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なんだかんだでゲームのヒロインことフェリナは当たり前として、レインやアイザックやノアナやカイン。
更にはギノやその友人であるラルクと言った私のよく知るゲーム内の攻略キャラ達と知り合って三年の月日が経った。
そんな中で、私が考えてしまうのは彼らが私がゲーム内で知っている彼らと全く異なる境遇を突き進んでしまってゲーム内の彼らと異なる性格になりつつあるというか、なってしまっているということ。
例えば、レインだったらフェリナに片想いをしている子犬系男子になる筈がまさかの恋愛はともかくとして子犬属性によくある懐く対象が私へ。
アイザックもアイザックで、そもそもが学園に入学してから両親の知人のパーティーで一目見て一目惚れした相手であるフェリナと再会する筈がもう既に我が家とは家族ぐるみの仲になり、フェリナを虐めるフォリナとさり気なくフェリナに色々な罪を被せようとするノアナを跳ね除ける一途真面目系が私とノアナがその気を見せないが故にかまさかのただのみんなのお兄さんポジションへ。
カインもゲーム内で語られる王子が故に城から出られず友人も出来ず周りから遠巻きに見られる生活を送った事によって、性格がひねくれてしまう筈だったのに私達と友人になった事によって王子の皮を被ったドライな性格になる筈がまさかの普通の王子様系キャラへ。
ギノはまあほぼゲーム内の性格とは変わらないものの割とゲーム内の彼よりも感情表現が豊かになっているのに加えて丸くなったような気がする。
で、ここからが私にとっての一番の問題なのだがゲームヒロインであり彼らと恋愛をする筈のフェリナが彼らと恋愛する気が全くと言っていいほどにないのだ。
なんなら前に「フェリナは好きな人はいないの?」と聞いたら「え、私の好きな人はずっとフォリナだけだよ!」なんてことを言われてしまって思わず笑顔のまま固まってしまったのはまだ記憶に新しい。
確かに可愛い妹にそんなこと言われるのは嬉しいがそこまでシスコンになってしまうとは思っていなかったです。
もう後はまだ出会っていない攻略キャラにバトンを投げるしかないのか。
ぶっちゃけ、もう既に自分の知るゲームとはフェリナ達の性格は勿論のこと私自身の性格も境遇も変わった事によってゲーム内の原作はルートを外れている。
だから、フェリナが結婚したくないならしたくないでそれでいいのだが一応はフェリナが幸せになって欲しい私としては誰でもいいからあの子と結婚して幸せにしてあげて欲しいのだ。
でもまあ、当初の予定通りに自分が家督を継いでこれからもフェリナと仲良く幸せに彼らとも仲良くしながら生きる手もあるのか。
そこで一度考えることをやめた私はふうっと溜息を吐いたところでふと顔を上げて、自身の前でクッキーを食べる私の知るゲームないに出てこない仲のいい青年へと声をかけた。
「……で、どう思いますか。ラルク?」
「へ?ごめん、フォリナちゃん。 何のことかさっぱりやわ」
「ですよね」
私は目の前で小首を傾げながら笑うラルクに苦笑を向けると、一度頬に手を当てて小さく溜息を吐く。
すると、机に頬杖を付きながらクッキーを齧りながら彼はこう言った。
「なんやろな、まあフェリナちゃんが何を考えとるんか俺には分からんけどもあんまり思い詰めんと気楽に生きた方がええで~。色々考えすぎたらお腹痛くなって喉に通るもんが通らんくなってまうやろ?」
「貴方のその気楽さが時々羨ましい限りね……」
「まっ、そうは言われても俺だって気楽なだけで生きてないんやけどな……」
ポソリと私の一言に対して悲しげな顔をしてそう返してきた目の前の彼。
私はそんな今までに見たことのない彼の表情に内心で少し驚きながら、そのまま悲しい顔を一転して明るい表情で「って、なんてな!んじゃあもうそろそろ俺はお暇しよっかな」と言ってその場から立ち上がって窓へ向かう彼と、そんな彼の後を追うようにその場から立ち上がる私。
そして、私とラルクがギノと彼にとっての我が家への玄関である窓の前に来たところでラルクはこちらを振り返りながらこんな事を言ってきた。
「まっ、今度はフォリナちゃんに会いたいって言って仕事をぱぱっと終わらしてってるギノの事も連れて来たるわな!」
「あら、冗談でも嬉しいわね。なら今度までに美味しいお菓子とお茶を用意しておくわ」
「おっ、ほんまか?なら俺はチョコケーキが食べたいわ!!」
「ふふっ、任せなさい。とびきり美味しいものを用意しておくわ」
「期待してるわ!」
「えぇ、それじゃあまたね」
「んじゃまた!」
ラルクはそういうなりそのまま勢いよく窓から飛び出すと、綺麗に私の部屋の下に着地すると一度こちらを見上げて手を振ったかと思うとその場から走り去って行った。




