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フェリナとケーキを取るだけとって先程までいた場所に戻ると、そこでは何やら楽しげに手に写真を持って話すアイザックとレインがいた。
私は隣にいたフェリナと顔を見合わせると、そのまま仲睦まじく話す二人に声を掛けた。
「レイン、ケーキ取ってきたわよ」
すると、ぱっとこちらを見たレインは嬉しそうに礼を口にしながら笑うと、私からケーキの乗ったお皿を受け取るなり私に先程まで彼が手に持っていた写真をこちらへ差し出してきた。
「あのね、その女の子ってアイザックの妹なんだって!」
ふとそれを聞いて写真に目を向ければそこにはアイザックとよく似た可愛らしい顔をした少女がベッドの上でこちらを向いて笑っているではないか。
私は純粋にそのままアイザックに思ったことを告げた。
「とても可愛らしい妹さんね」
だが、一つ気になることがあった為に私は目の前の彼にこう尋ねていた。
「でも何故ここにはいらっしゃらないのかしら?」
途端にそれに対して少し苦い顔をしたアイザック。
彼はぽりぽりと頬を掻きながらとある事を口にした。
「うちの妹は昔から体が弱くて家から出られないんだ」
それと同時に彼は私達の目を見てきたと思うと、とあるお願いをしてきた。
「それでなんだが、よければでいい。うちの屋敷へ来て妹と友人になってくれないか……?」
「友人、ですか?」
アイザックは私の言葉に頷いて彼女に関してのことを少し教えてくれた。
何やら彼の妹である彼女は大変身体が弱いらしく、常にベッドの上で生活しているとのこと。
で、本当は今日のパーティーに出席したかったものの両親に止められてそのまま今も屋敷のベッドで寝ている。
アイザックはそれがとてつもなく可哀想に思えて彼女と仲良くできそうな人物達を探していたところ、それに私達が最適だということで彼女と彼女にとっての人生初の友人になって欲しいとのことだ。
妹思いなことはいいことなのでこれに関しては私は受けるつもりだ。
だが、この写真の少女を私はどこかで見たことがあるような気がしてままならない。
私はもう一度写真に目を向けて、彼女をどこで見たのかと頭を捻る。
その間に私の隣から写真を覗き込んだフェリナがアイザックに彼女の名を尋ねた。
「この子の名前は?」
そして、彼の口から出た妹ちゃんの名前に私は思わず反応してしまった。
「ノアナだ。ノアナ・テペルギュウス」
あっ、これあれだ。
アイザックルートにのみ出てくる主人公のライバル的な存在だった子だ。
兄であるアイザックが大好きで自分以外の人間がアイザックに近づいた瞬間に即その人を排除って思考持ってて、物凄く悪賢い頭を持った女の子だ。
しかも私同様に最後は幸せになった主人公とアイザックの目の前で自殺するエンドである。
でもまあ、彼女がアイザックに固執した理由は分からなくもない。
家族には大切にされてるが両親やメイドや執事から腫れ物を扱うかのような態度を取られ、その中で唯一兄であるアイザックのみがそういうものなしに愛情を与えてくれたのだから。
そりゃまあ兄に依存しちゃうわ。
私は現段階のノアナちゃんもゲーム内で見たあのノアナちゃんのように兄に依存しちゃってるのか内心でビクビクしながらも、もしもアイザックとフェリナが結ばれた際に彼女がフェリナの邪魔もせず寧ろ彼女も死なずに幸せになれるエンドがあるならそれを目指そうと考える。
私は隣にいたフェリナとレインの『フォリナは行くの?』という目に頷く。
「フォリナが行くなら私も行く!」
「仲良くなれたらいいな~」
るんるんと言わんばかりの顔をするフェリナとレイン。
私は目の前で「ありがとう」と微笑んだアイザックに「いいわよ」といい、いつ彼の住む屋敷に行けばいいかという話をしてパーティーが終わるまで四人で他愛もない話をし続けた。




