思いながらもフェリナとノアナに手を引かれながらアイザックから少し離れた花畑に座り込むと、二人にせがまれるままに花輪を作り始めたのだった。




