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さあ、あの日から暫く経ってなんやかんやでパーティーに連れて来られてしまった私だが一先ず今のところはフェリナもレインも人の多い場所で私と一緒にいるから攫われはしないだろう。
けれどいつどのタイミングでゲーム内でフェリナを誘拐した誘拐犯達が現れるか分からないので全く気は抜いてはいけない。
私はきょろきょろと私達の周りに怪しい人物がいないかを一通り見渡す。
しかし、一切怪しい人物はおらず私はテーブルの上にあったケーキを皿にとってそれをフォークで突き刺して口へと運ぶ。
すると、そんな私を見るなりニッコリと笑いながら口を開けて「あーん」なんて言ってくるフェリナ。
私はそれにクスリと笑うとその小さな口にケーキを運び込むと嬉しそうに口を動かしながら「おいひい!」なんていう彼女に優しい目を向け、反対側でこちらを羨ましそうに見てくるレインにもケーキを分けてやる。
「はい、レイン。あーん」
「えっ、いいの?」
「別にいいわよ」
「ありがとう!」
途端に嬉しげに目を細めてパクリと可愛らしい動作でケーキを口の中に収めたレイン。
彼は両手で頬を包みながら「んー!」なんていいながらフェリナ同様に目を輝かせている。
私はその後も更にもう一回もう一回と雛鳥の様に又してもケーキを要求してくる二人に苦笑いをしながら「食べたいなら自分で取って食べなさい」と言うと、何処からか感じた視線を探す為に背後に目を向ける。
その際に視線をさ迷わせる私の目とガッツリ目が合ったのは少し遠くにいる男の子。
もしやだけれどあれはアイザック・テペルギュウスではないだろうか。
私はまたもやチラリとこちらに目を向けて来たアイザック少年に適当に笑顔を向けながら頭を下げると、少し照れ臭そうにこちらに頭を下げてそのまま私から視線を逸らした彼の瞳の色を確認して頷く。
あの男の子は間違いなくアイザック少年である。
短い黒の短髪に少しつり目気味の碧の瞳はもうかれとしか言いようがない。
それにこのパーティーにいる子供は見る限り私達三人とその他十数人ほどという感じだし。
まあ、恐らく他の子供達もそれぞれ二人ずつか三人ずつでグループみたいなものを作ってるのだがその中でここまで仲良くしてるグループはいないからこちらが気になったのだろう。
私はそのままこちらに背を向けて大人達の影に消えて行ったアイザック少年から視線をフェリナ達に向けて、未だに美味しそうにケーキやらスイーツを食べる二人に苦笑いを浮かべる。
「二人共、食べ過ぎじゃない……?」
「だって美味しいんだもん!」
「そうそう、フォリナも食べなよ!」
「私はいいわ。二人共、喉に詰めないようにね」
フェリナ達は私の最後の言葉にそれぞれ頷くと、お皿の上に乗ったチョコケーキやショートケーキを再びモグモグと口の中に入れて行く。
「ちょっと飲み物を取ってくるわ。すぐに戻ってくるからくれぐれもここから動かないように。二人共、何を飲みたい?」
「あ、私はオレンジジュース!」
「僕もオレンジジュース!」
「分かった、二人共オレンジジュースね。貰ってくるわ」
私は「いってらっしゃい!」と言ってくる二人に笑顔で手を振ると、ジュースの並べられた机まで向かった。




