第1章 〜1人〜
キュールも集まりギルドへと戻る事にした
アクセルラビットはそんなに強くないと言って居たのに、俺は何も出来なかった
それほどに俺と他の冒険者には力の差があるのであろうか
帰る途中俺もレイ姉ちゃんも一言も発せず無言のまま歩いた。
「それではクエスト完了になります!報酬の100万ゴールドです!」
「100万!?これは簡単なクエストでは?」
「はい!…いえ、簡単なクエストだったが正しいですね。何故かアクセルラビットが大量発生してしまって、誰も手出しができなくなっていたんです。キュールの在庫も無くどんどんクエストランク上がってて、いつの間にかCランククエストにまでなってました。お二人ともよくご無事で!
この度はこちらのミスでもありながら、それをGランクでありながらこなしていただいたお二人は、Dランク冒険者へと昇格が決定されました!」
うわ…一気にDかよ。
この世界の冒険者にはランクがあって
駆け出しのGランク冒険者から、F、E。
やっと、ちゃんとした冒険者として見られる
Dランク、Cランク。
実力者であるBランク、Aランク。
ギルドからかなり信頼されるSランク冒険者
そして世界に2人しかいないSSSランクの冒険者。
最後に唯一無二のExランクである冒険者ギルド最重要責任者、ギルドマスター。
なんでも前魔王を単独で打ち取ったらしい…
どのぐらいの強さなのかわからないがいつかは会ってみたいものだ。
この世界には今魔王は居ない、ならば何故魔物がいるのか。
それはこの世界中に空気と同じよう漂っている魔力が関係しているらしい
原理はわからないが、その魔力が何らかの現象で動物や植物の体内に一気に入り込んでしまったりするらしい。魔力だけの塊が魔物になることは滅多に無いらしいが、もしそれが誕生してしまったら、それは魔王の側近になる素質のある魔物になるらしい。人の形をし、人の言葉を話し、人の感情を理解する魔物。それをこの世界の人は魔人と呼んでいる。
「アクセルラビットが50匹ほど、居ましたがあいつら強すぎませんか?どこが弱い魔物ですか!」
「はい、アクセルラビットとゆうものは単体では限りなく弱いです。早さも人の全力のダッシュと変わらないでしょう」
「それはあり得ない!俺らが見たのは一瞬にして移動するほどの速さのウサギだった!」
「それもそのはずです…弱い魔物は他の自分と同じ姿の魔物の魔力を自分の物に出来るのです。
魔力が高ければ高いほど身体能力も向上します。50匹ものアクセルラビットであれば、1体の強さはその50体分…ではありません。どんどん強くなります…魔物は大気中の魔力を常に吸収しています。1体が50体分の強さになったら、他の1体も50体分の強さですよね?その強さの魔物50体が揃いました。その後は1体の魔物が50体分の強さで、さらに50体分の強さを持った50体の魔物の強さをその1体が吸収するのです…魔物の素体そのももの限界もありますが、恐らくお二人が戦ったアクセルラビットの1体の強さは500体分ぐらいの強さはあったのではないでしょか…」
おいおい…それじゃあ弱い魔物こそ本当の脅威じゃねぇか。
「しかし大量発生したのが、アクセルラビットで、よかったです。スライムだと無尽蔵に強くなりますから…」
魔人の例外がいる。それは大気中の魔力の塊が薄い時に生まれたものは全てスライムへとなる。
つまりはスライムだらけの場所が出来てしまうとその強さは魔王すら越える。
「スライムが大量発生したことはあるんですか?」
「はい、アケノスティアの近くの谷はいつも魔力がとても濃い場所になっているのにも関わらずそれが1体の魔物では無く全てスライムへと変わってしまって100体ぐらいのスライムが誕生しました。
しかしそのスライム達は1つへとまとまり、ビッグスライムとなって倒すのに苦労が掛かりませんでしたが…あれがあのままの状態でしたら魔王以上…ドラゴンすら超えてしまう存在になったかもしれません。」
魔王より強く、この世で一番強い生物、それはドラゴン。
スライムの大量発生したアケノスティア大山脈に生息する。しかしドラゴンは全て温厚で人を襲ったり魔物を襲ったりはしない。どちらかというとよく人里へと来て、人の姿になって一緒に生活をするらしい
魔王が攻めて来たりしてもドラゴンは何もしない
ドラゴンがする事は世界の調和
大災害などを、未然に阻止している…らしい。
「そういえば今このギルドにSSSランクの冒険者が来てますよ!
ミーシャ・タイラントと名乗るドラゴンです!」
…ドラゴン!?
「ドラゴンならギルドマスターより強いはずでは!?」
「それはドラゴンのときならです!人化してる時は魔力の消耗が激しく弱まるそうですよ!といってもSSSランクなのでとてつもない強さなのですが…」
ミーシャか…探してみるか。