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取り敢えず、フェリナの部屋に行って彼女を起こした私は彼女と一緒に朝食を食べて二人で庭を散歩していた。
すると前方からこちらに歩いてきたのはとても綺麗な頬笑みを浮かべながら日傘を片手に手を振る母の姿。
私とフェリナはお互いに顔を見合わせるなり、こちらへゆったりと歩いてくる母に向かって走り出す。
「「母様!」」
「二人共、おはよう」
走り出した時の勢いをそのまま二人して母に抱きつけば、軽々とそれを受け止めてクスクスと笑いながら私達の頭を撫でながらそういう母。
私達はそれに笑顔を浮かべながら頷いて母、妹、私という形で横並びに手を繋ぎながら庭の散歩を再開する。
そして、暫く庭を散歩している最中に母が私達にこんなことを言ってきた。
「二人共、近々だけど私と父様の昔からの友人の誕生パーティーがあるのだけれど二人共来るわよね?」
私達を見下ろしながら期待した目でこちらを見てくる母。
この時、もしやそのパーティーが誘拐事件の発端になる場ではないのかと思った私は悪くない。
だって確かフェリナが誘拐される際に父と母の立ち絵もゲーム内にあったし。
私はそう考えながら引き攣る口元をどうにかこうにか隠しながら真横で迷いなくそれに頷いた妹に目を閉じる。
ダメだ、もしもそのパーティーが誘拐事件の現場だとしたら妹は拐われるの決定だ。
それに何故か知らないけれど母が"二人共"と言ってる時点で私もそのイベントに強制参加決定ですよね。
私はこちらを見て「フォリナ、大丈夫?」と心配そうに見てくる母と妹に対して笑顔を見せながらそっと溜息を吐く。
もう笛はフェリナの物になるの決定だ。
私は意地でもそのパーティーに出る気は無いが妹はパーティーの言葉に頬を桃色に染めながらキラキラした目をしているし確実に行ってイベントに巻き込まれる。
ギノに妹を任せるのはちょっと嫌だが、背に腹は変えられない。
昼間はきっとギノはお仕事があると思うし、今夜にでもさっさとギノを呼び出して妹の事を頼むしかない。
でも、やっぱり妹を危険な目に合わすのは嫌だなと思うのは仕方ない事だと思うんですよね。
だからと言ってこんな嬉しそうな顔をする妹に行くななんて言えないし……。
私はそっと隣に並ぶ二人を横目に見ると、そのまま逆側に咲く薔薇たちに目をやって自身の着るスカートの裾を強く握った。




